150. 吉岡忍さん から「個人情報保護法案をぶっ飛ばせ!2001人集会」のためのアピール(01/09/01掲載)

 本「ニュース」欄前号でお知らせした「個人情報保護法案をぶっ飛ばせ!2001人集会」 について、吉岡忍さんから、友人たちに次のようなアピールがメールで送られてきましたので、以下にご紹介します。    なお、次の「ニュース No.151」もご参照ください。

▼……諸氏諸嬢!
 お久しぶりです。(中略)
  集会のお知らせです。私も深〜くコミットしています。ぜひご参加いただきたくて、このメールをお送りすることにしました。ご一読ください。
 今度の日曜日、9月2日の午後2時から8時までという長丁場。
 場所は東京日比谷の「日比谷野外音楽堂」。なんとか2000人規模の集まりにしたいと思っています。ご協力ください。
 テーマは「個人情報保護法案」です、その廃案を求めています。
 以下、その趣旨とプログラムです。

 吉岡 忍*************(
吉岡さんのメールアドレスは略――ホームページ管理者)
……………………
【9.2日比谷野音「個人情報保護法案をぶっ飛ばせ!2001人集会」開催にあたって】
            ……同実行委員会……

 私たちはきょう、2001年9月2日、個人情報保護法案に反対する声をあげる。
 私たちはここ、日比谷野外音楽堂に集い、個人情報保護法案の廃案を求める。

 過去十余年のあいだに世界を覆ったIT革命とグローバリズム、そこに連動しながら不況にあえぐ日本で起きた地域文化と企業文化の空洞化は、人間と世界、個人と社会との関係に大きな変容をもたらした。よかれあしかれ人間は世界とじかに結ばれ、個人は地域や企業組織の媒介なしに社会とつながることを余儀なくされるに至った。
 それは、しかし、一人ひとりの個人が責任と権利の主体として自己を再定義し、生きはじめる契機ともなれば、諸個人があらたな共同性を創造していく沃野ともなるだろう。世界と日本の新しい現実は、そのような個々人の生き方をうながし、共同性を育て励ます社会システムを必要としている。

 ところが、今秋の国会で審議採決されようとしている個人情報保護法案は、個人が自己の責任と権利に基づいて生きようとする意思と可能性を押しつぶそうとする。
 第一に法案は、新聞・テレビ・通信・出版などに遵守すべき行動指針をはめ、個々人の表現活動にはさらにきびしい義務規定を課すことによって、報道・出版の自由、思想・表現の自由をゆがめ、その結果として、個人個人が思考し、判断し、行為し、さらにはみずから多種多様な表現へと向かう自由を奪っているからである。
 第二に法案は、個人にかかわる情報をもっとも大量に保有し、使用している公権力のすべてを法の対象外とし、個人が自己の情報にアクセスし、訂正や削除や利用停止を求める権利を奪っている。諸個人をふくむ民間事業者に強制される行動指針や義務規定が、なぜ公権力には求められないのか。なぜ同じ原理原則を適用できないのか。
 そこに私たちは、世界と社会の新しい現実のもとで、一人ひとりが責任と権利の主体としての自己を自覚していく前に、あらたな統治手法を作り上げたいと焦る権力の本能的危機感を読みとる。

 私たちはこの社会が、一部権力者や一部官僚の恣意的なコントロールによって左右されることを望まない。私たち自身と、次代を担う者たちの耳と目と口が、これらの者たちによって奪われることを望まない。

 私たちは個人情報保護法案に反対し、その廃案を要求するために集まったが、しかし、こうした所期の目的を超え、この法案がなぜいま目の前に現われてきたのか、メディアと表現が果たすべき役割とはなんであり、その実際はどうなっているのか、そして、そもそも個人とはなんであり、情報とはなんなのか……等々の、過去と現在と未来にかかわる深い問いかけを一人ひとりが静かに考え、自由に議論できる場にしたいとも思う。
 この集会はさまざまな個人と、各種団体の熱意と協力によって開催される。ここには政治的思想的信条を異にする団体や個人も多数参加するが、もとより私たちはその相違による誹謗中傷、暴力的行為を認めない。不毛な言説と行為の消耗戦をしている時間は、もう私たちにはない。いまもっとも急がれるのは、個人情報保護法案とそれが法律化されようとするこんにちの世界と日本のありようを私たち一人ひとりの問題としてとらえ返し、それぞれの立場から法案反対の声をあげ、廃案を求めていくことである。この集まりがその機会となることを、私たちは信じて疑わない。

 私たちはきょう、2001年9月2日、個人情報保護法案に反対する声をあげる。
 私たちはここ、日比谷野外音楽堂に集い、個人情報保護法案の廃案を求める。
………………
[1]……集会概要

○名称 9.2日比谷野音「個人情報保護法案をぶっ飛ばせ!2001人集会」

○主催 9.2日比谷野音「個人情報保護法案をぶっ飛ばせ!2001人集会」実行委員会
    (略称 9・2実行委員会)

○日時 9月2日(日)開場:13:00/開演:14:00/終演:20:00

○会場 日比谷野外音楽堂(地下鉄日比谷線霞ヶ関駅B1出口より徒歩2分)

○料金 900円(資料+経費負担)

