−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<ATTACニュースレター日本語版2002年第24号/転載歓迎>
%━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━%
ATTACニュースレター「サンド・イン・ザ・ホイール」(週刊)
     2002年6月19日号(通巻第133号)
 ------------------------------------------------------------
          Sand in the wheel
   Weekly newsletter - 133 - Wednesday 19 June 2002.
   BEFORE THE G8 AND SEVILLA(G8とEUサミットを前に)
%━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━%

《attac‐jインフォメーション》

◆関西:7月13日(土)「フランス農民連盟とラルザック農民の闘い」

 ☆報告:上坂喜美さん+杉村昌昭さん☆午後2時スペースAK

◆京都:7月20日(土)☆報告:島本慈子さん(ノンフィクション・

 ライター)、午後6時20分キャンパスプラザ

《 も く じ 》

1- トービン税は現実的か?(Tobin Tax : Could it Work)

 最近では発展のための資金調達について議論される時、トービン税

への言及を避けることはできなくなっている。一般的に投げかけられ

る疑問は、発展のための資金を調達するために国際的な資金の移動に

課税することが現実的かどうか、また、それが望ましいことかどうか

ということだ。この問題は今年3月にメキシコ・モンテレイで行われ

た「国連・発展のための金融会議」でも取り上げられた。この会議に

は、各国の首脳や主要な国際機関の代表が、世界の貧困を減らす方法

を議論するために集まった(1335語)。

2- 反論:現実的なトービン税のために(Making a Workable Tobin

Tax: A Response to Helmut Reisen)

 ・・・こうした心配はもっともである。しかし、それはほとんどの

税に対しても言えることだ。たとえば、現在米国の多くの企業が、所

得税を逃れるためにバーミューダやその他のタックス・ヘーブンに法

人を設立している。このことをもって所得税の現実性に疑問をはさむ

議論が可能かもしれないが、これに対する対案は、こうしたゲームを

禁止する法律の制定であり、それは米国議会でも提案されている

(1369語)。

3- ヨーロッパの外交政策、あるいは大西洋の連帯(European

Foreign Policy or else Atlantic Solidarity)

 ユーロの出発、EUへの新規10カ国の加盟、ヨーロッパ憲法の草案作

り、これらの動きはヨーロッパの政治的統一に向けた具体的な進展を

表している。このような制度面での成功を前にして、多くの方面から

次のような問いが発せられている。このような歴史的に重要な局面に

あって、ヨーロッパが「1つの声」で主張する方法を知らないのはな

ぜなのか。特に平和や人権の追求という価値によって影響力を行使す

るという点においてである(3484語)。

4- WTO新事務局長、通商交渉への企業の影響力を制限するルール導入

を検討(New WTO chief plans rules to limit corporate influence

on trade negotiations)

 WTOの次期事務局長(9月に就任)は、国際通商交渉に影響を及ぼす多

国籍企業の活動を規制する新しいルールを検討していることを明らか

にした。WTO次期事務局長に指名されているスパチャイ・パニチャバッ

ク氏は、6月8日に、ロンドンで開かれた「世界開発運動」の年次総会

で、彼が「ある種のcode of conduct(行動基準)のようなものの導

入を検討している」と述べた(849語)。

5- エンロンの輸出(Exporting Enron)

 私たちはエンロンが米国経済に与えた損害を知っている。それなの

に何故、エンロンは税金による支援を受けつづける資格があるのか?

エンロンは倒産にのたうちまわっているはずなのに、実際は国際的ビ

ジネスを継続している。信じられないことかもしれないが、この醜聞

にまみれ、信用を失墜した企業が、依然としてその世界的ビジネスの

ために公的資金を求めているのだ(833語)。


《 要 約 版 》

●トービン税は現実的か?

