ATTACニュースレター日本版2002年第41号
Sand in the wheels
Weekly
newsletter - n°150 – Wednesday23 October 2002.
今、重要なこと
WHAT COUNTS
「サンドインザホイール」(週刊)
2002年10月23日号(通巻150)号
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目次
1 世界社会フォーラム・インド書記局より(World Social Forum India-By WSF India Secretariat)
来年1月2〜7日にインドのハイデラバードで開催されるアジア社会フォーラムへ皆さんと皆さんの組織を招待いたします。アジア社会フォーラムは、ポルトアレグレで成功裏に開催された2回の世界社会フォーラムと、(そこで行われた)地域・テーマ別のイベントを開催するという決定を受け継ぐものです(1640語)。
2 民営化、多国籍企業、民主主義(Privatisation, TNCs and Democracy)
[9月20-22日、コペンハーゲンで開催された「ASEM4民衆会議」でのスピーチ]この20年間に、あらゆるところで公共サービスの民営化と競争入札が受け入れられてきた。強力な経済的利権と新自由主義の攻勢を牽引力として、公共セクターから民間セクターへの大規模な資産の移転が行われた。多国籍企業は、地理的な拡張に加えて、公共部門への侵食を新市場獲得の最も重要な方法とみなすようになった(2653語)。
3 トービン税、運動、そして左翼のアイデンティティー危機(Tobin Tax, the Movement and the Identity crisis of the
Left)
・・・しかし、今重要なことは、トービン氏も彼を批判する人々も常に、(トービン税による)税収が全く副次的なものであり、より広範な薬効をもつ薬剤の好都合な副作用であるとみなしていたことを明らかにすることである。これは非常に明らかなことであるにもかかわらず、トービン税が時代と共に色褪せる経済ジャーナルの論文から、運動の華やかなスローガンへと移行した瞬間に、魔法のように忘れられてしまった。「投機家から奪って、貧困な者に与える」--これがポルトアレグレに集まった人々がトービン税を再定義したときの基本的なメッセージであり、彼ら・彼女らの当初の論争に対する感じ方は、無関心から不信まで、さまざまだった(1500語)。
4 ヨーロッパ社会フォーラムでのトービン税をめぐる討論(The Tobin Tax in the European Social Forum of
Florence)
フローレンス(フィレンツェ)で開催されるヨーロッパ社会フォーラムでは、通貨取引税(CTT)をめぐって2つのイベントが計画されている。1つはセミナーであり、もう1つはCTTのための条約草案についてのワークショップである。この2つのイベントは独立しているが、もちろん連携することができる(935語)。
5 南米からのニュース(News from South America)
エルサルバドル:医療の民営化、パナマ-国民を襲う貧困と失業(495語)
世界社会フォーラム・インド書記局より
World Social Forum
India
By WSF India
Secretariat
2003年1月2日から7日まで、インドのハイデラバードで開催されるアジア社会フォーラムへのみなさんの参加、およびみなさんの所属する団体の参加を呼かけます。ご存じのように、アジア社会フォーラムは、ポルトアレグレで開催されてきた二回にわたる世界社会フォーラムの成功をふまえてアジア地域の諸課題をとりあげて行われます。
アジア社会フォーラムは、世界社会フォーラムインドが主催し、2003年1月2日から7日まで、インド南部のアーンドラ・プラーデシュ州のハイデラバードで開催されます。このフォーラムはオープンであり、唯一の参加条件は、帝国主義的なグローバリゼーションに反対すると同時に、宗教的セクト主義的な暴力に反対し、民主主義、多元主義と平和に関わる意思をもつという条件だけです。
私たちは、ASFが様々な運動、組織、集団、個人が世界社会フォーラムのメッセージを携えてインド全土そしてアジア各国から集まるような空間を提供します。私たちは、ASFに約7000名の参加者を見込んでおり、そのうち1000名はインド以外からの参加者を予定しています。インドとアジアおよびその他の地域の諸団体が、ASFの設定したテーマのもとで幅広いカンファレンス、セミナー、ワークショップを主催するために参加するよう呼かけます。
ASFのメインテーマは下記になります。
* 平和と安全保障
* 債務、開発、貿易
