APWSL日本委員会2005年総会の報告
APWSLの再出発を成功させよう
高幣真公(APWSL日本委員会調整委員)
APWSL日本委員会の2005年総会が7月16日〜17日、東京江東区のカトリック潮見教会で開かれ、関西から4人を含め12人参加した。今回の総会の主な課題は5月末マレーシアで開かれたAPWSL国際総会(Council Meeting)の報告と今後の方針であった。国際総会に参加した原田惠子、オイドン、山崎精一の3人が報告した。
国際総会は費用の関係でTIE(多国籍労働情報交換)のセミナーの付属企画としてマレーシアのクアラルンプールで開かれた。前半のTIEは30人余、総会には11カ国(内インド、中国、カンボジア、シンガポールはオブザーバー)、25人が参加した。エクスポージャーとしてマレーシア労働組合会議と旧知のアロキア・ダスやシャリル・サイードさんの出身組合である全国輸送機器関連産業組合を訪問した。
今回の国際総会の大きな目標はAPWSLの存続させるために新しい役員を選出することであった。役員の中心になる調整委員(Cordinator)はタイからパラット・ナナコーンさん(女性)が立候補し、選出した。誰も立候補しなかった共同議長(Convenor)の選出が難航した。多くの努力の結果、韓国のチャン・チャンウォンさんとオーストラリアから女性が決定した(その後グィニス・エバンスさんが選出)。地域調整委員は南アジア・アントン・マルカス(スリランカ)、東南アジア・ノーマ・ビーナス(フィリピン)、太平洋・キャロル・ブリジェン(ニュージーランド)、東アジア・山崎精一(日本)が選出された。
存続のためのもう一つの課題は財政であったが、各国から会費(連帯基金)を集めることを決定した。各国は年間500USドル、200USドル、100USドル、50USドルのいずれかの金額を選択することにした。
総会後、新しく共同議長の1人に選ばれたオーストラリアのAAWLから書記局会議(調整委員+共同議長2人)の開催が呼びかけられ、発足したAPWSLメーリングリスト管理者として山崎精一さんも招かれている。
APWSL活動の中心にインターネットサイト「レイバーネットアジア」(labornet Asia)が決まった。その実行(技術と費用を含め)は韓国と日本で受け持つことが決まった。日本総会で、実際上の技術的な責任者となる安田幸弘氏(レイバーネット日本)が報告した。とりあえず韓国側が看板ページを立ち上げ、テスト版、実行版へと移行していくスケジュールを韓国側のノドン(労働)ネットと打ち合わせている。その前にAPWSLの国際メーリングリストを7月に立ち上げ、多少混乱もありながら滑り出した。
退任する稲田順一共同代表
2日目議長を務めた原田惠子共同代表
午後7時から夕食&懇談&フィリピンKMUのサトウキビ農園労働者の闘争ビデオ”Milling Season”などを上映した。
2日目、国際会議から託された課題について日本委員会として決定した。まず年会費500USドルの支出を承認した。韓国との2国間交流も関西が担当して準備する。10月メルボルンの書記局会議への山崎氏の参加を要請した。
日本委員会の活動総括と方針を報告され、討議・決定した。プロジェクトとして女性労働者、フィリピントヨタ争議、ブリジストン・インドネシア争議支援など。引き続き、各部として「リンクス」(日本語ニュース)、英文ニュース”APWSL Japan”、そしてホームページ&メーリングリストについて報告・議論した。
2004年度決算と2005年度予算が財政部長の池田良二(大阪教育合同労組)さんから提案された。最近加盟組合の脱退が相次ぎ財政が逼迫しているので、新規加盟オルグを全体で取り組むことを決定。そして、レイバーネット・アジア創設カンパも決定した。
中央・新共同代表の山崎精一さん、右・秋本陽子さん、左・安田幸弘さん
最後の議題は役員改選。共同代表の1人稲田順一さんが11月に定年退職し、組合役員も辞任するので後任組合推薦の運営委員への交代を承認した。後任の共同代表は山崎精一さんに決定。関東の調整委員も稲垣豊さんから高幣真公に交代した。
日本委員会は2日間の総会で国際APWSLと同時に新しい地平へ踏み出した。