1.97年度の活動(1997年7月〜1998年6月)
1997年は対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)を成立させ、出来るだけ多くの国にこの条約に参加するよう求める年でした。
JCBLは97年7月19日の発足早々に日本政府のオタワ条約参加を求める56団体の連名の要望書を8月19日に橋本総理あてに提出しました。その直後、日本政府はオタワ条約参加を 決めたものの、留保条件を付けていたので、留保条件なしで参加 する事を求める要望書を再び橋本総理あて8月30日に提出しました。
オタワ条約の条文の完成を目指すオスロ会議では、留保条件オタワ条約の条文の完成を目指すオスロ会議では、留保条件なしの条文が9月18日に採択され、留保条件の追加を求めてい た米国、中国、ロシア、日本等は棄権し、110ヶ国が参加の意思を表明しました。引き続き、JCBLは日本政府に留保条件無しの参加を求める署名活動を行いました。
11月には、イエズス会社会司牧センターの協力を得て、カンボジアからトゥン・チャンナ レット氏を招聘し、全国にわたる地雷廃絶キャンペーン行事を行いました。署名は35,283名分が集まり、11月17日にチャ ンナレット氏の手を介して小渕外務大臣に提出し、日本政府の オタワ条約参加を大臣に直接要望しました。その甲斐あって、日 本政府は対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)に留保条件なしで参加する事となり、小渕外務大臣が12月3日にオタワ会議に出席して調印をしました。
以上の行事と平行して、キャンペーン用のパネル、ビデオ、ス ライド、地雷模型を調達して、国際協力の日の行事に参加しました。パネル等は地雷廃絶のキャンペーン行事を実施する日本全国のボランティア諸団体に貸出して喜ばれました。これらの行事を通じて集められた募金は、チャンナレット氏が所属する「イ エズス会難民救済サービス(JRS)」、義肢援助の「希みの会・HO PE」、地雷除去の「マインズ・アドバイザリイ・グループ(MAG)」 の活動に対する資金援助に充て、JCBLの目的に合わせた使用をして貰いました。
その他の特記事項として、反核法律家協会の求めに応じて、98 年3月7日の同会の学習会で地雷廃絶キャンペーンの活動の経緯についての講演を行ない、人道目的に的を絞ったオタワ・プロセスを反核運動に適用することについて話し合いました。
6月15日には外務省、防衛庁の関係者のご参加を得て、カナダ大使 館の協力を得て、シンポジウム「対人地雷の全面禁止を考える。 オタワ条約批准に向けて」を開催しました。
この期間中に運営委員会を20回開催し、ニューズレターを号外を含めて7号発行しました。また、希望者に対して電子メールによるJCBLおよびICBL関連の最新の情報提供サービス を実施しました。
2.98年度の活動(1998年7月〜11月)
98年4月から日本政府のオタワ条約(Ottawa Treaty)の早期 批准を求めて、団体、個人会員の協力を得て署名活動を行っていましたが20万を超える署名が集まり、9月11日に小渕首相に提出しました。小渕首相はもともと人道的な立場で日本の早期 批准を期しておられながら、政府内の事務手続の遅れに業を煮やしておられたので、我々の署名に力を得て関係者を督励して、 9月30日の批准を実現されました。45番目の批准でしたが、9 月中の批准であったおかげで先行40ヶ国と同時に99年3月1 日から条約が発効する事となりました。
また、99年5月に予定 されている締約国会議に参加する資格が出来ました。他の要素 もあったかもしれませんが、我々の署名で批准が促進されたと 自負しております。
11月4日にはノルウエー王国大使館、日本赤十字社、国連大学、外務省が98年度ナンセン記念として開催された国際赤十字・赤新月社連盟会長ハイバーグ博士の地雷問題に関する講演 会にJCBL代表の北川が招かれ、日本の地雷廃絶活動について紹介をしました。
今後はICBLが各国のキャンペーン団体と協議して取り決め今後はICBLが各国のキャンペーン団体と協議して取り決めた新しい方針に従って、オタワ条約で定められた事項の実現に 向けてモニタリング活動を行います。また、英国の地雷除去団体 MAGと協力して、地雷除去を除去した後、その土地にどのよう な社会的、経済的なインパクトが及ぼされるか、を数値的に評価するケース・スタディを行います。この報告書が地雷問題の解決に世界銀行、ODA等の公的資金を導入する事に役立つ事を期待しています。更に、まだオタワ条約に調印をしていないアジ アの近隣諸国の条約参加を求めて、それぞれの国の市民運動を援助することも考えています。
3.会員の状況
個人会員 約200名
団体会員 46団体
4.JCBLの活動(1997年7月〜1998年11月)
1997年 |
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7 月19日 |
JCBL設立集会 |
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8 月19日 |
橋本総理あてオタワ条約参加の要望書を提出(56団体と連名) |
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8 月30日 |
橋本総理あてオタワ条約に留保条件なし参加の要請書提出 |
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9 月16-18日 |
オスロ会議へ出席者派遣 |
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15日 |
条約起草コア諸国あて、米國の留保条件に乗らぬよう要望書発送
※コア諸国:英国、カナダ、ドイツ、ベルギー、モザンビーク、ノルウエー、フランス、 アイルランド、南アフリカ |
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10月4-5日 |
「国際協力の日」の行事に参加 |
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11月13-30日 |
カンボジアの地雷被災者キャンペナーのトウン・チャンナレット氏を招聘して 全国キャンぺーンを実施した |
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11月17日 |