* 国民国家、民主主義、排除
* エコロジー、文化、知識
* 社会インフラ、計画、協力
*オルタナティブと民衆の運動
2日から7日までの6日間にわたって予定されているイベントは下記のものになります。
* 2つのパブリックセッション、全体会議。2日午後に開会の全体会議、7日に閉会の全体会議
* 毎日二つのカンファレンス(全部で6から8つ)
* 毎日25のセミナー(同時開催)(全部で50から100)
* 毎日50のワークショップ (全部で100から200)
* 証言、大衆運動のためのオープンな「スペース」
* ユースキャンプ
* 文化イベント
* 映画上映
開会と閉会の全体会議はすべての人々に開かれており、2日の午後から夕方と7日の午前にそれぞれ行われます。
私たちは、みなさんとみなさんが所属する団体がアジア社会フォーラムのイベントに参加されることを切に希望致します。イベントのさらに詳しい情報は、セミナーやワークショップの主催、登録申し込みの詳細等を含め、http://www.wsfindia.org/
のウエッブをご覧ください。
また、みなさんの要望、ご質問等があれば、是非私たちにメールでお知らせください。また今後のアジア社会フォーラムの情報は上記のウエッブで最新の情報を得ることができますし、アジア社会フォーラムのニュースレターの購読の
登録あるいは、wsfindia@vsnl.net宛に問い合わせることでも情報を得ることができます。
招請状が遅くなったことを深くお詫び致します。
敬具
民営化、多国籍企業、民主主義
Privatisation, TNCs and Democracy
By Asbjørn Wahl(ATTAC ノルウェー)
[9月20-22日、コペンハーゲンで開催された「ASEM4民衆会議」でのスピーチ]
はじめに
この20年間に、あらゆるところで公共サービスの民営化と競争入札が受け入れられてきた。強力な経済的利権と新自由主義の攻勢を牽引力として、公共セクターから民間セクターへの大規模な資産の移転が行われた。多国籍企業は、地理的な拡張に加えて、公共部門への侵食を新市場獲得の最も重要な方法とみなすようになった。
OECDによると、EUでは1997年に公共セクターから民営化された資産は前年比50%増の1500億米ドルを記録。1998年には、新しい世界記録が達成された。同年末現在で、EUで民営化された資産は、全世界の民営化された資産の半分を超えている。
EUの調査機関である「ヨーロッパ生活・労働条件改善財団」(いわゆる「ダブリン財団」)は、過去15年間にEUで民営化が増加した要因として、一般的なイデオロギー的圧力のほかに、次の2つの要因を指摘している。一つは、統合市場設立により、1986年以来の規制緩和が進み、民営化を促す政治的制度的背景が確立されたこと。もう一つは、1992年に発効したマーストリヒト条約により、予算の3%を上限とする財政赤字規制や対外債務規制など緊縮条項が加盟国に課せられ、民営化の引き金をひいたためである。
英国ではサッチャー政権時代に新自由主義「革命」を遂行し、ヨーロッパの民営化・規制緩和を先駆けた。第一に製造業のすべての国有部門を民営化。続いて通信(1984年)、バス(1985年)、ガス(1986年)、水・電気(1990年)、鉄道(1996年)、原子力(1997年)の各部門を民営化し、引き継がれたブレア首相のもとで、もうこれ以上民営化できる公共部門はほとんどないというのが現状だ。
保健医療・社会サービス部門は幅広い民営化が進み、刑務所がすでに民営化されたほか、地方自治の分野でも半分以上の肉体労働部門が私企業の傘下にくだった。
三分野、三つの段階
公共資産民営化の過程は、典型的な三つの分野と段階にまたがる。第一の分野は、公共の製造業と金融機関で、市場介入主義から自由放任主義への政策変更の中で、すでにいずれも競争市場に取り込まれている。第二は、社会の主要なインフラを構成する分野に当たるエネルギー、水、通信、郵便、鉄道などで、EUの多くの国はその最中にあり、労組と政府の間でより激しい対立と議論が交わされているが、各国政府が推進しているため、労組やそのほか社会運動は守勢に回っている。西ヨーロッパではじまったばかりの第三の分野は、社会福祉国家の最後のとりでをなす保険医療、教育、社会サービス、年金などで、EUが民営化推進に掲げる議論は、「加盟国間の労働の自由移動により、さらにフレキシブルな労働力を創出するため、社会条件・専門的力量・社会的利益の調和」というものだ。
段階としての区分では、第一に市場の自由化と規制緩和が先行する。第二段階では、公共機関を公共の持ち株会社とし、第三の最終段階で国家が株式を市場で売却する方法が取られる。政府は労組に対して、「ここまでの段階まで来たが、次の段階へはいかない」と説得するするのが常であるが、歴史は数年で約束がほごにされることを教えている。
