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『一坪反戦通信』
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 第162号(2004年11月28日発行)

 IUCN(国際自然保護連合)決議
(2004年11月25日)

Conservation of Dugong, Okinawa Woodpecker and Okinawa Rail in Japan
日本のジュゴン,ノグチゲラ,ヤンバルクイナの保全(2004/11/25 仮訳IUCN JAPAN)

 日本のジュゴンは,沖縄島周辺のみに生息し,分布域が狭く,個体数が少なく,他の個体群から孤立していること,ノグチゲラ,ヤンバルクイナは,地球上で沖縄島の山原(やんばる)の森にのみ生息する固有種で個体数が少ないことにより,3種ともに絶滅のおそれのある種(ジュゴンはCR D1(日本哺乳類学会1997), ノグチゲラはCR , ヤンバルクイナはEN(環境省2002))であることに留意し,

 ジュゴンの最も重要な生息海域のひとつでは,米軍の軍事飛行場と日本の民間航空の軍民共用空港建設計画が進み,魚網による混獲が発生し,ノグチゲラ,ヤンバルクイナの生息地では,米軍用の7か所のヘリパッドと軍用道路の建設計画があり,侵入種のマングース,ノネコによる捕食が発生するなど,これらの3種への脅威が高まり,絶滅の危機がさらに進んでいることを憂慮し,

 IUCN第2回世界自然保護会議(2000年10月4-11日 アンマン,ヨルダン)が,沖縄島のジュゴン,ノグチゲラ,ヤンバルクイナの保全のために,生息地におけるアメリカ合衆国海兵隊の軍事施設の建設と演習に関する環境アセスメントを完遂すること,それにもとづいて,これらの種の生存のために適切な対策を講じるよう勧告(Rec. 2.72)していることを想起し,

 日本政府が,ジュゴン,ノグチゲラ,ヤンバルクイナの保全のための調査といくつかの救済策を実行し,生息地における軍民共用空港,ヘリパッド,道路の建設において,自然環境への重大な影響を避けるための最大限の努力を決意したことを歓迎し,

 日本政府が,日本の法律にもとづいて環境アセスメント手続きを開始したことを認め,

 UNEP/DEWA(2002)によって出版された研究レポート「ジュゴンの現状と国別・地域別の行動計画」における絶滅の警告に注目し,

 IUCN世界自然保護会議は,その第3回会議(2004年11月17-25日,バンコク,タイ)において,

1. 日本政府に対し,以下のことを要請する
 a) ジュゴン生息海域における軍民共用空港建設計画に関する環境アセスメントでは,ゼロ・ オプションを含む複数の代替案を検討すること,また,ボーリング調査,弾性波探査などの事前調査も環境アセスメントの対象にすること.
 b) ノグチゲラ,ヤンバルクイナ生息域における米軍ヘリパッド建設計画に関しては,これを環境アセスメントの対象として,ゼロ・オプションを含む複数の代替案を検討すること.
 c) 早急に,ジュゴン,ノグチゲラ,ヤンバルクイナの保護区を設置して,保全に関する行動計画を作成すること.

2. アメリカ合衆国政府に対し,以下のことを要請する;
 a) 沖縄の希少な野生生物生息地におけるアメリカ合衆国軍の基地建設について,米軍の環境管理に関する基準にもとづいて,日本政府と環境保全,野生生物保護の観点から協議すること.
 b) 要請があれば,日本政府が実施する軍事基地に関する環境アセスメントに協力すること.

http://www.iucn.jp/news/041125-2.htm より転載)


8団体共同プレスリリース

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