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『一坪反戦通信』
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 第166号(2005年4月28日発行)

4月6日外務省申し入れ

「まだ方向性はない」と回答


 辺野古実行委員会は去る4月6日午後、外務省に辺野古ボーリング調査の見直しを申し入れた。糸数慶子参議院議員(無所属)の他、照屋・東門・大田議員(いずれも社民党)秘書が同行した。参加した実行委員は14人。約1時間にわたって申し入れを行った。

 対応したのは外務省北米局の熊谷氏(日米地位協定室主席事務官)。回答の歯切れが悪く、ズバリ伊江島へのヘリ移転提案はないと明確に否定した以外はあいまいな回答ばかりだった。

 熊谷事務官は「2月の日米2+2会合でもSACO合意が重要とされた。兵力見直し協議で、辺野古移設について両者の接点が出てくる。在日米軍見直しの具体的議論は今後数ヶ月間」と状況説明。

 「外務省は米側に交渉条件は出していないのか?」と尋ねたところ、同事務官は「方向性を持って議論しているという段階ではない」と回答した。

 実行委員側は「その「『接点』」が分からない。日本側は沖縄の負担軽減要求、米側は違う立場で日米が利害は対立しているのではないか?」と糾したところ、同事務官「われわれは国の安全を預かっている。抑止力を維持しかつ沖縄の負担を軽減していく」とどっちつかずの回答だった。

 「実際には具体的な施設をめぐって、かなり細かく議論されているのではないか?」との疑問に対しては、新聞などの「報道はそのまま事実ではない」との回答。

 総理の「辺野古は無理」発言報道があったことについてはだんだんシドロモドロに。同事務官は「国会で質問を受けて、外相、総理も申し上げている。そこについては当然責任を持っており、いつわりを言っている訳ではない。総理も外務大臣も、辺野古見直しを指示はしていない」と譲らず。

 糸数議員も身を乗り出して、「 3月28日の金融財政委員会で総理は外務省幹部に指示した、とたしかに私の質問に答えて言いましたよ。違うのですか?」。たしかに総理は国会答弁で斎藤つよし議員(民主党)に対して「指示はしていない」と言ったらしい。しかし糸数議員の質問に答えたのはそれよりも後日のことだ。それでは「総理の3月28日の発言はうそか? 国会答弁は言いっぱなし(でアトは知らない)か?」と実行委側は憤慨した。しかし同事務官は「事実として総理から指示されていません」。

 海兵隊ヘリ部隊の米軍伊江島補助飛行場移転案については「政府として、米側にそのような案を提示している事実はない。まちがいない」と明確に否定した。

 また政府は「なぜ辺野古に固執するのか?」について、「稲嶺県政、名護市と話し合い、協議会で協議した経緯がある」とダラダラ経過説明。

 さらにイラクから普天間に帰還してきた第31米海兵遠征部隊(31MEU)に関して、米側には交渉したかどうか、については「イラクに行ったのはそもそも一時的なもので、(米側に)『帰還するな』と言ってはいない。しかし、沖縄県民感情に配慮するよう要請はした。在日米軍のNo2に電話で申し入れをした」と回答した。いったいどういう「要請」をしたのだろうか。さっぱりわからない回答。

 米軍再編に関連する今後の日米協議については、来たる8日にもハワイで両国審議官クラスでの協議があることを明らかにした。

 「沖縄県知事も最近は辺野古見直しに傾いているのではないか?」については、「正式に沖縄県の方針が変わったわけではない。公式の申し入れもない。方針変更を政府として閣議決定したわけではない」と頑固回答。「今の段階では一般論だけ。日米交渉をすべてさらけ出すわけにはいかないが、抑止力の維持と地元負担軽減はふたつの柱」。を繰り返した。

 実行委側は、秘密外交ではとても「ご理解」できない、と追及したが「外務省のHPに掲載することを通じて出来る限り知らせている」の一点張りであった。それならどうして提案してもいない案や憶測報道がこんなにもたくさん出されるのであろうか? 2+2会合の内容だって「すべてをさらけ出すわけにはいかない」と言って、国民には本当のことを知らせていないではないか! 今後の外務省をわれわれは厳しく見守ろう。
(YS)