橋本首相あてオタワ条約への参加を要望する署名35,283名分の提出 |
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12月2-5日 |
オタワ会議に出席者派遣 |
1998年 |
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1 月31-1日 |
NGO 東京地雷会議98 (「難民を助ける会」主催)に参加に参加 |
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4 月〜8 月 |
署名運動「98年秋の国会で日本も批准を」開始 |
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5 月23-24日 |
東京市民フェスタの行事に参加 |
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6 月15日 |
シンポジウム「対人地雷の全面禁止を考える。オタワ条約批准に向けて」を開催 |
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6 月24日 |
国会議員に対する対人地雷に関するアンケート調査の実施 |
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7 月31日 |
小渕新内閣発足に際し、オタワ条約批准関連法案の国会への早期提出を要請 |
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8 月28日 |
批准の促進と、関連法案に「抜け道」を作らない小渕総理あて要望書の提出 |
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9 月11日 |
20万人の署名を添えて批准促進等の要望書を提出 |
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9 月16-18日 |
目加田運営委員、モニタリングに関するICBLダプリン会議出席 |
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9 月22-30日 |
オタワ条約批准関連法案の「抜け道」的表現のリストを作成し、各党幹部議員に 配付して、衆参の関連委員会の法案審議の場で「抜け道」を塞ぐよう要請した。 また、JCBL会員有志で各委員会、衆参本会議の傍聴し審議状況を見守った。 |
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9 月〜11 月 |
ポスター・コンクールの実施 |
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10月3-4日 |
「国際協力の日」の行事に参加 |
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10月26-28日 |
北川代表ほか3名、カンボジアCMAC主催の地雷会議に出席 |
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11月 4日 |
北川代表、ノルウエー大使館主催1998年度ナンセン記念講演会に参加 |
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11 月10 日 |
地雷に関する勉強会(JICA職員、JCBL運営委員のみでの非公式勉強会) |
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11 月24 日 |
北川代表ほか 3名、高村外務大臣主催の「対人地雷犠牲者ゼロの集い」に参加 |
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11 月29 日 |
首藤、目加田両運営委員第3回NGO東京地雷会議にパネネリストとして参加 |
1999年 |
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2月 8日 |
シンポジウム「地雷問題と地域開発」開催 |
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2月28日 |
地雷問題を考える「キッズ・フォーラム」およびポスタ−・コンクール表彰式を実施。地雷問題に関心のある小中学生40名が集まり、「今私たちにできること」についてグループワークを行う。 |
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3月 1日 |
オタワ条約発効記念イベント開催・小渕首相にポスターを渡す。同時に、小・中学生が作った地雷廃絶のメッセージを発表(代表:岡崎小5年柴田知佐さん)又、世界のお寺、教会が鐘を鳴らして条約の発効を祝う「ベル・リンギング」に参加(三重、広島、栃木ほか) |
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3月12日 |
ランドマイン・モニタ−´99の日本の部の英文原稿をICBL宛発送 |
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5月 3-7日 |
マプートに於けるオタワ条約締約国会議に出席(目加田) |
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5月 5日 |
上記会議の開会式におけるICBL代表発言の和文要旨をマスコミ宛に発送 |
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5月26日 |
シンポジウム「地雷禁止条約推進の課題」−条約履行のモニタリングと国際協力−を開催 |
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6月23日 |
天満敦子さんチャリティ・コンサート開催。当日は約1300名来場。収益金の中からJCBLに100万円が寄付され、「望みの会」の活動資金に使われた。 |
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8月10日 |
「ランドマイン・モニター報告1999要約」(日本語)を発行 |