Tobin Tax : Could it Work

ヘルムット・ライゼン (OECD開発センター)

――「OECDオブザーバー」2002年5月号より――

 国際金融取引への課税は、たとえ現実に導入されたとしても、その

提唱者が言うような発展(開発)の目標を達成することは困難であろ

う。

 最近では発展(開発)のための資金調達について議論される時、トー

ビン税への言及を避けることはできなくなっている。一般的に投げか

けられる疑問は、発展のための資金を調達するために国際的な資金の

移動に課税することが現実的かどうか、また、それが望ましいことか

どうかということだ。この問題は今年3月にメキシコ・モンテレイで

行われた「国連・発展のための金融会議」でも取り上げられた。この

会議には、各国の首脳や主要な国際機関の代表が、世界の貧困を減ら

す方法を議論するために集まった

 トービン税のもともとの狙いは開発ではない。実際には、国際金融

の「歯車に砂」を投げかけ市場の安定を図るという目的で、1972年に

米国の経済学者であるジェームス・トービン氏により提唱された。こ

れは国際為替取引に課税をするもので、ある政府やNGOはこのような

為替取引に少しの税金を課す事により多大な歳入を得られ、それを環

境問題、保健プログラム、貧困削減などに使うことが出来ると主張す

る。例えば、0.05%から0.25パーセントを課税する事で年間500〜

2500億ドルを生み出せると算出される。

 しかし、これらは現実性のある数字だろうか?為替市場は電子取引

により即日に清算、差額決済を行うことが増えている。外国為替市場

における現物、先物、スワップ取引に関する調査で一日の取引高が

1998年には1兆4900億ドルあったのに対し2001年には1兆2100億ドルと

19%も下落、ユーロによる通貨統合、現物取引の電子取引化の拡大、

銀行界の合併と再編が縮小の要因と言えるだろう。この傾向は引き続

き問題を生み出す。それは課税基盤の縮小である。

 そして、電子取引の成長にあっても、金融機関やそれ以外の顧客と

の取引よりディーラー間の為替取引が取引高の半分以上を占めている。

ほとんどの取引が業者間のリスクヘッジのために行われているのであ

る。トービン税は各取引が課税対象となることからリスクヘッジ取引

を減らすと見られる。従って、それは為替取引の減少をもたらすだろ

う。

・・・

 そのうえ、課税逃れが増え税収も減るだろう。そこでは二つのこと

が考えられる。一つは非課税地域の外為市場に取引が移ること。もう

一つは、非課税の手段による取引である。

 市場の移動は重要な為替取引市場がある全ての地域でトービン税を

課すことで防ぐ事が出来るだろう。取引はタックス・ヘーブン等の市

場に流れるかもしれない。それを防ぐためにはそこでの取引に罰則税

を課し、正当な市場でだけ取引を許す事である。・・しかし、それは

小さな市場に対してしか効果がない。フランクフルトや香港などの大

きな市場でトービン税を採用しないと、大量の取引が非課税地域に流

れる。そして課税基盤の崩壊を引き起こす。

 課税対象である外為取引を非課税の取引手段で代替するのを防ぐた

めに、全ての金融取引そして税逃れのために出てくる新しい取引に対

してもトービン税を課す必要がある。例えば、現物取引にだけ課税す

れば、短期先物取引に逃れられる。ゆえにこれらも課税対象とするの

である。

・・・

 他にも不安材料はある。今日の政治リーダーが本当にトービン税を

開発の為に当てるか?トービン税を行政的に回収可能か?援助に役立

てるか?

 他にも方法はある。例えば、貧困削減のために投資する企業に税制

上の優遇を与えるとか、IMFの特別引出権(SDR)の新規発行によって特

別の信託基金を確保するなどの方法が論議されている。これらの方法

については、トービン税と同様に慎重に検討されるべきである。


●ヘルムット・ライゼン氏への反論:現実的なトービン税のために

Making a Workable Tobin Tax: A Response to Helmut Reisen

 ディーン・ベーカー(経済・政策研究所副所長、ワシントンDC)

