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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック |
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第180号(2006年7月28日発行) |
日米軍事再編と基地強化に異議あり!
沖縄・辺野古への基地建設を許さない!7・1集会 講演記録 (紙面の都合で一部を省略しました。編集・構成 一坪通信編集部)
安次富 浩さん(ヘリ基地反対協)
これから私たちがどう辺野古あるいは沖縄で闘っていくのかという話しをしますが、米軍再編に対する沖縄の思い、怒りというものをやっぱり皆さんに伝えておかないと、と同時にこの米軍再編が何を意図しているかということを共有化してもらいたいということで、米軍再編の今回の合意について話させていただきたいと思います。 「沖縄の負担軽減」 今回の米軍再編で、ヤマトの新聞は枕詞に「沖縄の負担軽減のために」という言葉が必ず付きます。これを聞くだけで私は腹が立ちます。会場にいる皆さんも見ていただいたかと思いますけれども、NHKの「日本のこれから」という番組に私と命を守る会の金城祐二さん含め沖縄から20名、誘致派を含めてですね、呼ばれて生討論ということでありました。 そこで発言したかったのは、米軍再編と沖縄の負担軽減というのは違うんだということです。それと自衛隊の共同使用、共同訓練、自衛隊がアジアに出て行く、そのためのアメリカの後押しとして米軍再編はあるんだということを言いたかったというのもあります。そういうのは全然展開できませんでしたけれども、少なくとも視聴者に沖縄の思いをある程度理解してもらったんじゃないかと、それは結果としてアンケートで日米のいわゆる協調路線に対してある意味では否決みたいな形で、投票数が少なかった、そういう意味では良かったのかなと思います。 私は本当に腹立たしかったんです。発言する場面がなかったんですけど、賛成派のファックスしか読まなかったわけですから、これはこのままいったらやばいと思って割り込んで話をして、沖縄の世論は70%以上が沿岸案に反対であるという話をした。で、安保うんぬんばっかり言うもんですから、日米安保に賛成ならば、大事ならば、皇居もあるし永田町もあるし日本の中枢は東京じゃないかと、そこに基地を作ったらどうですかという提案をした。結構動揺していましたよ、「そんなこと言ったって」と言って、まさかそういう反撃を受けるとは思わなかったんでしょうね、彼らも。つまりそれだけ沖縄はなめられていると思うんですよね。僕はそう思っています。 沖縄の苦しみを全国にばら撒く米軍再編の、例えばF15の訓練、新田原とか三沢を含めて持っていきます、県道104号線の演習をヤマトに持って行っている、そういうのを望んだわけじゃないんです。私たちの、県民の思いをいつも無視して、県民の声を汲み取らない今の日本政府に対して、いつまでもおとなしく言っている必要は無いんだと。だから東京湾に持っていけという、これも一つの私たちの怒りの声なんですよ。僕の本音でもあるんです。 マスコミを含めて沖縄の状況というのを本当に検証し、沖縄の将来だけじゃなく日本の将来にとって今の米軍再編が何であるかということが報道されない、またあれは沖縄の問題だということで多くの国民は意にも介さない。こういう現実というのは永遠と続いていかしてはいけないという思いがあります。 国の専管事項ではない それから、自治体の組長が、安保問題、軍事問題は専管事項だ、うちの稲嶺知事もそう言っているわけですね。これは全くなさけない話です。去った太平洋戦争も、結局専管事項でああいう結果を生み出し、2千数百万のアジアの人びとに多大な犠牲を強いた。その結果としていわゆる国体維持の時間稼ぎとして沖縄戦があったわけだし、あるいは広島、長崎の原爆の投下もその戦争の結果です。東京大阪空襲もそうですよね。