多国籍企業の役割
多国籍企業による合併・集中と、世界経済に占める勢力圏の急速な拡大が進み、民営化のプロセスを通じて多国籍企業は世界のあらゆるところで公共部門を買収、とりわけ公共セクター払い下げに伴う競争入札の導入がその引き金となっている。
スウェーデン企業のLinjebusがノルウェーのバス会社を買収した当時、英国企業のOnyx Co.はノルウェー最大の廃棄物処理会社を買収、さらにオランダ企業のKrüger Co.が水配給会社の買収を試みたが、これらすべての会社がフランス本社の巨大多国籍企業のVivendiの子会社であることはすぐにはわからなかった。
フランス最大のVivendi は公共サービス買収に長けたカルテルを操る複合企業グループで、エネルギーと水の分野を寡頭し、ヨーロッパ、南北アメリカ、アジア、オーストラリアに市場を伸ばしている。またバス交通、廃棄物処理、建設、通信、メディア、娯楽の分野も配下に収めるほか、フランス最大の私立教育機関を掌握、250校の運営にも関わる。グループとしての従業員は約34万人、今春に積極買収策が裏目に出るまでこの15年間は大きな成長を見せた。
水の分野では、Vivendi とSuez-Lyonnaiseの両フランス企業が世界的スケールで市場を分け合っている。両社は、SAUR,Anglian Water, Thames Water/RWE,International
Waterの4社に競争を挑まれているが、合わせた6社は、舞台裏で結託。主要都市の水供給セクターが民営化され競争入札が行われる際には、うち2〜3社が合弁し運営権を買収する。合弁の組み合わせは入札が行われる都市ごとに組替えるという戦略が取られている。
エネルギー市場でも、同様のことがうかがえる。同部門でヨーロッパの主要独占企業は、ドイツのRWEに続き、Suez-Lyonnaise傘下のTractebel、フランスのEDF(Energi de France)、Vivendiなどが挙げられよう。巨大多国籍企業の戦略は、意図的にコストを度外視した低価格によって応札し、競合他社を排除する。さらに後に独占体制を確立し、料金値上げにより入札額の減額分を相殺するという作戦だ。
要約すると、競争入札の結果は、競争ではなく独占である。例えばイギリスで90年代半ばに廃棄物処理の入札60%以上は5社によって独占され今はさらに同部門入札の独占企業の数はさらに少なくなっている。
スウェーデンで90年代半ばに公共交通部門に競争入札が導入された後、わずか6年間で250〜300社のバス会社が統廃合され3社により市場の三分の二が独占された。うちSwebusとLinjebus (Connex)は、さらに多国籍企業に買収された。
約二年前にEUは、「公共サービスと鉄道・道路・海路の公共交通サービス部門の契約譲渡に関する規制」を提案したが、その内容は、公共交通サービスに強制的な競争入札の導入を提唱するものだ。
これは末端の地方自治や主権国家の決定権を無視するもので、EU政策が民主主義の原則に大きな影を与え、一層の民営化に弾みをつけ、選挙を通じて選ばれた人たちよりも、市場の力や多国籍企業の決定を優先することになる。
EUはさらに、交通サービス分野の例を他のあらゆる公共サービスに当てはめ強制的な競争入札導入を推進し、水・ガス・電気・廃棄物・保健医療・教育などへ市場の拡大を狙っている
イギリスではサッチャーとメージャー両政権の時代に地方政府レベルで、最初はブルーカラー労働、続いてホワイトカラー労働の分野で強制的な競争入札の導入を試みたが、与党内にも反対意見があり、1996年の選挙で保守党が敗北するとともに計画は頓挫した。しかしEUは、英保守党が試みた同じ過ちをいま繰り返そうとしている。
反対運動が起こっている国でも、実際に公共サービスを施している当事者である地方政府のほとんどの政治家には、EUの提案内容がほとんど知らされておらず、そこに「民営化のワナ」がある。
抵抗の組織化
ヨーロッパ各国政府は、EUの政策に対して一定の距離を保とうとするのは事実であるが、EUの最高決定機関である閣僚会議はそれぞれ加盟国政府の代表者が参加している。説明責任を明確にさせるべきであり、労働組合、そのほか社会運動、地方政治家、地方政府を運動に動員し、新自由主義政策に対する幅広い抵抗を組織しなくてはならない
例えばノルウェーにおいては、公私両分野の労働組合、女性代表組織、学生、年金受給者、農民などを動員し、福祉国家のキャンペーンを行った。
Dexter Whitfield 氏が著した『公共サービスか、企業福祉か』の本では、「民営化は、公共部門の資産略奪にとどまらない。それは資本の利益の下に、福祉国家と公共サービスを、永遠に再編成する包括的な戦略にほかならない」と述べえている。