○集会のポイント
・個人情報保護法案に反対する諸団体・諸個人が大合流を果たしました。
・次期国会で本格審議が開始される個人情報保護法案の廃案を訴えます。
・全出演者はノーギャランティ、集会運営はボランティアによって行なわれます。
・著名ゲストが次々に登場し、白熱のトークセッションが繰り広げられます。さらに集会に賛同するミュージシャン、コメディアンが出演します。
・集会の最後に「9・2宣言」を発表し、個人情報保護法案廃案運動への参加を呼びかけます。

○参加団体
個人情報保護法拒否!共同アピールの会/日本ペンクラブ/日本ジャーナリスト会議/日本出版労働組合連合会(出版労連)/日本新聞労働組合連合(新聞労連)/日本民間放送労働組合連合会(民放労連)/出版Nets/出版流通対策協議会(流対協)/日本脚本家連盟/日本消費者連盟/JCA−NET/週刊金曜日/ロフトプラスワン(順不同)

○賛同人
※別紙一覧をご覧ください(作成中です。100名に迫る予想外に多くの方々にご賛同いただきました)。

○9.2集会開催までの流れ
・今年2〜3月、個人情報保護法案の内容が明らかになり、メディア・表現の各界で問題点が議論され、反対意見や声明が公表される。
・4月 個人のノンフィクション作家、フリーライター、編集者などが集まり、「個人情報保護法拒否!共同アピールの会」を発足、同法案の廃案を求める声明を発表。
・6月 同アピールの会が「第2次声明」を発表。
・7月 同アピールの会が各組織・機関・個人に「9.2集会」開催を呼びかけ。ただちに日本ペンクラブ、マスコミ系各労連、メディア総研、ロフトプラスワン、各市民団体(上記参加団体参照)と多くの作家、フリーライター、編集者などが合流し、実行委員会を形成。
・8月 同実行委内に事務局を置き、週1回の会合をかさね、準備にあたる。各事務局会議には40〜60名が参加。
・9月 開催。

○問い合わせ先
・個人情報保護法拒否!共同アピールの会事務局
         TEL03-3545-7075(マガジンハウス「ダカーポ」編集部/山田・國貞)
・ロフトプラスワン TEL03-5287-3766(平野・加藤)


[2]……プログラムおよびタイムテーブル

〈第1部〉
14:00〜14:10 【開会宣言】=10分
        =司会者登場(短い挨拶)……金井覚・米沢泉美
        =開会挨拶(個人保護法案の問題点/集会の意義と主張)
              ……佐野眞一(ノンフィクション作家)
14:10〜14:55 【ブロック1】=45分
        ▼テーマ=雑誌はいままで何をやってきたのか
        =各誌編集長……(講談社・小学館・文藝春秋・新潮社・マガジンハウス、岩波書店など)
        =提起+進行……二木啓孝(ジャーナリスト)
14:55〜15:40 【ブロック2】=45分
        ▼テーマ=きれいなメディア、きたないメディア
        =佐高信(評論家)
         鈴木邦男(評論家)
         日名子暁(フリーライター)
         森達也(映画監督)
         ひろゆき(2ちゃんねる主宰)
         辛淑玉(評論家)
        =提起+進行……宮崎学(作家)
15:40〜16:25 【ブロック3】=45分
        ▼テーマ=あなたはいかに狙われ、奪われるのか
        =齋藤貴男(ノンフィクション作家)
         宮台真司(東京都立大学助教授)
         有田芳生(ジャーナリスト)
         安田好弘(弁護士)
         江川紹子(ノンフィクション作家)
         切通理作(評論家)
        =提起+進行……魚住昭(ノンフィクション作家)
16:25〜 16:35  ▼歌え叫べ踊れ(1)=10分
        =パンチユーホー(お笑い芸人)
〈休 憩〉
16:35〜16:45
〈第2部〉
16:45〜17:05  ▼歌え叫べ踊れ(2)=20分
        =藤原ヒロシ(音楽プロデューサー)+音声参加(筑紫哲也・河野義行・鳥越俊太郎ほか)+音楽
17:05〜17:45 【ブロック4】=40分
        ▼テーマ=笑い・記憶・権力
        =井上ひさし(作家)
         澤地久枝(ノンフィクション作家)
         島田雅彦(作家)
        =提起+進行……吉岡忍(ノンフィクション作家)
17:45〜18:30 【ブロック5】=45分
        ▼テーマ=表現よ、限界へ向かえ
        =若松孝二(映画監督)
         渡邊文樹(映画監督)
         梁石日(作家)
         梓澤和幸(弁護士)
         佐野眞一(ノンフィクション作家)
        =提起+進行……大谷昭宏(ジャーナリスト)
18:30〜18:45 ▼歌え叫べ踊れ(3)=15分
=パンタ(ミュージシャン)
18:45〜19:35 【ブロック6】=50分
        ▼テーマ=小泉政治の何がいちばんダメなのか
         田中康夫(長野県知事)
         大橋巨泉(参議院議員)
         崔洋一(映画監督)
         森永卓郎(エコノミスト)
         福島瑞穂(参議院議員)
        =提起+進行……田原総一朗(評論家)
19:35〜19:45 【行動提起】=10分
        =アピール採択〜各党・国会に提出〜拍手で採択……吉田司
        =秋の各種会合参加の呼びかけ
19:45〜20:05 ▼歌え叫べ踊れ(4)=20分
        =平安隆ほか(カチャーシー)
20:05 【閉会】
 

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