軍用地を生活と生産の場に! |
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック |
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『一坪反戦通信』 |
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第163号(2005年1月28日発行) |
いま止めないと回復は不可能にボーリング調査の違法性を司法の場で問う「ボーリング調査差し止め請求訴訟」が去る12月27日、那覇地裁に対して起された。被告は国、原告は辺野古周辺の漁業者や反対派市民68人だ。訴訟の弁護団長である池宮城紀夫さんは一坪反戦地主会代表世話人の一人。この提訴についての電話インタビューで関東ブロックに次のように話した。 ・どういうメンバーが原告なのですか? (1)辺野古近くで漁業をしているウミンチュ(漁民)。辺野古の海で育ち、現在も生活している人たち、(2)名護市民、(3)名護市以外の市民――の三重層だ。自然環境に魅せられて年間五百万人近い人が沖縄の観光に訪れる。沖縄の海は全世界の人が共有する自然。それを享受する権利がある。 ・そもそも今回の訴訟の目的は何ですか? 新基地は県民への新たな負担押し付けと、奇跡的に残る豊かな自然環境を壊滅的に破壊する。ボーリング調査は辺野古海上基地建設の一環。それを何としても止めることが訴訟の目的だ。県民の八十%が反対という世論の中で、国はあえて無視して強行しているが、この無謀な政策と不当性を裁判で明らかにしていく。巨大な基地建設は沖縄の基地の固定化につながり、県民の願いに全く反する。 ・そうすると自然環境保護の主張もこの目的ですか? 国際自然保護連合(IUCN)は二回、日米両政府に見直しを求めて勧告(注2、注3)。日弁連も会長声明(注4)で警告を出した。ジュゴンがすむ奇跡的に優れた自然を守るということは極めて大きな課題。それは沖縄だけでなく世界の声だ。 今止めないと回復不可能になってしまい、法的な歯止めの必要性は極めて差し迫っている。今、始めているボーリング調査ですらサンゴを破壊しており(注5)、専門家の警告が現実になり、危機的状況はどんどん進んでいる。環境を守るあらゆる法令を駆使してストップをかけたい。 ・国側はどう対応してくるでしょうか? 国がどうこたえるかは答弁書を見た上で弁護団で議論をしないといけない。ただ、沖縄の基地問題は国側には逃げたい問題が多い。今回もできる限り逃げようとするだろう。しかしわれわれは絶対逃がさない。真正面から答えるよう追及する。裁判所には第一回の期日(注6)をできるだけ早く入れてもらいたい。 ・決定が早く出る仮処分でなく、本訴にしたのはどうしてですか? 国の無謀な行為は世界的に問題となる自然破壊の典型であり、明らかになることで世界中から大きな支持を得るはずだ。辺野古現地の闘いへの県民の支援は今でも強いが、提訴はこの運動をより全県的に広める具体的な方法の一つ。仮処分を選ばなかったのは、非公開の審理で立証が制限されているからだ。公開の法廷で県民注視のもとで行なうのがベターだと考えた。 注1:訴状全文は関東ブロックのウェブサイトに掲載しています。 |