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『一坪反戦通信』
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 第178号(2006年5月28日発行)

特集 米軍再編・日米「最終合意」を撃つ!


米軍再編「日米最終合意」をめぐって

沖縄県の動向 ・「閣議決定」は?


 5月1日に日米両政府が在日米軍再編の最終報告に「合意」した。4月7日に既に名護市と修正「合意」した日本政府・防衛庁は、政府案に反対する沖縄県の「合意」を取り付けて、さらに「閣議決定」へと持ちこみたいところのようである。しかし現実には調整が難航、「閣議決定」も当初の予定より延び延びになっている。

 5月11日には稲嶺沖縄県知事と額賀福志郎防衛庁長官のあいだで「在沖米軍再編にかかわる基本確認書」が5項目にわたって取り交わされた。非常に玉虫色の内容で、防衛庁サイドとしてはこれを「合意」と見なしたいようであるが、沖縄県としては政府案の㈸字型2本の滑走路を持つ基地建設ではなく、キャンプ・シュワブの兵舎地区のヘリポート建設を求めていることもあり、「合意」したわけではないとしているようだ。

 いずれにしても辺野古にかかることでは同じである。また政府との「協議」に応じる姿勢を示していることには変わりない。この間政府は、名護市との「合意」をたてに、知事を東京へ呼び出しては、密室で「説得」と称して「合意」を迫っているようなのであり、このことは不安材料である。

 5月23日付けの琉球新報によると、ここに来て県は、協議を他省庁にも拡大したようである。「牧野浩隆副知事が22日、官邸と内閣府を訪れ、㈸字型滑走路案に反対し、暫定へリポート建設を求める券の基本姿勢を伝えた。〜暫定へリポート案を一顧だにせず、『政府案ありき』で閣議決定を急ぐ防衛庁をけん制し、他省庁に助け舟を求めた格好だが、防衛庁は県の行動に批判的。〜牧野副知事の要請直後に開かれた各省庁の事務次官会議では、米軍再編に関する案件は議題とならず、閣議決定は正式に見送られた。」このことを受け、米軍再編実施に関する「閣議決定」は、5月26・27日の太平洋・島サミット以降にずれ込む見通しとなったとしている。

 この件では、5月19日に稲嶺知事が県庁で記者会見をした際に「閣議決定は6月以降にしてほしい」と述べたことが伝わっている。

 県の抵抗によって「閣議決定」が延びたとも取れるが、そこには沖縄現地での運動による県への働きかけが大きく作用しているのではないだろうか。「稲嶺と額賀の協議は容認できない」と、市民共同行動と平和市民連絡会は5月24日〜26日に稲嶺知事への緊急抗議行動を予定しているようである。

 また同25日には「普天間基地の即時閉鎖を求め、辺野古沿岸案への移設に反対する県民大会」も予定されている。県の動向によって「閣議決定」への時間が稼げている間に、稲嶺がいかなる基地建設も受け入れないように・政府との交渉のテーブルに乗らないようにとする運動は大きな意味を持つのではないだろうか。

 5月15日の関東ブロックの集会での、平良夏芽さんの、これまでは「知事に経済性を捨てても、安心して基地反対を貫きなさいと言い切れてこなかった」との発言が思い起こされる。関東でも基地建設を撤回させる働きかけを強めなければならない。
O(会員)