第9号
2004 年7月8日
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レイバーセンターの予算カットを撤回させる
みなさん
今日は朗報です。
レイバーセンターの予算カットを撤回させる
この間何度がご報告してきましたレイバーセンターの予算カット問題ですが、州議会が頑張って、レイバーセンターの予算の75%を拠出していた上部組織の労働雇用研究所(ILE)の廃止を撤回させ、従来どおりの予算(190万ドル)が取れる見通しが立ったそうです。最終的には明日に正式に決まりそうです。
ケント・ウォンさんによると全米のレイバーセンターつぶしの手始めに、右翼から狙われたのがカリフォルニア大学(バークレー校とロサンゼルス校)のレイバーセンターだそうです。その目論見を跳ね返した重大な勝利です。
また、財団などへの助成金などの申請もしているので昨年度以上の財政体制になります。しかし、残念なことに、この間4名の方が退職され、それぞれの道を歩まれはじめました。今後、スタッフの採用もするようです。
「均等アクション21」の女性たちを迎える一昨日から、「均等アクション21」の女性たち5名(酒井和子さん、柚木康子さん、野崎光枝さん、市川若子さん、屋嘉比ふみ子さん)がロサンゼルスに来ています。
レイバーセンターでの夏期女性組合員研修会(4泊5日)に参加しています。この研修会は、年に1回、西海岸の女性組合員活動家たちを集めて、バークレーなどと持ち回りで、開催されています。今回は、150名規模で、海外からは日本、中国、ガテマラ、レバノン、カナダなどからも参加者が来ているそうです。これらの報告は、労働情報の9月発行号に掲載を予定しています。
昨日午後は、彼女たちは研修会をさぼって、私も合流してケント・ウォンさんと交流、夜は、コリアンタウンで、韓国料理を食べながら一杯やりました(彼女たちの一人はなんと「すいません」とウエイトレスに声をかけ、日本語で答えが返ってきて、最後まで日本語で注文し続けた人がいて驚きました。ここはどこ?)。
ケント・ウォンさんと議論になったことは、ウオルマートの男女差別賃金についての160万人のクラスアクション(集団訴訟)のことです
ケントが言うには、「担当弁護士もよく知っているが、今回の裁判は、組合の組織化キャンペーンとまったくつながっていない。組織化運動とつながらない裁判では、原告はただ署名だけするだけ(何の活動もない! 自分が弁護士の時、ロサンゼルス郡の従業員の差別問題の裁判をやったことがあるが、これは組合内部のキャンペーンとしても取り組んで意味があった)であって、ウオルマート内部の労使関係を変えることにつながらない(それは最低賃金法の最賃を引き上げることで賃上げをすることと同じ。それ自身はよいことだが、当事者にとっては組織化でも運動でもない)。もちろん、裁判で勝って、金が払われることは良いことだし、自分も勝利を望むが。」
「ウオルマートという巨大な敵と対決するためには、内部の組織化、大規模開発問題として地域の環境保護運動とつながり、新規出店を阻止すること(ロサンゼルス近郊のイングウッドというところでは、地域の反対で出店阻止に成功)、世界各国へも進出しているので国際連帯(なんと中国本土に300店舗もある。販売している商品の多くが中国製、もちろん日本ともつながりたい)が重要だ。そのために、レイバーセンターとしても、シンポジウムを2週間後に開催するし、調査活動も少しずつしていきたい」と言っていました。
この点は、「均等アクション21」の女性たちと議論になりました。日本の場合も考えながら、裁判と運動の関係の議論を続けると意義があるなあと思いました。
------------------------------------------------------------------------さて、参議院選挙も間近ですね。いったいどういう政治状況なのでしょうか。日本にいれば毎日空気のように情報が入ってきますが、3ヶ月離れていただけで、ずいぶん遠ざかったような気になります。
今週は、調査活動もお休みなので、私の方は一休みです。青野の方は毎日、UCLAまで通いで女性組合員研修会へ参加しているので大変です。
来週からは、7ヶ月間のロサンゼルス調査の後半戦が始まります。
ではまた
高須裕彦
From: Hirohiko Takasu <h_takasu@jca.apc.org>
Date: Sun, 23 May 2004 22:51:55 -0700