結局戦争において非戦闘員である住民が巻き込まれて多く犠牲を強いられている。 安全保障というのは国民の側に引き寄せない限りはだめだということです。専管事項ということで国民を引っ張っていく、それが政府の狙いであるわけだから、私たちは国の専管事項ではないということを地域で実践していかなくちゃならないと思います。 名護市民投票で、久間、当時の防衛庁長官は、全国の自衛隊員に、知人友人あるいは親戚が名護に住んでいたら海上基地、ヘリ基地の建設に賛成するように運動してくれという訓示までしているんですよ。なりふり構わずそういうことをやったわけです。あるいは、施設局の職員が200名も名護に来て、海上基地は公害問題クリアーしてすばらしい基地ですよ、安全に配慮しているということを、職員が名護市に戸別訪問して配って歩いたわけです。 今回の岩国市民投票では、「防衛問題は国の専管事項だから市民投票にはなじまない」と安倍は言ったわけです。政府は、都合いい形で展開しているわけです。そんなものに負けていたら運動はできません。 今後の闘いについても、よく周りから同じように海上闘争をやるんですかという話を聞かれます。僕はあまりしゃべらないようにしているんですけど、まだこれからいろいろな闘いがあるので、現場闘争についてはまだ先があると、現場闘争がある時はまたそれなりの闘いをします、その時には皆さん支援をよろしくという話をしています。 名護市議選・県知事選 今後の闘いとして、沖縄は地方選挙ですので、この選挙をきちんと闘ってみたいと思っています。9月10日の名護市議選含めて、県内あちこちの地方自治体の選挙があります。 名護の議席数が27、過半数は14。いかに反対派を14獲得できるか、あるいはそれに近い数にまで持っていけるかということで皆努力して候補者の擁立に力を注ぎました。いちおう15から16人の沿岸案反対の候補がおそらく立候補します。 私の立場から言えば、ジュゴン保護基金、二見以北10区の会の活動中心メンバー、東恩納琢磨君を今擁立して、一生懸命市議選に向けてやっています。彼は大浦湾の近くの瀬嵩(せだけ)という部落で頑張っている。やっぱり大浦湾の住民が声を上げる必要があるということですね。 何故彼を立てたか、もう一つの理由は、彼の長年の夢ジュゴン保護区を、議会の中で論戦を張り国との交渉などやるべきじゃないかということです。辺野古の海を米軍基地から奪い、キャンプシュワーブを含めて私たちはあそこをジュゴン保護区と同時に、ジュゴンあるいはサンゴ礁、海洋生物の研究機関を誘致したい。軍事基地に頼らない新しい、エコあるいは自然、それを生かし東海岸を発展させていきたい、活性化させていきたい。 ジュゴンは、今50頭以下で、ほっとけば本当に絶滅です。このジュゴンは鳥羽水族館の専門家がDNA鑑定で調べたら、フィリピンのジュゴンとも違う沖縄独自のジュゴンだと言っているわけです。本当にこれを残していかなくてはならないと思います。私たちの夢は、世界自然遺産登録に持っていく、軍事基地をとっぱらって世界自然遺産登録できるような自然回復を、と同時に平和な、アジアと向き合うのに、琉球王朝時代に平和な関係をアジア諸国と結びついていた、沖縄はその玄関口にしたいということが私たちの夢なんですね。それをまず琢磨さんを中心に名護で展開していけたらと思って今回やる。 その市議選の次に11月19日に県知事選があります。今、きちんと統一候補を作れば沖縄市長選挙で東門さんが勝ったように県知事選も間違いなく勝利できるという確信を持っているわけです。だからそういう流れを県知事選の勝利に向けて皆が団結すれば、後は名護における今の島袋市長をリコールできる、そういう政治的なムーブメントというのは生まれてくると思います。 負担軽減、実は基地の再編強化 今回の米軍再編で日本政府とアメリカ政府はどのような秘密交渉をやっているかということが見えてこないんですよね。つい最近パトリオットミサイルを嘉手納基地に配備すると。ロードマップにはパトリオットミサイルのことについてはでてきていません。しかしすでにそういうのは討議されていた。 