2009年7月29日、先の「在留特別許可のガイドライン」改訂を受け、東京入国管理局に対して申し入れ行動を行いました。 当日13時、東京入国管理局前に、APFSが支援する非正規滞在外国人家族、約20家族(7国籍)総勢60名前後(そのうち子どもは約30名)が集まりました。これらの家族はすでに退去強制令書が発付され、現在、裁判や再審情願などで在特を求め争っており、今回の改訂ガイドラインの積極要素として例示された「本邦で出生し10年以上にわたって本邦に在住している」子どもを養育する家族は、そのうちの半数以上、13家族に上っています。
東京入国管理局前でAPFSの山口代表がはじめの挨拶をし、その後は在特を求める家族からの訴えに移りました。大人も子どもも「日本で勉強したい」「家族とともに日本で暮らしたい」など、自分の胸のうちを母語や日本語で訴え続けました。14時になると、東京入国管理局側から、総務部の平河祐治課長補佐、岡部昌一郎総務課長両名が迎え出、APFS山口代表、吉成相談役、及びスタッフ1名が、入管2階の別室に通されました。その場で山口代表が要望書を読み上げ、要望内容について詳細を伝えました。
今回の要望内容は大きく2点。まず1点目としては、今回の改訂「在特ガイドライン」を運用面にきちんと反映させていくこと。改訂ガイドライン中には「本邦で出生し10年以上にわたって本邦に在住している」子どもを養育する家族に対してそれを在特判断の積極要素としてみるとしています。これを現在再審情願中の上記の家族にも反映させ、人道的配慮を持って在特を認めるように求めました。
2点目は、仮放免更新の際に「説得」とは名ばかりの脅迫的な言動で帰国を強制する手法に対し、改めることを要求しました。家族の中には、仮放免更新の際に「カルデロンのようになりたくなかったら、次回の更新日までに帰国の日時を決めてくるように」と指示された者もいます。こうした執行部門の職員による威圧的な帰国誘導は非常に恣意的であり、いち入管職員の行動として適切ではないといえます。こうしたことが今後ないように徹底するよう求めました。
また仮放免更新の際、支援団体の者が入管による「説得」の場に同席できるか否かは担当職員の判断であり、これは公平性に欠けており、「説得」の可視化のためには同席は必須であり必ず認めるよう要望しました。
今回の要望行動は多くのメディアにも取り上げられ、「在特ガイドライン」の存在・改訂を一般の方に知って頂くいい機会にもなりました。こうしたアピールを続け、APFSは今後も在特を求める家族のために支援を継続します。
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