 最近発表されたOECDのエコノミストであるヘルムット・ライゼンの

コラム"A Tobin Tax: Could It Work(トービン税は現実的か)"は為替

取引における課税の難しさやトービン税が開発のための資金調達には

不十分であると指摘した。彼が実施上の問題として挙げているのは、

タックス・ヘーブンにおける取引と、先物・オプション・スワップな

ど非課税のデリバティブ取引である。

 こうした心配はもっともである。しかし、それはほとんどの税に対

しても言えることだ。たとえば、現在米国の多くの企業が、所得税を

逃れるためにバーミューダやその他のタックス・ヘーブンに法人を設

立している。このことをもって所得税の現実性に疑問をはさむ議論が

可能かもしれないが、これに対する対案は、こうしたゲームを禁止す

る法律の制定であり、それは米国議会でも提案されている

 同様に、地理的な問題は、地域に関係なく全ての取引を課税対象と

することで解決できる。課税対象取引がデリバティブに代替されると

いう論点は、よく取り上げられている。トービン税の支持者たちの一

部は、そのような取引もスポット取引につながるなら課税対象になる

と指摘しているが、ほとんどの場合デリバティブはスポット取引を伴

わない。したがってデリバティブ取引に対するトービン税の影響はご

く限られる。

 しかし、この問題はこうしたデリバティブ取引の証書にもトービン

税を課すことで簡単にクリアできる。通貨オプション、先物、スワッ

プ等も、通貨そのものの取引と同様に、好ましいものではない。これ

らの取引に課税すれば、開発のための資金調達に大いに貢献する。トー

ビン税の支持者の中には、国内の金融取引も同様に課税対象とするべ

きという意見もある。

 税金逃れの誘因は、税率に比例する。また、分散的な取引よりも高

度に集中した取引の方が課税しやすい。トービン税と著作権料を比べ

ると、トービン税のほうが個別に徴収される著作権料よりもはるかに

簡単に徴収できる。

・・・

 ライゼン氏のもう1つの論点、つまり為替取引が減少し、課税基盤

が狭くなると言う指摘は、むしろトービン税を擁護する論点であると

言える。トービン税の支持者たちは、多大な為替取引量を金融不安要

因と見る。金融市場の安定の為には取引量の削減が望ましい。

・・・

 ライゼン氏が言う取引量の大幅な減少は、実際にはトービン税の問

題なのではなく、利点である。この税の負担は、消費者には転化され

ず、金融機関が負う。トービン税は企業が予期せぬ市場の混乱のため

に行うリスクヘッジを減らすものだとしても、企業はそこに価値をほ

とんど置いていない。もし、企業がそのリスクを額面の0.1%以上と

して評価するなら、トービン税はリスクヘッジを妨げるほどのもので

はない。

 OECDがトービン税のメリットについて重要な問題を提起するのは歓

迎すべきことだ。重要なのはトービン税の支持者たちがそれらの問題

を取り上げる準備ができていることである。今回のライゼン氏の指摘

は、トービン税の論拠を大きく揺るがすようなものであるとは思えな

い。


●ヨーロッパの外交政策、あるいは大西洋の連帯 European Foreign

Policy or else Atlantic Solidarity

 エリーザ・レンダElisa Renda (Granello di Sabbia)

 ユーロの出発、EUへの新規10カ国の加盟、ヨーロッパ憲法の草案作

り、これらの動きはヨーロッパの政治的統一に向けた具体的な進展を

表している。このような制度面での成功を前にして、多くの方面から

次のような問いが発せられている。このような歴史的に重要な局面に

あって、ヨーロッパが「1つの声」で主張する方法を知らないのはな

ぜなのか。特に平和や人権の追求という価値によって影響力を行使す

るという点においてである。いつも自国の利益を求める米国のスーパ

ーパワーに対してどうして独自外交を模索しないのだろうか?