トービン税、運動、そして左翼のアイデンティティー危機
Tobin Tax, the
Movement and the Identity crisis of the Left)
By Emiliano
Brancaccio (ATTAC イタリア科学者評議会。「トービン税導入のための市民立法」の起草者)
「先進国は自由貿易を推進するべきだが、途上国はそうしたい場合に自由貿易を推進すればよい」
私は貿易政策についての意見を述べるとき、いつもこのスローガンを使う。このスローガンは、ありうる状況(しかし、今日の現実とは反対の状況)を表現しており、豊かな国の責任を明確にしており、保護主義の政策を左翼の政策手段に取り戻せるというメリットがある。
しかし、私は貿易政策が運動の将来、あるいは左翼の将来に決定的に重要だとは考えないので、ここではポルトアレグレの運動について、私の個人的経験から始めて、述べてみたい。
私は2001年9月に、ATTAC イタリアからトービン税をヨーロッパ規模で導入するための市民法の草案の起草を依頼され、ATTAC のメンバーや、トービン税キャンペーンを支持する団体と交流し、ポルトアレグレに集まった人々がいかにこの税を換骨奪胎したかを分析した。その結果私は、「外部」からの見解に典型的に見られる歪みを克服し、この運動の潜在的な可能性と現在の限界を理解することができた。
論議の前提に確認しておきたいことは、ジェームズ・トービン氏は、今日の国際通貨制度の二つの深刻なひずみを矯正することを意図していたということである。一つは、重大な政治経済危機の要因となっている投機による為替市場の不安定性であり、もう一つは、不況に際しても資金流出を恐れて金利引下げに踏み切れない通貨当局の主権喪失である。トービン氏は税金導入により二つのひずみが解消できると主張した。実際、もし導入されれば投機意欲をそぐため急激な相場変動を抑え、為替投機にコストをかけるため各国は自国の判断で金融緩和に踏み切ることが可能となるだろう。一方、少なくない理論家がそうした効果に疑問を示したことに対し、それに対する私の答えは、トービン税のキャンペーンの意義は、国際金融政策の改革を政治議題に引上げ、さらに革新的な政策提言にドアを開けることにかかっているというものである。
しかし、今重要なことは、トービン氏も彼を批判する人々も常に、(トービン税による)税収が全く副次的なものであり、より広範な薬効をもつ薬剤の好都合な副作用であるとみなしていたことを明らかにすることである。これは非常に明らかなことであるにもかかわらず、トービン税が時代と共に色褪せる経済ジャーナルの論文から、運動の華やかなスローガンへと移行した瞬間に、魔法のように忘れられてしまった。「投機家から奪って、貧困な者に与える」--これがポルトアレグレに集まった人々がトービン税を再定義したときの基本的なメッセージであり、彼ら・彼女らの当初の論争に対する感じ方は、無関心から不信まで、さまざまだった。もちろんトービン税が、提唱者の意図を離れて一人歩きしていることで運動を批判するのは浅はかかも知れない。しかしわからないのは、投機家から貧困者へ資産を譲渡せよというテーマが、ほかの二つの課題に優先して論議されていることだ。
富の生産時に影響を与える政策と、プロセスの通過点を示す政策とを区別しなくてはならない。「投機家から取り、貧困者に与えよ」というのは、すでに富が生じた後に再分配を促す政策だ。それは私に言わせれば、まだ若い左翼のアイデンティティの危機であり、指摘されている通りの「下流のアクション」は、富を生産する過程である資本の運動を統治する能力がないことを告白していることと同義である。事後の補償手段である税金などにより、社会正義のモデルを十分に構築するなどというのは全く現実性がない。社会運動と左翼は、これらの手段を大砲の中につめておく必要はあるが、それで満足してはリベラリズムとクリスチャン慈善運動の煙幕で自己を見失うであろう。
富の生産過程への政治的介入(極めて困難だが唯一の道)こそが、左翼がその存在意義を回復し、ポルトアレグレの運動を充分に開花させることになるのだ。市場によって管理されている富の生産過程への介入は、正当化できず有害でありアクションは「下流」に限定すべきであるとする主張と、幅広い左翼の中においてもたたかわなければならない。「富の生産過程への政治的介入」は、政治レベルで最大の障害があり、そのための以下のような手段はほとんど不可能な夢である--さらに労働者側が攻勢的な賃金交渉、資産・工場の管理権の改正、機会平等の教育制度、価格の管理、金利と貸出枠の管理、国家及び世界の生産管理、債権国の債務国からの輸入義務、資本譲渡の規制など。いま求められるのは、これらは左翼の運動に不可欠な構成要素であると認識し、事後補償的な手段に優先して、生産と分配の過程に政治的介入を果たすことこそ最も重要な目的とすることである。
