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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第169号(2005年7月28日発行)

ジョージ・W・ブッシュ米大統領様

抗議と要求

2005年7月13日

沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
代表・上原成信

 沖縄県警は去る7月3日午前、小学校5年の女児の胸を触ったとして、強制わいせつの疑いで、米軍嘉手納基地所属の米兵を逮捕しました。

 私たちは在沖米軍の兵士によってまたもや繰り返された性犯罪に全身を突き抜ける怒りをもって米国政府とその最高責任者であるあなたに抗議します。沖縄が米軍に占領されてから沖縄住民に対する米軍関係者による犯罪は無数に繰り返され、その事態は1972年、沖縄の施政権が日本に返還されたあとも少しも変わりませんでした。防衛施設庁の資料によると、米軍が日本で起こした事件事故件数は1972年度から2004年度までの33年間で4万2416件に上り、その60%が沖縄で引き起こされているのです。

 1995年9月4日に起きた3人の米海兵隊兵士による少女レイプ事件に沖縄住民の怒りが爆発したことをあなたはご存じですか。米軍兵士や軍属による犯罪はその後も続いています。

 米軍関係者による犯罪が繰り返される度、在沖米軍の最高責任者は「謝罪」を口にし綱紀粛正を「約束」してきました。しかしその「謝罪」や「約束」はその後米兵が起こしたさらなる犯罪によってまったくの偽りであり、無意味であることが明らかになっています。「謝罪」はいつも口先だけのものでした。綱紀粛正の「約束」はいとも簡単に反故(ほご)にされてきました。

 貴国大使館のメア安全保障課長は、抗議の国会議員に対し、この事件は「軍隊ではなく、個人の問題」「一般社会でも起こり得る」と発言したと伝えられています。さらに、在沖米軍のブラックマン四軍調整官は、沖縄等米軍基地問題議員懇談会のメンバーに対し、普天間飛行場や嘉手納基地について「何もない場所に空港を造ったのに、その周囲に人が集まってきた」と、歴史的事実をまったく無視した発言をしているのです。こういう無知な司令官に率いられる軍隊は他国に駐留する資格はありません。即時撤退すべきです。私たちはもはや、在沖米軍や米国政府による、どのような「謝罪」も綱紀粛正の「約束」も信用しません。

 また、昨日、沖縄の米軍演習場「キャンプハンセン」内に新たにつくった都市型戦闘訓練施設において、実弾射撃訓練を開始しました。訓練場「レンジ4」は、一番近い住宅地域まで300メートル、高速道路まで200メートルしか離れていません。しかもこの「レンジ4」より離れている訓練場での実弾射撃訓練による被弾事故がこれまで何度もくり返し発生してきました。この新たな都市型戦闘訓練施設の建設計画が発表されて以来、地元住民である金武町伊芸区住民を先頭に1年以上にわたって抗議行動を続けてきており、稲嶺県知事も反対して、日米両政府に何度も中止を要請してきたのです。

 地元住民の強い反対に押されて、容認してきた日本政府とアメリカ政府の合意で「代替施設」をつくることになりましたが、今度はその「代替施設」が使用できるまでに「少なくとも数年はかかる」として、それまでは新たにっくった施設を「暫定使用」すると6月27日からの使用開始を通告してきたのでした。生活が破壊され生命が危険にさらされる訓練に、地元住民をはじめ沖縄県民は反発しています。今すぐに中止しなさい。

 さらに辺野古沖に沈没して、サンゴを破壊し、燃料流出によって海を汚染させた水陸両用車が約1ヵ月も放置された後、やっと引き上げ作業に着手しました。しかし、この引き上げ作業は7月15日にも水陸両用車による訓練を再開させるためでした。原因究明や再発防止について明らかにしない中での再開に住民と名護市議会では反対を表明しています。

 米軍関係者による犯罪や事故が続くのは沖縄に米軍基地があるからです。沖縄に米軍基地が存在し続ける限り、犯罪や事故は今後も繰り返され住民の苦しみは続きます。ですから私たちは全米軍の最高司令官であるあなたに、沖縄からすべての米軍基地を撤去することを強く要求します。

 ラムズフェルド米国防長官自身が周辺住民にとって危険であることを認めた海兵隊普天間基地(飛行場)は無条件かつただちに返還すべきです。同基地の代替施設の「県内移設反対」は、今や沖縄を覆う圧倒的な世論になっています。あなたは沖縄島北部辺野古沖海上に代替基地を建設する計画の中止を日本政府に今すぐ明確に申し入れるべきです。そして沖縄からすべての米軍基地をただちに撤去しなさい。

 沖縄にとって米軍が「良き隣人」であり得ないのは、今さら議論の余地のないことです。いたいけな少女に加えられた性犯罪に心底から憤激し、沖縄から全米軍基地を撤去することを重ねて要求します。

要求項目は次の3点です。

  • 新たな都市型戦闘訓練施設による実弾射撃訓練を即刻中止すること
  • 沈没した水陸両用車の原因究明と再発防止を明らかにし、訓練を再開しないこと
  • 在沖米軍基地の全面撤去で、米軍関係者による犯罪・事故をなくすこと
 以上


画像・抗議文等:米大使館緊急抗議