 外交と共通の安全保障に関してEUは、世界の中で果たしたいと言っ

てきた役割を果たしていないようだ。そうでなければ、9月11日以降

EUが米国との連合に留まり、米国の政策ビジョンとアフガン介入を受

け入れるということがどうしてありえただろうか。・・・

 ヨーロッパはNATO条約第5条の行使を認めた。それは、同盟国が攻

撃された場合に集団的自衛権を行使するというもので、それゆえアフ

ガニスタンにおける戦争も認めた。・・・

 イスラエル・パレスチナ問題で米国はイスラエルによるパレスチナ

当局と難民キャンプへの攻撃を目の当たりにしながらも、この中東の

同盟国に圧力をかけることをためらい、アラファト議長に対しては矛

盾した態度をとっていた。ヨーロッパに関してはこの事態に遠い姿勢

を保ち、争いの決定的なカギである交渉窓口になるのを拒否した。

・・・

 EUはどうして外交的に軽くあしらわれるのか?ヨーロッパが軍備縮

小をするなか、再軍備とイスラエルへの軍事的支援を進める米国に対

しほとんど圧力をかけないのはどういうことか?これを知るカギは

PESC(外交政策と共通の安全保障)の機能と、政治的条件を見る必要

があるだろう。効果的な外交政策を進めるには戦略的資源と、問題に

関わる人の意見を効果的に政策決定に影響させる能力があることが重

要である。

 ヨーロッパの政策は政府間(ヨーロッパ評議会レベル)で決められ

る。ヨーロッパ議会やヨーロッパ委員会ではないのだ(委員会はイニ

シアチブを提案することはできるが、実際に実行するのは各国の大統

領や高官である)。ヨーロッパ議会は基本的な選択に関わる時にだけ

意見を求められ、それ以外のときはPESCの進展について報告を受ける

だけである。・・・

 EUの長年にわたる目的は、米国からの自立性を強化する一方で、米

国とのハイレベルな協力関係を維持することである。EUとNATOの制度

の中で、統合と排除の交差は、義務の引き受けを非常に複雑なものと

しており、全ての関係国による協議が必要とされる。このことが、

EU諸国の大西洋同盟に対する忠誠を説明している。それは1990年には

汎大西洋宣言という形であらわれ、1995年には汎大西洋アジェンダと

して確認された。対立は、とりわけ商業の分野で解消していない。最

近の鉄鋼をめぐる紛争では、従来と違って、その原因がヨーロッパに

おける超保守主義的な抵抗ではなく、米国側の首尾一貫しない保護主

義的政策の導入にある。このような米国側の転換は、ヨーロッパ側の

政策の見直しをもたらしてもよさそうなものだが、実際にはそうはな

らなかった。

 その理由は、現在の危機の中で安全保障の要求が最優先レベルに戻

り、 EUのアイデンティティーや戦略を深く突きつめるのが危険だっ

たことである。EU内の政治力学を見ると、移行期の中で論議を巻き起

こすような決定をすることは非生産的であり、何十年にも及ぶ制度作

りの過程を逸脱する恐れがあると考えられる。この危うさによりヨー

ロッパ憲法は本当の意味での建設的役割を果たせないのではないだろ

うか。

 しかし、本当の「ヨーロッパの外交政策」を作るには、より広範な

正統性が必要とされる。したがって、大幅な制度的改革だけでなく、

十分なヨーロッパ市民の政治的意識改革が必要であろう。分裂を克服

し、人々の恐れを取り除く必要がある。まず、ヨーロッパ各国の政治

の多くを特徴付けている安易な外国人嫌悪の言説に対抗し、社会的権

利と市民権を広範に保護することである。同時に、ヨーロッパが世界

で果たす役割と、どのような機関が、選択した基本的政策を一貫して

追求できるのかについて、真剣に議論する必要があるだろう。われわ

れは、政府にそのような政治的投資を本当に期待できるのだろうか?

