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『一坪反戦通信』
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 第174号(2006年1月15日発行)

ひんぷん  

辺野古に基地は要らない!

名護市民投票8周年海上パレードについて

文:本永 春樹 (一坪反戦地主会)

 10月末に発表された「米軍再編中間報告」は、「普天間代替基地」の「辺野古海上案」を実質的に破棄し、「キャンプシュワーブ沿岸案=辺野古沿岸案」という新たな日米合意を打ち出しました。

 「米軍再編中間報告」は、在沖・在日米軍基地の「効率化・強化・固定化」を図るとともに、自衛隊と米軍の更なる一体化=日米軍事同盟強化を目論んでいます。米軍と一体化を図ることにより、「専守防衛」の足枷を取り払い、対外戦争を担える覇権のための軍隊として、自衛隊を「自衛軍」へと転換するための「米軍再編中間報告」なのです。

 「米軍再編中間報告」を打ち崩し、日米政府の軍事的目論見を打ち砕くためにも、今回の「米軍再編中間報告」で在沖・在日米軍基地等の移設(演習の移転も含む)候補地とされた地域での闘いが重要になってきます。各地域におけるすべての闘いが重要不可欠な闘いであることは論を待ちませんが、その中でも特に、普天間代替基地を許さない闘いが極めて重要な闘いであることは間違いないでしょう。辺野古の闘いは何が何でも勝たねばなりません!

 1997年12月の名護市民投票から8周年を迎え、「市民投票8周年海上パレード」(主催:ヘリ基地反対協議会)が、2005年12月23日に開催されました。

 南国沖縄でも、この時期は荒天が続き、寒気が覆う気象状況となります。前日まで季節風が吹き荒れ海上も大シケでしたが、当日はぽかぽか陽気の好天に恵まれ、会場の大浦湾も穏やかでした。

 地元名護市はもとより沖縄本島中北部各地域から、計56隻の船舶が参加しました。地元名護市や沖縄県内各地及び日本各地から300名を超える方々が参加しました。

 海上パレードは、汀間漁港を出発し、日米両政府が合意したキャンプシュワーブ沖の大浦湾を円を描きながら数周周回し、汀間漁港に帰港するコースでした。船上では漁船の大漁旗や各参加団体の色とりどりの旗や幟がはためき、実に勇壮かつ壮観な海上パレードとなりました。

 辺野古沖合いのリーフ内側や、ジュゴンの餌場である砂地の藻場などの鮮やかな明るい浅い海底を通過し、二見寄りの大浦湾にさしかかると、海の色も濃紺のぐんと深い海になりました。大浦湾の変化に富んだ豊かな海を目の当たりにすることにより、海人(うみんちゅ)の方々が、「辺野古の海は魚が湧く豊かな海」と口々に訴えるのが心から理解できました。しかし、このような豊かな海も日米両政府にとっては、浅場は埋め立てに好都合な海であり、深場は艦船の出入りに好都合な天然の良港でしかないのでしょう。

 今回の海上パレードは、「米軍再編中間報告」後、日米両政府が辺野古に新基地を建設しようと必死に画策していることに対する、沖縄民衆の強烈な反対の決意表明となりました。しかし、日米両政府は、今後あらゆる手段を用いて、沖縄民衆の闘いを弾圧しようと画策することでしょう。「辺野古新基地建設特措法」制定の策動も聞こえてきます。

 8年前の名護市民投票の勝利や、現在も連日闘われている辺野古現地の闘いがあってこそ、日米両政府に「辺野古海上案」を断念させ、稲嶺知事の「事実上の方針転換」を勝ち取ることができたのです。今後とも「ヘリ基地反対協」や「命を守る会」を支え、そして共に闘い抜くぞ!との決意をもって、何が何でも、この闘いを勝ちきらねばなりません。そのためにも辺野古現地での闘いは言うまでもなく、可能な限りあらゆる場面で闘い抜いていく決意が求められています。

 現在、沖縄では、新たな闘いの息吹が着実に育っています。12月18日には、若者や学者、芸能人、文化人、市民多数による「ごめん、わじっていいか、県民大作戦会議」なる集まりが行われ、今まで、新基地建設に反対だが声を上げられなかった人々が集まり、各自がどのような創意のある運動を繰り広げていけるのかを、真剣に話し合いました。また、前回お知らせした、「米軍再編『中間報告』・辺野古『沿岸案』撤回に向けて—意見広告運動」も着実に広がりを見せています(1月15日に琉球新報と沖縄タイムスの県内2紙に意見広告掲載予定)。3月には数万人規模の「県民大会」も開催される見込みです。

 1月8日には、横浜市内で、在沖米軍基地に反対する沖縄と神奈川の市民団体による「日米軍事再編・基地強化と闘う全国連絡会(仮称)」の発足が発表されました(沖縄からは安次富浩ヘリ基地反対協共同代表が参加)。今後米軍再編への反発を全国的な運動を展開して訴えていきます。

 「沖縄でいらない基地はヤマトでもいらない。ヤマトでいらない基地は沖縄でもいらない」このことに尽きると思います。これからも私たちは連帯して日米の策略を粉砕していこうではありませんか。