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猪口邦子軍縮大使と地雷関連NGOの懇談会

上智大学の猪口邦子教授が、在ジュネーブ軍縮会議日本政府代表部の大使として赴任された事は、皆さんの記憶に新しいと思います。この程、猪口大使が始めての年末お休みで一時帰国されました。その機会に、当会のほか、AAR(難民を助ける会)、JAHDS(人道目的の地雷除去支援の会)と懇談を持ちたいとのお話があり、2000年12月24日に、当会の事務所がある、JVC(日本国際ボランティアセンター)の会議室で大使とNGOの懇談会が持たれました。

大使からは次の報告がされました。2000年12月2日から13日までに開かれたCCW締約国会合等では、紛争終了後に戦場に残って民間人に被害をもたらす「不発弾」や「対車両地雷」の非人道性が問題とされ、「不発弾」については2003年から文書についての交渉が開始されることが合意されました。「対車両地雷」については、交渉マンデートの作成を視野に入れ、引き続き検討することになったとのことで、言い換えれば、今まで永い間止まっていた「不発弾」や「対車両地雷」を規制しようという話合いが、反対する国々を押し切って大きな一歩を踏み出したという事でした。

その他、2003年9月にバンコックで開催される、地雷禁止条約締約国の第5回会合はアジアで開催される重要な会議であり、日本政府とNGOでタイ国に協力してこの会議を成功させる必要があること、日本政府がカンボジア政府と共に地雷対策専門家委員会の共同議長に就任する年であるので、地雷除去に対するこれまでの日本の援助をアピールする必要があること、などが話し合われました。

また、「地雷の犠牲者支援」が「地雷除去支援」に比して世界的に低調である事、その解決策はどうすべきかについて、意見が交わされました。その他のNGO側からの主な発言は次の通りです。

  1. ICBLが2004年の地雷禁止条約の検討会議に向けて「対車両地雷」の取り扱いを決めるに当たり、12月のCCW会議の結果が大きく影響される。
  2. 世界の有志NGOがCCWの会議の結果に対するステートメントを近日中に各締約国に送る。主な内容は2003年の交渉事項の中に「犠牲者支援」と「不発弾を残す可能性のある武器の使用禁止」を含めるよう、求めるものである。
  3. 在日米軍の保有地雷についての日本政府の解釈ほか、日本政府の解釈が条約に違反している条項があること。
  4. AARからアンゴラ避難民のための地雷回避教育について。
  5. JAHDSからタイにおける地雷対策活動について。タイでTCBLやGICHDなどと共同開発した技術や経験を将来他の地雷被害国に適用することについて。

<註>
CCW:特定通常兵器使用禁止規制条約
GICHD:ジュネーブ人道的地雷除去国際研究センター
JVC:日本国際ボランティア・センター
TCBL:タイ地雷対策センター



猪口邦子軍縮大使(前列中央)と懇談会出席者