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『一坪反戦通信』
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 第166号(2005年4月28日発行)

辺野古緊急レポート

海上阻止行動に参加して


 「こちらが出る前、早朝から施設局(那覇防衛施設局)が全やぐらに作業を仕掛けてきた。辺野古に集まった人たちから順に船で全やぐらに向かった。1やぐらには金網が張られた。5やぐらには機材が載せられた。飛び込み、やぐらに上がり作業は止めた。全やぐらに人が到着し、警戒態勢のもと、作業は止めています。施設局はいつもと違う船までチャーターしている」(4月26日早朝の第一報。「ちゅら海をまもれ!沖縄・辺野古で座り込み中!」より引用)。

 とうとう那覇防衛施設局(以下、施設局)は、辺野古沖への海上基地建設のためのボーリング作業を午前2時からという闇夜に強行した。現在建てられている四つのやぐら(第1、2、3、5)のうち、第1、3、5やぐらは、全体を金網で囲み、ボーリング機材を積み込んだのだ。しかし、海上阻止行動のメンバーは必至になって、作業船、警戒船の阻止線を海に潜って突破し、金網をよじ登ってやぐらの中に入り、作業を中断させた。

 この日から、施設局は「安全のため」と夜間にもダイバーを乗せた船を張りつかせている。また施設局が雇ったと言われている民間警備会社が登場してきている。全員がヘルメットにゴーグルを付けて、船には「日の丸」が書いてある。服にも船にも名前がない、怪しいやからだ。

 これまでにない闇夜の作業強行と24時間の作業態勢に危機感を強め、海上阻止行動も24時間となっている(5月1日現在)。

 山中昭栄防衛施設庁長官は、「24時間かどうかはその時々の作業内容によっても違うが、あえて24時間、あるいは日中だけという手を決めてやっているということではございません、必要な作業は必要なときに行う」と言い放った。

 基地の県内移設に反対する県民会議は、即日、施設局に押しかけ、約6時間におよび激しく中止を求めた。
 そもそも那覇防衛施設局は沖縄県に出した「作業計画」のなかで、ジュゴンへの配慮の観点から「作業時間を日の出1時間あとから日没1時間前までの間で設定」と書いている。

 以前これが守られなかったときに、同施設局は「これはボーリング作業の作業時間のことで準備作業はこれに当たらない」と説明しており、今回もこの内容を繰り返している。しかし同じ作業計画の中で、「出航、帰港を含む作業時間を日の出から日没までと設定」すれば問題ないと、船の航行時間を含めて配慮すると自ら書いているのだ。

 28日に同県民会議が施設局と県庁に行ったときには、施設局は「場合によっては(ジュゴンに対して)影響があるかもしれない」と回答したが、夜間作業を中止していない。5月2日にも徹底的に中止を求めていく予定だ。


海上阻止行動に参加して


 28日の軍用地強制使用の公開審理をはさんで、26日夜から29日午前まで海上阻止行動に参加した。

 辺野古に着いたときには午前0時から海上阻止行動に出発する準備に取りかかっており、ピリピリとした雰囲気で辺野古の緊急事態を感じさせられた。

 私はその夜は、やぐらへの荷物や人運びの手伝い、翌日午前6時30分から午後8時まで海上阻止行動に参加し、夜間はテントで仮眠をとりながら待機し、翌々日午前中も海上阻止行動に参加してきた。

 施設局と業者がダイバーを引き連れて、すきあらば作業を進めようとしてきており(実際そういうことがあった!)、文字通り24時間対峙しなければならない状況であった。

 とくに長時間の海上阻止行動によって疲労困憊の上、夜間になると、暗闇からくる船の座礁や船どおしの追突、ダイバーが船ややぐらにぶつかる、またやぐらの中でも足を踏み外したり、機材にぶつかったりする恐れがあり、非常に危険な状態だ。

 緊急事態に沖縄から全国から辺野古へかけつけてきている。しかし、それでもまったく人が足りない。人によっては2、3日間、やぐらにいなければならなくなっている。海上阻止行動の費用もかさんでおり、カンパを多く集めることも急務だ。

 命を守る会のオバー、オジーたちも早朝、深夜と体をおしてテントに来ている。海上阻止行動のメンバーは、一人ひとりの力を結集してこそ、これまで阻止してきたし、今後も阻止できると確信し、連日がんばっている。

 この事態に対して、東京、大阪、京都、滋賀、福岡などで緊急の情宣や抗議行動がおこなわれている。私たち関東ブロックも、辺野古への海上基地建設・ボーリング調査を許さない実行委員会として25日から28日と連続して防衛庁・防衛施設庁への抗議行動をおこなった。

 会員のみなさん、読者のみなさん、ぜひ辺野古へかけつけ、数時間でも海上阻止行動に参加してください。カンパを集めてください。政府に抗議してください。一人ひとりできるところから最大限やりましょう。周りの人たちにも呼びかけましょう。
(I)