■■ 在留特別許可 ■■

「法務省に2800人分の署名を提出」


 去る3月30日、在留特別許可(以下、在特)不許可という法務省の裁決を覆す画期的な一審判決を控訴審で破棄されてしまったアミネさん一家。その一家の仮放免更新期日が4月19日であったことから、APFSでは同日、法務省に対して要請行動を行いました。

 要請内容は、第一にアミネさん一家の仮放免を認め、とりわけ父親を収容しないこと、第二にアミネさん一家に在特を認めること、第三に4月28日に東京高裁で判決が言い渡される予定である安さん一家に在特を認めることです。島田久衆議院議員の仲介のもと、話し合いは11時30分より30分間、法務省内で行われました。法務省からは石黒敏夫補佐官、藤谷聡違反審判係長、後閑厚志翻訳官の3名が出席し、APFSからは吉成勝男代表、白取芳樹運営委員、筑波君枝さんの3名と島田議員の政策秘書である大竹政一氏が出席しました。なお、話し合いが始まる少し前に、仮放免更新手続きのために東京入管へ出向いていたアミネさん一家に同行していたAPFSのスタッフから、父、アミネ・カリルさんの仮放免が認められなかったという連絡が入っていました。

 話し合いでは吉成代表が、裁判に頼るのではなく法務大臣、入管局長が政治的判断をくださないとこの問題は解決しないのではないかということ、この4月から保育士を目指して高校へ進学した長女が強制退去させられてもイランの生活に適応できないことから、法務大臣、入管局長が検討のうえ、在特を認めてほしいと強く要請しました。そのうえで、3年前に提出したものの未回答である再審情願の書類、在特を認めてほしいことを訴えた長女マリアムさんの手紙、一家が暮らす群馬県新町の国際交流協会での家族の写真、4月17日に実施した「APFS子ども会議」で子どもたちが作成した声明文、そして約2812名分が集ったアミネさん一家を支援する署名を、その場で法務省側に手渡しました。

 また、アミネさん一家は最高裁に上告中で、再審情願中でもあり、逃亡の可能性は少ないのに敢えて収容することは疑問であり、すぐに仮放免を認めるよう訴えました。かつて、一家の父親であるアミネ・カリルさんは2000年6月から翌年4月まで1年近く収容され、その間に一家は大黒柱を失って大きな打撃を受けています。

 これに対して、まず在特に関しては後閑翻訳官が、高裁判決があったので、現在は処分の見直しは考えていないこと、安さん一家については判決を待っている状態である、と回答しました。また、仮放免については藤谷違反審判係長が、高裁の判断を尊重した法に則った措置であり、仮放免を認めるかどうかは申請の中身を見て判断すると回答しました。仮放免の可能性はあるのか、という吉成代表の問いには、後閑翻訳官は、可能性の有無については言えない、申請の中身を読んで判断する、と答えました。

 ある程度予想されたこととはいえ、回答はやはり極めて形式的なものでした。この日の要請について東京入国管理局に内容を伝えてくれるか、という問いに対しても、法務省側の出席者は必ず伝えると答えはしたものの、「午後一で連絡を入れてくれるか」との問いには言葉を濁すばかりでした。

 ただ、希望がまったくないわけではありなせん。再審情願には法的に回答の義務がないとされていますが、この話し合いの席では石黒補佐官が、アミネさんの再審情願に対して再度検討し、答えを出すこと、この再審情願を粗末には扱わないと答えました。彼は、長女が高校に合格したことについて把握していないと答えています。

 在特を求めて一家が東京入管へ出頭した1999年12月以降、一家の状況も大きく変わりました。在特一斉行動の中で出頭した家族の中には、アミネさん一家と同じような条件で在特を得て、合法的に日本で暮らしている家族もいるのです。何としても裁判ではなく法務大臣の判断で一家に在特を認めるよう、ひきつづき強く訴えていくことが必要です。そのために何よりも、まずはアミネ・カリルさんの仮放免を認めさせることが先決です。 

 4月28日には安さん一家も控訴審判決をえています。そこで万が一敗訴した場合にも、安さんを収容しないこと、そして安さん一家に法務大臣の裁決で在特を認めるよう訴える必要があります。みなさん、「在留を家族にキャンペーン」をもっともっと強力に推進していきましょう!

2004年4月27日

 


 

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