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8月27日 |
この日に日本政府が国連事務総長に提出した、保有地雷の廃棄報告書の写しを外務省から入手しICBL宛に送付した |
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8月30日 |
早稲田大学でのキャンペーン・イベント開催 |
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9月 7日 |
国連あて報告書の中の廃棄地雷の数量の誤植の修正を外務省に進言した |
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9月27日 |
保有地雷の廃棄計画についてのJCBLとしての英文報告書をICBL宛に発送和文報告書をマスコミに配付 |
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10月 2-3日 |
国際協力フェスティバルへの参加 |
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10月26日 |
クラスター爆弾勉強会開催 |
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11月12日 |
旭化成における保有地雷の廃棄の為の爆破テストに立会い(JCBL3名、AAR2名)(滋賀県新旭町) |
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11月17日 |
上記に関する英文報告書をICBL宛に発送 |
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11月19日 |
ICBL国際大使ジョディ・ウイリアムズさんを迎えてのミーティング開催。JCBL関係者ゲストを含めて25名が出席し、活発な意見交換がなされた。 |
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11月28日 |
神奈川県 地球市民フォーラムのキャンペーン開催 |
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11月30日 |
オタワ条約調印2周年に当たり、小渕首相あて要望書を提出 |
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12月 |
アジアの未調印国に対する年賀状キャンペーンを実施。約千枚の年賀状を大使館へ送付し、 新世紀に向けての条約調印を訴えた。 |
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12月29日 |
小淵首相が新年早々に東南アジア3ヶ国を歴訪されるに当たり、 カンボジアにおける地雷除去団体の活動状況報告を首相あてに提出した |
2000年 |
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1月17日 |
保有地雷の廃棄開始式典に参加(JCBL6名、AAR3名)上記9名が小淵首相と面談、政府情報の透明性の拡大、未批准国に早期批准の働きかけ、地雷除去援助に比べて少ない犠牲者援助の拡大を要望した。
新旭町役場職員研修会で講演会「地雷廃棄と国際貢献」開催(講師:JCBL運営委員目加田) |
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1月19日 |
保有地雷の廃棄処理の開始の英文報告書をICBL宛に発送ジョディ・ウイリアムズ、 締約国会議のSCE(廃棄処理特別専門家委員会)共同議長のラズロ・ディーク博士(ハンガリー外務省)から祝電が来た。 |
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1月29日 |
未批准の45ヶ国の外務大臣あて、3月1日までに早期批准を促す書簡を発送した。 |
5.ニューズ・レターの発行
1997年 |
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8 月 4 日 |
準備号(巻頭 北川泰弘、設立集会報告他) |
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9 月 9 日 |
号外 ((オスロ会議、再度首相宛要望書提出他) |
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9 月20日 |
第2号 ((巻頭百瀬和元、オスロ会議後の課題他) |
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11月 8 日 |
第3号 ((巻頭小山内美江子、オタワに向けて他) |
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12月18日 |
号外 ((オタワ会議、条約調印される) |
1998年 |
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3 月15日 |
第4号 ((巻頭近衛忠輝、日本のNGOの取組み他) |
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6 月15日 |
第5号 ((巻頭熊岡路矢、日本の地雷生産と国際貢献他) |
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9 月 7 日 |
第6号 ((巻頭日本近くオタワ条約批准の見込み) |
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12月19日 |
第7号 ((巻頭オタワ条約調印1周年を迎えて) |
6.その他、、随時下記を実施
1 ) 講演会、学習会等への講師派遣
2 ) キャンペ−ン用のパネル、ビデオ、スライド、地雷模型の貸出し
3 ) 電子メールによる地雷関連情報の配信
4 ) 電話による問い合わせへの応対
5 ) マスコミへの情報提供
1998年9月11日(金)
首相官邸にて、小淵首相にオタワ条約の早期批准の 要望書と201,491名分の署名を提出。
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