沖縄県議会総務企画委員会は、自民、県民の会、新進沖縄の賛成多数で、一坪反戦地主などを県の外郭団体などあらゆる県の機関の役員に就任させないようにとの陳情を採択したうえ、本日30日の最終本会議での採択を強行した。
右陳情は、「一坪反戦地主の土地所有は、国の政策を妨害する目的にでたものであるから憲法12条にいう自由及び権利の濫用に当たる。平和祈念資料館監修委員、県公文書館、県教育委員会などは、特に歴史の公正を期する立場から不的確」というものである。
右陳情は、極めて危険な内容であり、民主主義を根底から否定するものである。
右陳情は、国の施策に反する行為をしてはならない。国の定める歴史観に反してはならないという、まさに「ファシズム宣言」を沖縄県民に押しつけることを求めるものである。
思想信条の自由を保障することは、民主主義の基本であり、憲法19条は基本的人権としてその不可侵性を宣言している。
一坪反戦地主会は、軍用地を、生活と生産の場に取り戻すことを目的とする団体である。
我々は、米軍基地の存在により沖縄県民の生命、人権が奪われ侵害されることに反対し、米軍基地が、ベトナム戦争、湾岸戦争を始め多くの人民の殺戮基地であることに反対し、性別、職業、年齢を問わず、広範な人々が結集する団体である。
我々は、戦争につながる一切を拒否する理念を共有するものである。
旧帝国憲法は、全ての権利が天皇によって許される範囲でしか享受しえないというものであり、国の政策に反対し、国の定める皇国史観に反対すれば治安維持法によって投獄され、反対意見は封じられ、その結果、戦争への道をひた走っていったのである。
憲法は、過去の歴史の反省にたって、民主主義の基本である思想信条の自由を保障したのである。
今回の自民、県民の会、新進沖縄による陳情採択は、彼ら自らが民主主義の体裁をすらかなぐり捨てて、己のファシズム宣言を行ったに等しいが、さらに到底許されざる暴挙は、沖縄県議会総務企画委員会、県議会本会議で右陳情を採択することによって、沖縄県民にファシズムを押しつけるという事実である。
沖縄県は、国の施策に反対するものは県から排除します、国の定める歴史観には反対しません、沖縄戦における沖縄県民の虐殺、集団死の強要についても国が言うことに逆らいませんというのであり、まさにファシズム宣言にほかならない。
我々は、このような、県民に対する、ファシズム宣言の強要を目的とする議会決議を糾弾するとともに、県民に対して、右決議の持つ危険性を認識し、ともに民主主義と憲法を守るために立ち上がることを訴えるものである。
2000年3月30日
一坪反戦地主会