[Granello di Sabbia はATTACのイタリア語ニュースレター]


●WTO新事務局長、通商交渉への企業の影響力を制限するルール導入

を検討

New WTO chief plans rules to limit corporate influence on

trade negotiations Trade Justice Movement

 WTOの次期事務局長(9月に就任)は、国際通商交渉に影響を及ぼす多

国籍企業の活動を規制する新しいルールを検討していることを明らか

にした。WTO次期事務局長に指名されているスパチャイ・パニチャバッ

ク氏は、6月8日に、ロンドンで開かれた「世界開発運動」の年次総会

で、彼が「ある種のcode of conduct(行動基準)のようなものの導

入を検討している」と述べた。彼は、「これは世界の多くの国、特に

先進諸国の支持を得られないだろう。しかし、私が言いたいのは、国

家間において新しい体制、新しい協定、そしてルール作りが行われて

いる一方、多国籍企業や超国家的企業を取りしまるルールがないでは

ないかと言う事である。」と述べた。・・・

 スパチャイ氏は、彼の計画について一つの枠組みが必要であると言

い、そのために中立な立場にあるOECD、世界銀行、国連などの機関と

の連携が必要だと言った。

 スパチャイ氏はまた、貿易交渉の成功を単に取引量の増加だけを見

て判断してはならず、本当の成果、そして雇用創出を見なければなら

ないと言う。

 スパチャイ氏は、貿易交渉においては、南アジア、カリブ諸国、サ

ハラ以南アフリカに、技術援助や能力蓄積を含む特別の配慮を行う必

要があると言う。特恵待遇をもっと拡張し、その期間だけでなく、有

効な政策介入(それは既存のGATTのルールに抵触するかもしれな

いが)の面でも優遇するべきだと彼は言う。


●エンロンの輸出

Exporting Enron

 By Mark Engler and Nadia Martinez

 私たちはエンロンが米国経済に与えた損害を知っている。それなの

に何故、エンロンは税金による支援を受けつづける資格があるのか?

エンロンは倒産にのたうちまわっているはずなのに、実際は国際的ビ

ジネスを継続している。信じられないことかもしれないが、この醜聞

にまみれ、信用を失墜した企業が、依然としてその世界的ビジネスの

ために公的資金を求めているのだ

 エンロン社倒産のニュースは企業自体が消滅したかのように思わせ

ているが、そうではないようだ。エンロン社は連邦破産法第11条(破

産保護法)に基づく手続きを申請し、それに伴って米国においてエネ

ルギー販売の権利を失い、資産を売却することを余儀なくされた。し

かし、エンロン社の傘下にある海外の合弁企業のほとんどは、株主代

表訴訟や米国議会の調査があるにもかかわらず無傷だ。

 エンロン社は数ある事業体や子会社を通じ世界のエネルギー市場を

操っている。ブラジル、ベネズエラのガス、電気会社、コロンビアと

ボリビアのパイプライン、パナマ、グァテマラ、プエルトリコの発電

所。米国におけるエンロン本社の問題はこれらの地域には関係ないよ

うである。

 米国人の税金がエンロンをグローバル企業にするのに使われている

のだ。ワシントンD.C.のInstitute for Policy Studiesのレポートに

よると、1992年以来エンロン関係のプロジェクトに政府の政策で40億

ドル投入されており、そのうえ世界銀行やヨーロッパ投資銀行から

30億ドルの資金提供があった。

 どうみても、70億ドルと言う数字は大きすぎる。しかし、エンロン

社はもっと欲しいのである。政府の支出で運営されているIDBはエン

ロンがTransredes社を通して狙っているボリビアのガスパイプライン

の拡張に一億2500万ドルの融資を考えている。エンロン社は公的資金

を使って個々で利益を挙げようともくろんでいる。

 米国国内だけでなく、海外にあるエンロン支社も産業の規制緩和を

後押しし、監視から逃れてきた。ボリビア政府は最近になって、エン

ロン社がどのように国内のエネルギー市場に参入してきたか調査を初

めた。環境と人権保護団体はTransredes社のパイプライン事業が生態

系的に軟弱な広大な地域や先住民の保護地域を切り開いていると非難

している。

 ・・・議会はIDBや他の金融機関における再授権の際にエンロン社

に流れる政府基金を止めさせる機会がある。議会イはこれ以上の融資

を許す前にエンロン関係のプロジェクトの融資を止めるよう働きかけ

なければならない。グローバル貿易と投資のルールを、公共サービス

を守れるように変えなければならない。IDBや世界銀行が行う電力・

水道の民営化や規制緩和を止めさせるのだ。