軍用地を生活と生産の場に! |
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック |
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第221号(2010年9月25日発行) |
防衛相等の与那国詣で 与那国島への陸自の派兵は、一貫して自衛隊の側から画策されてきた。ここに来て、にわかに状況が変化してきたのは、沖縄の先島諸島周辺での中国の動向がその背景にあるとしている。また、沖縄島以西の自衛隊の「空白」、国境に近い先島諸島の「防衛」と「周辺海域の監視強化」が狙いとされている。 09年7月8日、自公政権下の浜田前防衛相が防衛相として初めて与那国入り、当初自衛隊配備に慎重な態度を示していた北沢防衛相も10年3月26日、与那国を訪問「個別具体的に検討していきたい」と積極姿勢に転じている。また、8月26日には、衆院安全保障委員会(奥田建委員長)9人が自衛隊のヘリコプターで尖閣諸島を上空から周り、その足で与那国入りし町長と会談した。このように、政府の関係者が次々と与那国詣でをしているが、彼らの並々ならぬ決意の表れなのだろうか。安全保障委員会のメンバーに対して、自衛隊誘致に反対する住民の会は「国境の島に自衛隊は絶対に必要ない!」と怒りをぶつけた。 与那国への陸自派兵を許さない・のどかな島に軍隊はいらない!! 沖縄の統一地方選がおこなわれた9月12日、与那国でも町議会選挙が実施された。定数6人に対して8人が立候補(現職4、新人4)した。結果4(誘致派)、2(誘致反対派)となった。これまではオール与党のなかで厳しい闘いを余儀なくされてきた自衛隊誘致反対の闘いは、旗織を鮮明にした反対派の議員が町議会の一角を占めることになり、これから本格的な闘いの幕開けとなるであろう。 与那国島は、西方台湾へ110`、東方石垣島へ120`、沖縄島へは500`の位置にあり、黒潮海流がまともにぶつかるため島の東側から南にかけては険しい断崖絶壁の海岸線が連なり沖縄の他の島では見られない景観が拡がっている。 毎年7月にはカジキ釣り大会が開催され200`超のカジキが獲れ、島内外から太公望が集まり賑いをみせている。一方、島の人口は約1600人余り、小学校3校、中学校2校あり、中学校を卒業し高校へ進学するためには、島を離れ高校のある石垣島や沖縄島へ渡らなければならない。そのため、高校へ進学する生徒の数だけ島の人口が減ることになり、過疎化はさけられない。 この現実は今に始まったことではない。誘致派と外間町長は「自衛隊が来ることによって、人口の減少に歯止めがかかり島の活性化につながる」と。一時的に減少は止まるかもしれないが、自衛隊は過疎解消の根本的な方策にはなりえないし、島興しにもならないことは火をみるよりあきらかだろう。国境警備隊が常駐している対馬では、人口はむしろ減少しているのが現実だ。 軍隊だけが住む島はNOだ 与那国島に陸自の100人が常駐するとなると、元々の島民は島を離れる一方で人口は減少し、終いには軍隊だけが住む島になってしまいかねない。永い時を経て築かれてきた与那国の歴史・文化・伝統・固有の言語など、軍隊の論理がまかり通る地域では大凡価値のないものとして後景に押しやられ,ぞんざいに扱われ、消滅の運命しか残されていないだろうか。これが単なる危惧であればいいのだが。 このような中で、国境の島という立地を生かし、軍隊ではなく国際交流に活性化を求める動きもある。民間から立ち上げた台湾との交流、今年は与那国中学3年生全生徒が台湾修学旅行にいくことが決まったと。 与那国という南の小さな島で活性化≠ニいうキーワドをめぐって、国の防衛政策・軍隊に頼る生き方か、国境の島すなわちアジアへの玄関口・国際交流に活路をみいだす生き方かで、島は激突している。防衛省は陸上自衛隊の与那国への派兵には執着があっても、島で暮らしている住民の生活は一顧だにしない。 国境の島 与那国には軍隊はいらない!! (大仲) |