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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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第97号(1998年7月27日発行)

 勝手な肪問、一方的支払い許されない

 施設局は沖縄・神奈川県等に在住の地主の自宅を訪問、強制使用のための損失補償金の支払いを開始したもようだ。実際に施設局の訪問を受けた会員からのレポートを掲載する。

 関東ブロックの公開審理報告集会で防衛施設局職員の訪問に対する寸劇をやったのが6月4日。寸劇の解説をしながら、自分のところに来たらどう言ってやろうかとあれこれ考えていた。

 損失補償金の支払いの時期が、大分ずれこみそうだと話にのぼっていた矢先、7月6日午後8時すぎ、ドアをドンドン叩く音。
 「誰ですか?」ーー「ドンドン」
 「何の用?」ーー「那覇防衛施設局の者です」
 はっきり言って忘れていた。ようやく来たか、と思った。ドアを開けてみると何と3人も控えている。
「那覇防衛施設局からですが、裁決が出ましたので損失補慣金の支払いについてまいりました」と言う。
「名刺は?」ーー「今日は名刺は持っていません」
「身分証は?」ーーおもむろに身分証を取り出す。
 那覇防衛施設局・防衛庁事務官官の田津慎哉、同じく日高秀雄、佐藤友彦の3人とわかった。
 「那覇から来たの?」との問いには、「我々は横浜防衛施設局の者ですが那覇防衛施設局長の命をうけてまいりました」とのこと。
 「あんたたち、契約に応じるかどうかの任意交渉にも全然来ないくせに支払いの時だけ来るっていうのはどういうつもり?」
 「我々は、損失補償金の支払いにまいったわけで、そのへんのことはお答えしかねます」。
 「質問にも答えられないで、一方的に支払うっていっても、そんなの応じられるわけないじゃないか!」。
 「では供託でいいんですね」
 まさに、寸劇の再現だ。怒鳴って帰らせるのもいいが、これで一仕事終わったことにはさせられない。
 「ちょっと待った! こんな夜にこちらの都合も聞かないで、いきなり来るのは失礼じゃないの。あらかじめ電話するなりして、アポをとるのが世の中の常識じゃないんですか! ちょっと質問されたからって、いきなり供託するのは許せない。もう一度、事前に連絡をよこしたうえで、もう一回来るべきでしょ!」
 そう言ったら、一人は怒ってスタスタ帰りだした。他はどうするかなと様子を見ていたら、責任者と思われる田津が「わかりました」という。
 「本当にあらかじめ連絡よこすんですね」と確認してその場はお帰り願った。

 7月7日と8日は用事があって、8日の夜遅く家に帰ったら、那覇防衛施設局の封筒に入ったメモが残されていた。「8日の午後8時、お伺いしましたがご不在のため、13日の午後8時改めてお同いします。那覇防衛施設局総務部会計課 田津慎哉」
 13日は一坪の会議があって家にはいない。どうしようかと思ったが連絡するのも腹立たしいので放っておいた。
 すると13日、またメモが入っていた。なんと「補償金の供託について」とあり、「貴殿が不在のため支払うことができませんでした。したがって、以降補償金の供託手続きを進めさせていただきます」と印刷された紙が入っている。腹がたった。ずっとこういうやり方なのだ。

 さっそく翌日、那覇防衛施設局に電話し抗議した。「供託手続きは進行しているのか。田津さんに連絡をとれ。わたしのところに電話するように伝えろ」 「電話番号は?」と聞くので、「調べればすぐわかることだ」と言った。あとで、わからなかったからしかたがなかったと言い訳されるのも癪なので、職場の電話を教えておいた。2時間位して、田津から電話が入った。「申し訳ありませんでした」という。「供託手続きは進められているのか?」 「いいえ。ストップさせています」
 こんなやりとりのあと、今度いつ訪問するかの話に移る。いったん、17日に決めたが、どうせなら一坪の会員みんながいるところに呼ぼうと考え、27日一坪の会議が予定されている市民会場を指定した。いったんはOKしたので、これは面白くなるぞと思っていたら、また田津から電話。
 「上司に相談しましたら、やはりご自宅の方が良いといわれまして、何とかご都合はつかないでしょうか」という。勘付かれたかな、と思いつつ「自宅でなければならない決まりでもあるんですか。以前、職場に訪問したことだってあるんじゃないですか!」と食い下がってみた。考えた挙げ句、「ではもう一度上司と相談しまして、改めてご連絡します」と電話を切った。

 それからまだ、連絡も訪間もない。めんどうくさい地主ということで、もう勝手に供託しているかもしれないがもう少し様子をみてみようと思っている。

 会員はそれぞれのやり方で対応すればよいと思うが、最低でもこれだけのことはやれるようだ。自分の納得できる方法で、対決していったらいいと思う。
 (一会員)