軍用地を生活と生産の場に!
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
http://www.jca.apc.org/HHK
東京都千代田区三崎町2-2-13-502
電話:090- 3910-4140
FAX: 047-364-9632
郵便振替:00150-8-120796

『一坪反戦通信』
毎月1回 28日発行 一部200円 定期購読料 年2,000円
 第176号(2006年3月28日発行)

《岩国から》

これからが正念場

住民投票を成功させる会 共同代表 大川 清

 3月12日、空母艦載機部隊移駐案受け入れの賛否を問う住民投票が岩国市に於いて実施され、58・68%の投票率で住民投票は成立し、43433票、実に87・4%(全有権者の過半数)もの圧倒的多数の反対意見で、私たち岩国市民は、はっきりと「ノー」の意思を示すことが出来ました。皆様のご支援に心から感謝致します。

 戦後60年間、岩国市民は絶えず騒音被害や、米兵の犯罪に苦しめられながら暮らして来ましたが、様々なしがらみの中で、基地をめぐる議論はタブー視され、基地との共存を強いられても来ました。その中での圧倒的多数の反対の意思表示は「もう我慢できない」との市民の力一杯の抵抗であったと思います。今回の住民投票を通じて市民が基地について、自分達の街の未来について真剣に考え出したことの意義は本当に大きいと思うのです。

 2月7日、議会との意見の乖離によって市長が住民投票を発議、私たち市民の意思を直接、示すことのできる大きなチャンスだと喜びましたが、「市民の中には、反対だけど国のいうことだから仕方がないと諦めている人達も大勢いる、このままもし何もしなければ、投票率50%を切ってしまう」という危惧が頭をよぎりました。何としても住民投票を成功させ、移転計画反対の市民の意思を絶対に国に届けたい、私たち街の将来は、そこに住む私たち自らが決めたいと強く思わされ、矢もたてもたまらぬ思いで「住民投票を成功させる会」が発足しました。

 それから一ヶ月、全てが手探りでした。ただ悔いの残らぬよう、出来ることは何でもやっていこうと思いました。幸い私たちの呼びかけに応え、近県の方々が応援に駆けつけて下さり、全国各地からカンパや応援メッセージが届き、私たち岩国市民はどれほど励まされたことかしれません。

 雨の日も雪の日も、ひたすら投票を呼びかけるビラを配り続け、プラカードを首にさげ、駅前にも立ち続けました。私たち市民を全く無視した無謀な移転計画案を白紙撤回させたいとの一心でした。

 1500人の人文字や400人の市民大集会と少しずつ手応えも感じてきました。「安心や命と引き換えの振興策なら御免!」「騒音や犯罪に苦しめられずに安心して暮らせる街を子や孫に!」という心からなる叫びが通じ、住民投票はみごとに大成功。

 はっきりと「ノー」の意思が示されました。

 さあこの民意よ!国に届け! 国の政治家はアメリカの顔色ではなく、私たち国民の、市民の声に耳を傾けて政治を行うべきです。ラムズフェルト国防長官は「歓迎されないところには基地はおかない」と明言しました。私たち市民は勿論、基地を歓迎しません。先に政府は地元住民の意思にかかわらず日米合意を優先させると発表しましたが、地元住民の苦悩を全く無視し、民主主義を根幹から否定するものとして私たち住民は絶対にこれを許せません。

 今後、政府は住民投票の結果を矮小化し閉塞状況に追いやろうとしてくると思います。住民投票を期にその後の粘り強い運動で辺野古沖の海上岸建設案を国に諦めさせた沖縄の人達、騒音のたらい回しは断固反対と言ってくださる厚木の人達、全国各地の人達と連帯しながら私たちも粘り強く闘っていきたいと思います。
 近く「住民投票の成果を活かす会」を発足する予定です。まさに民主主義、主権在民の実が問われています。これからが正念場、今後共、皆様のご支援とご協力をどうかよろしくお願いします。