米国「同時多発テロ」事件についての声明

                     2001年9月24

        アジア太平洋労働者連帯会議(APWSL)日本委員会

アジア太平洋労働者連帯会議日本委員会は9月11日にアメリカで起こった「同時多発テロ」事件で6000人を超える人々が命を失い、さらに多くの人々が傷ついたことに深く哀悼の意を表明する。

私たちは人間として、暴力で人の命を奪ういかなるテロルにも反対である。今回の事件がどのような人によってなぜ引き起こされたか不明であるが、どのような理由があろうとも正当化できないものである。

私たちは戦争放棄を宣言した国の国民として、このテロルに報復するための戦争に反対する。今回の事件は「戦争」ではなく大量無差別殺人事件であり、しかも国境を越えた犯罪である可能性が高い。これに対処するのは国際法であり、国際連合の下での国際協調であって、戦争ではない。武力による報復は憎しみを拡大し、更なる報復を生むだけであることはこれまでの全ての紛争、戦争の歴史が証明している。

私たちは団結を破壊する人種差別・民族差別に反対してきた労働者として、今回の事件によりアラブ民族、イスラム教徒への差別・迫害が強まろうとしていることに深く憂慮する。事件を引き起こした者が何者であろうと、それはその当事者のみの責任であり、その属する人種・民族・宗教全体の責任ではない。差別も暴力・戦争と同様に憎しみを拡大し、人間の命を奪うものである。

私たちは「底辺に向かっての競争」を強いられている労働者として、アメリカ、日本、ヨーロッパの多国籍企業と国家が進めてきたグローバル化が貧富の差を拡大させ、人々の絶望感がテロルをうみだしていると考える。この不平等な構造を変革しないかぎりテロルはなくならない。

私たちは国際連帯をめざしてきた労働者として、今回の事件で仲間を失い、傷ついたアメリカ労働者に共感と連帯を送り、一日も早く平和で正常な生活にもどれることを祈る。同時に、戦争による報復に流されようとしているアメリカ国民の中にあって、労働組合が冷静に理性を発揮して戦争反対の勢力となることを信じている。

私たち日本の労働者は、小泉内閣によって準備されている戦争加担と平和憲法の形骸化に反対し、ブッシュ大統領の推し進めている報復戦争に世界の労働者とともに断固反対する。

「テロにも報復戦争にも反対!市民緊急行動」
(2001年9月24日 東京・代々木公園)

集会でダグラス・ラミスさんは、アメリカの「報復戦争」はテロだと批判した