189.　日本での脱走米兵だったジョン・フィリップ・ロウさん、アフガン攻撃を「揺れつつも支持」と語ると『ＡＥＲＡ』が報道（02/01/26掲載）

　朝日新聞社刊の週刊誌『ＡＥＲＡ』2002年1月28日号に掲載されている「戦争という記憶」（同誌編集部　浜田敬子）は、昨年、『お隣りの脱走兵』公演を期に訪日し、旧ジャッテック関係者らとも交流した元反戦米脱走兵（現在、アメリカで開業医）のジョン・フィリップ・ロウさんが、「アフガン空爆についても、揺れつつも支持するという」と報じている。

　同誌のその部分の記事は以下のとおり。

　……ピツツバーグ郊外に住む開業医のジョン・フィリップ・ロウ（52）は、いわゆる「ベトナム脱走兵」の1人だ。67年に入隊し、日本の緊急収容病院に勤務。もともと平和主義者で、歩兵としてベトナム送りになるよりは、と志願した。そこで見たのは、戦争の引き起こす無意味で非人間的悲惨さと、それを終わらせようとしない政府。脱走は精いっぱいの抵抗だった。
　「医師という職業を選んだのも、手足を失い、運びこまれ、死んでいく兵士たちと向かい合ったトラウマからなのです。脱走兵としての体験は、私が何者であるかを定義づけている」
　30余年前、必死で流れに抗ったフィリップはいま、「9・11」について、こう話す。
　「この世界に純然たる悪が存在するという事実を思い出させた。だが、何千もの消防士や救助隊が危険を顧みず、人々を救おうとしているのを見て、9・11は人間の精神の美しさを永遠に証明する出来事として歴史に記憶されるだろうと思うようになった」
　アフガン空爆についても、揺れつつも支持するという。ベトナム戦争には反対したのに、と問うと、　
「あのときとは状況が全然違う」
　と答えが返ってきた。……