こうした前提に立てばトービン税は、通貨・金融の不安定性をそぐ目的に従って、現代資本主義の投機と非生産的な投資行為をあからさまにすることができる。資本主義は不公正なだけでなく、非合理的であり、運動の真の意図である次の段階へ移行する過程にほかならない。
ヨーロッパ社会フォーラムでのトービン税をめぐる討論
The Tobin Tax in the
European Social Forum of Florence
By Bruno Jetin
フローレンス(フィレンツェ)で開催されるヨーロッパ社会フォーラムでは、通貨取引税(CTT)をめぐって2つのイベントが計画されている。1つはセミナーであり、もう1つはCTTのための条約草案についてのワークショップである。この2つのイベントは独立しているが、もちろん連携することができる
A-もう一つのグローバリゼーションのためのグローバルな税金
複数の組織が主催。グローバルな税金は新自由主義の支配を少なくするため、戦争・経済不安・温室効果ガス・環境汚染などに対する国家間の国際プログラムのため、また途上国の持続的成長のためグローバルな税金は有効な手段である。
セミナーでは新自由主義に対する抑制効果を確認するためヨハネスブルグ・サミットで論議されたグローバルな税金を論議する。トービン税、多国籍企業への包括税、資本移動への課税、二酸化炭素ガスへの課税、航空税、インターネット税など。
B- グローバル通貨税の条約案のワークショップ
ヨーロッパ社会フォーラム 2002年11月6〜10日
通貨取引税(CTT)あるいはトービン税は、グローバリゼーションの危機の中心にある世界金融市場の武装解除を行うのに最も重要な改革であるが、その導入方法が大切である。同税は三つの主要目的を持つ:
1. 短期資金など為替市場の投機を抑制し、金融市場を安定化させ、各国の金融当局の自治を強める
2.グローバル基金を創設し、補償のシステムや途上国の社会エコロジープログラムを実施する。
3.条約草案は税の主要目的を包括する。2001年10月、カナダでも同様の趣旨の会議がもたれている。
二段階課税を提起したHeikki Patomäki が条約草案を準備。Lieven A. Denysはトービン税の効用に関して、ペーパーを用意する。詳細は以下のサイトを参照。
http://www.attac.kaapeli.fi/lib/own/tobin/DraftTreaty/
ポルトアレグレでも示された草案は、税導入は包括的に可能であることを示唆。Spahn モデルを応用して2段階へ課税方式は改善され、為替変動に対応して過剰投機の余剰利益から徴収、OECD諸国の収益は自動的にグローバル基金に組み入れられる。通貨取引税機構(CTTO)
は、既存のいかなる世界機関よりも民主的に運営され、基金を管理運用する。30カ国の批准か、少なくとも世界為替市場の取引額の20%に条約が相応するのに応じて条約は発効される。ワークショップはその準備のための公開討論の場となる。
初のヨーロッパ社会フォーラムであり、少なくとも以下のことを話し合わなければならない:
1.ヨーロッパでCTT導入の技術的可能性
2.この問題でどうすればEUが政治的イニシアチブを発揮するか
3.どのようなCTT組織が税導入を管理するかなど。
4.どのようなプログラムに税収は還元されるべきか
南米からのニュース
News from South
America
By ECHLA(ATTACラテンアメリカ情報チーム)
A —エルサルバドル:医療の民営化
コロンビアに類似した社会保障制度の導入に伴い、エルサルバドルで医療の民営化に対する激しいたたかいが進んでいる。大企業を支援しマスメディアの90%を支配する自国政府に対して、医者の連合は民営化に抵抗し、国民も立ち上がりつつある。 大多数の国民の基本的ニーズを一握りの人たちに無視されるがゆえにますます貧困に落とし入れられる少数支配の国の実態を世界に知らせなければならない。これは世界へのSOSである。
B — パナマ:人々を襲う貧困と失業
南米最大のバンキング・センター、低税率、豊富な自然資源を誇るパナマでも、人口の多くは劣悪な貧困と失業のさなかにある。研究報告によると、パナマは富の分配が域内最悪で、月収25ドル以下の絶対的貧困層は、九つの地方の人口多数を占め、特に西部の先祖来地元に根ざしている人々が住んでいる地区が打撃を受けている。信頼できる情報によると、失業率は16%、経済成長は1999年以来鈍化し、今年の予測も1%成長にとどまり失業人口を吸収するには不十分である。