閣議決定後そういうこともどんどん出てきているんです。4軍司令官、在沖米軍最高司令官の彼がはっきりと記者会見で言明しています。MV22オスプレイを2014年までに普天間基地の替りの基地に配備すると。今まで国会議員、野党国会議員、糸数さんとか赤嶺さんとかいろんな国会議員を通して、沖縄選出の国会議員を通してこのMV22の追及をしてもらって、そんな話もしていないと言っていたわけです。ところが4軍調整司令官がこう決まった、実はもうそういうことは話をしたと。 あるいは名護市長と合意した後に額賀や土屋、防衛庁の高官が、普天間基地のタッチアンドゴーというのをやられているということを知らされていないとか理解していないとかいろんな答弁していました。 米軍再編のために3兆円 今回の米軍再編の枕詞の話をしましたけれど、沖縄の米軍再編のためにローレンスは、3兆円以上使うということを言っているわけです。日本政府は、沖縄の米軍再編のために3兆円以上使っても国民に納得しなさいという論理展開です。これを検証しているマスコミというのは大手にないですよ。北海道新聞とか神奈川新聞とか、そういうローカル新聞、沖縄の琉球新報、タイムスを含めて本当にジャーナリズム精神に徹して国民に政府の政策に対する検証をやっていると思います。 こういうことを、やっぱり私たち運動側も一つの柱として展開してほしいと思います。今日、全労協も来ているし、平和フォーラムの皆さんも来ています。労働者は所得税の増額とか扶養控除のカットとか負担がものすごく強いられて、アメリカには湯水のごとく使う今の政権。国民に対して社会保険料増額ということで負担を強い、アメリカに対しては湯水のごとく使う。こういうことに対してやっぱり運動の中で大きな柱として位置づけてほしい。そのことが沖縄の闘いと繋がっていくものだと思います。決して沖縄の負担軽減じゃないということを反論していってほしいと思います。 今後の闘い さっきの選挙の問題がありましたけれど、もう一つアメリカでのジュゴン裁判の行方を通じながら、アメリカの環境保護団体の皆さんとの連係プレーをもっと強化して、アメリカ市民に訴える運動をアメリカ国内でどうできるかということを、ジュゴン裁判をやって支えてくれる環境保護運動の皆さんと一緒に検討していきたいと思います。 それからもう一つ今考えているのは、普天間爆音の弁護団も検討しているんですけれど、国連の人権委員会に、名護市民投票を無視してまたもや沿岸案で押し付ける日米政府のこの横暴に対する、沖縄差別という観点で人権委員会に提訴できないかと。今、沖縄独立を考えている若者たちが人権委員会に提訴して一方では展開されているけれど、この問題も含めて出すと。もし普天間の爆音訴訟の皆さんがそこまで行くと、沖縄の問題というのがいくつも国連の人権委員会で論議をされる。これは大事なことじゃないかなと。私もその辺を、私のまだ頭の中で、いろんなところで話したことはないんですけど。 もし私たちの側の知事が登場すればもっと運動は違った形になると思うんですね。おそらく日本政府は、新しい法律をもって、特別措置法で沿岸案の建設をスムーズにいくような形で法律でもって海の使用権を奪っていく、許可権を知事から権限を奪っていくような法律なども作ってくるだろうと思います。 そういうことも想定をしながら、まずは自分らで何ができるかということで、辺野古キャンプシュワーブの海は遺跡がありまして、縄文時代の遺跡が、それに関する勉強会を講師を招いてやります。そういう地道な運動をしながら目を世界的な視野に、全国の皆さんとの関係を含めておきたいと思います。 全国的な闘いで言えば米軍再編で苦しんでいる各地の住民運動団体と今横一線にネットワークで並びました。これをもっと運動を活性化、活発化していくことで何とか反安保闘争に繋げられたらと、そういう思いも持ちながら全国連絡会議も立ち上げています。そういういろんな課題を、あるいは実践をしながら、時には失敗をしてでもこれからまた運動を作っていきますので、ぜひ皆さんご支援よろしくお願いしたいということで話を終わります。 |