●番号法「改正」案の国会審議開始
マイナンバー制度の個人情報保護措置を崩し、利用を3分野から拡大し、健康保険証廃止に向けて準備し、公金振込口座を不同意しなければ登録してしまう番号法「改正」案の国会審議が、4月14日の衆議院本会議で審議が始まった。4月18日から衆議院地域・こども・デジタル特別委員会で審議され、来週にも採決が予想されている。
共通番号いらないネットでは、国会議員への徹底審議の要請をしつつ(要請は末尾参照)、当面4月25日(火)12~13時に「番号(マイナンバー)法「改正案」の成立を許さない!衆議院第二議員会館前行動」を取り組む(詳細はこちら)。
●番号法「改正」反対のさまざまな取り組み
日弁連(日本弁護士連合会)は3月29日「マイナンバー(個人番号)利用促進の法改正の再検討を求める会長声明」を発表した(→こちら)。法曹界では自由法曹団も4月18日「国民のプライバシー権を軽視するマイナンバー(個人番号)利用促進の法改正に反対する声明」を発表している(→こちら)。
3月9日のマイナンバー訴訟最高裁判決が、利用の3分野への限定や利用・提供を法律で限定列挙していることなどを示して合憲判決を下していることをふまえ、拡大の歯止めや国会の関与の必要、任意取得の原則をふまえたマイナンバーカードの普及・利用などを指摘している。
マイナ保険証(オンライン資格確認等システム)については、4月からの医療機関への導入義務化に対して、東京保険医協会の呼びかけで保険医・歯科保険医274人が2月22日「オンライン資格確認義務不存在確認等請求訴訟」を提訴した。
導入義務化に伴い廃業する医院も出ており、医療の本質とかかわりのない資格確認の方法によって地域医療が損なわれることがあってはならないという立場から、義務化を定めた療養担当規則が違憲・違法であるとして提訴したものだ。全国の保険医に対して、引き続き原告団への参加を呼びかけている。
保団連(全国保険医団体連合会)は、医療現場などの実態調査をふまえ、法案撤回の厚労省への要請や国会要請行動など取り組んでいる。
実態について4月10日に「健康保険証廃止に伴う高齢者施設等への影響調査」の結果を発表した。厚労省はマイナカード利用が困難な方への対応として、施設職員や支援団体等にマイナカードの申請・代理交付等の支援について協力要請し、施設長が施設入所者分のマイナカードを管理し受診等の際にマイナカードを介助者など第三者に預ける場合等の対応を検討するとしている。
調査結果では、現状約84%の施設で利用者・入所者の健康保険証を管理しているが、9割以上の施設が利用者・入所者のマイナカードの申請代理したり管理ができず多大な負担とトラブルを心配していることが明らかにされた。
保団連とともに中央社保協(中央社会保障推進協議会)、マイナンバー制度反対連絡会は、国会審議に向けて法案撤回を求める緊急Twitterデモ&国会前昼休み集会を呼びかけている。
その他、各地で法案に反対する集会等が行われている。多岐にわたる問題(共通番号いらないネットの下記議員要請参照)を束ねて決めて、マイナンバー利用・提供の法定を崩して無制限な拡大を図り、健康保険証の廃止や不同意表明しなければ勝手に公金口座を登録するなど、人権無視の暴走を止めるために、今、行動が必要だ。
●番号法改正案に対する疑問・懸念
関係議員に要請した「番号法改正案に対する私たちの疑問・懸念」(→ダウンロードはこちら)