戦争に反対し、平和を求める友人の皆さん。私たちは今日、戦争を僧み平和を求めて共に闘う一千名の労働者、家庭婦人、学生、大学人、ジャーナリスト、宗教人などが結集して、「一坪反戦地主会」を結成しました。
私たち一坪反戦地主は、平和のため常に沖縄民衆の先頭に立ってこられた反戦地主の呼びかけに応え、沖縄の土地の一かけらたりとも戦争には使わせない鉄の決意に立って未契約軍用地を購入共有しました。このことを起点として、すべての軍用地を解放させ、それを生産と生活の場に取りもどすことにより、人間の厳粛な生に仕えようとするものであります。
核抜き「本土」並みであったはずの復掃から十年が経ちました。しかし現実の沖縄はそれどころか、逆にアメリカ核戦略の要、アジア、中近東をはじめ世界のあらゆる地域への緊急展開戦闘力基地として位置づけられ、その戦略的重要性はいよいよ高まってきています。
戦争はすべてのものを焼き尽くし、奪い取っていきます。幼い子供たちの夢と希望、若人の汲めども尽きぬ情熟とエネルギー、長い間たくましく生き抜いてきた老人の安らぎ、一家団らんは言うに及ばず、粒々辛苦の結晶である文化を破壊し去ります。なによりも、生きとし生けるものの尊い生命を余すところなく奪い去ってしまいます。このことは三十七年前の沖縄戦の悲惨が如実に証明しています。ことはそこにとどまりません。今後の核戦争がこれまでのどんな戦争とも比較にならない悪魔的な力を発揮するものとなることを、私たちは知っています。
この厳しい現実の中で、平和を作り出そうとする私たちの実効性のある努力が問われています。「一坪反戦地主会」の今日の出発は、こういう状況の中での止むに止まれぬ危機意識からの決断です。未契約軍用地の共有運動は平和運動のしたたかな共有化です。
私たちは今日、死臭ただよう沖縄軍事基地の真只中にとびこみ、死と滅びではなく、共によりよく生きる生の獲得を目指して出発します。
この光栄あるわざに身を投ぜんとする更に多くの同志の結集を信じて出発します。戦争を憎み、平和を求める数多くの友人たちの参加と連帯を訴えます。
一九八二年十二月十二日
沖縄駐とん自衛隊が往民地域に進出パレードを強行して、平和を求める人びとに挑みかかって来た日
一坪反戦地主会