第4回

WTO・シアトルの闘いとアメリカの労働運動

講師・アンディバンクス(AFL-CIOジョージ・ミーニー・センター)

 昨年、11月末から12月にかけた「WTO・シアトルの闘い」は、民衆が国際連帯を武器に経済のグローバル化に対抗した歴史的な出来事だ。5万人の人々がシアトルに集まり、立場の違いを超えて多国籍企業・大国だけを利する貿易・投資の自由化に反対し、WTOミレニアム・ラウンドをストップさせた。アメリカのナショナルセンター、AFL−CIOもゼネスト、デモ、集会を組織した。数万人も参加した労働者のデモは、農民・消費者・環境・開発などのNGOの力と連動して、第三世界の政府に大国に抵抗する勇気を与えたという。

 AFL−CIOは、95年にスウィーニー新体制が成立して以後、マイノリティ・女性をターゲットにして組織化を進め、国境を越えて共闘する新しい国際連帯運動を実践している。アンディ・バンクスは、裏面の経歴が示すように労働運動の活動家、教育・研究者であり、UPSの争議を国際連帯のネットワークを使って勝利に導いた人でもある。社会条項に肯定的なAFL−CIOがシアトルでどんな主張をしたのか?クリントン政権との関係は?シアトル以後労働運動にどんな変化があるのか?APWSL日本委員会連続セミナーの最終回はアメリカからの報告を聞く。

                     

日 時 5月11日(木)夜7時〜9時 

場 所 渋谷勤労福祉会館

参加費 1000円

主 催 APWSL日本委員会

  東京都千代田区神田神保町3-10宝永ビル

  連絡先 045-790-3257(遠野)

                                       

                     

                                       


                                       

                                       

労働組合の新しい国際戦略と国際産別の役割

講師アンディ・バンクス

 労働組合の国際活動というと、国際自由労連(ICFTU)を思い浮かべる事が多いかと思います。しかし、職場に直結する労働条件や争議支援などについては、国際産別の方が大きな役割を果たしています。しかも冷戦の終了と経済のグローバル化の進行により、国際労働運動の中で国際産別の比重がますます高まってきています。

  アンディ・バンクスは国際公務労連(PSI)本部で4年間活動し、その後もチームスター労組本部で国際関係を担当し、国際食品労連(IUF)や国際運輸労連(ITF)などの国際産別と関ってきました。その経験から既存の国際産別のままでは、国境を越えてわがままに振る舞う多国籍企業と有効に闘えないと考えています。バンクスは経済のグローバル化と対決する新しい労働運動の国際戦略を提起します。多国籍企業の行動規範、世界企業別協議会、世界産業別協議会などの新しい武器を駆使した国際的な交渉、争議支援の体制の構想です。

バンクスはUPS争議やオランダの多国籍企業アホルト社に対する争議に勝利した自らの経験を踏まえて、国際産別ではなく「グローバルな労働組合連合」を、という大胆な提起を行います。

                    

日 時 5月14日(日)午後3時〜6時

場 所 リストラン元気交差点   

    台東区根岸1ー5ー12  

    JR鴬谷駅より徒歩2分

TEL  03-5824-1517

参加費 1000円

主 催 APWSL日本委員会

                                       

                                       

                                    


アンディ・バンクスの履歴紹介

1975−77  Career Service Employees Federation の専従執行

         役員としてフロリダ州立大学の九つのキャンパスの職員の組織化に従事

                                               

1977−92  フロリダ国際大学労働研究センターの副所長として労働教育計画作成に従事

1981−92  全米機械工・航空産業労組(IAM)全米通信労組(CWA)などの支部・地域組織

         の交渉戦略コンサルタントとして従事

1984−97  シカゴの「労働調査評論」誌の副編集長 

1987−92  公正な雇用を要求する運動(Jobs with Justice)を創設、初代調整

         委員

1991−92  マイマミ・ビーチ市のセイモア・ゲルバー市長の執行補佐官

1992−95  国際公務労連(PSI)本部で教育政策の立案・地域事務所の確立などに従事

1995−98  チームスター労組(IBT)本部で対企業戦略作り、国際政策を担当。その間にUP

         S、ロイヤルアホルト、コカコーラ、フォルクスワーゲンなど多数の多国籍資本との

         国際的な争議・交渉を調査し戦略を作成した。

1998−2000 AFL−CIOジョージ・ミーニーセンターの主任研究員として教材作成と指導者

         養成に従事。AFL−CIO国際局・企業局との調整担当、全国労働大学

        (National Labor College)の学位課程の常任教官も務める。



他に 二つの後援会がありますので、こちらにもご参加下さい

5月13日(土)午後1時30分〜5時

場 所 大崎労政事務所 労使関係調整室

テーマ 米国における労働者の組織化と労働者教育

主 催 国際労働研究センター

5月15日(月)午後7時〜9時

場 所 文京区民センター

テーマ 非正規雇用労働者の組織化と国際戦略UPS争議の経験から

主 催 労働情報