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『一坪反戦通信』
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 第159号(2004年8月28日発行)

ヘリ墜落事故始末に思う

          立川自衛隊監視テント村 加藤克子  

 静岡の温泉で二月の弾圧以来はじめての休暇をとっているとき、普天間のヘリ事故を知った。「そうか、やはりヘリ事故は多いのだ」と先日一坪の会のYさんから送っていただいた資料を思い返した。幸い人命は失われていないという。沖縄である。しかも大学構内での墜落である。それなら現場を日本側が抑えることができるか、と考えた。

 かって一九六八年六月、九州大学構内にファントム戦闘機が墜落したことがある。学生運動が活発な時期だった。墜落現場の機体残骸に群がり、抗議する行動が続いた。今では、事故現場は直ちに米軍に制圧され、証拠物が日本側に引き渡されることはない。その慣例が破られる可能牲がある、と期待したのだ。だがそうはならなかった。休暇から帰った茶の間に、米軍の機体搬送の映像に「学生たちが阻止しようとしています」と報じるアナウンサーの声が響いた。沖縄の人々の無念が伝わってきた。

 七日目に普天間基地での飛行が再開され、九日後には「イラクヘの出動命令」を理由に、墜落機と同型ヘリの飛行が再開された。普天間基地近くの原爆の図が展示されているさきま美術館に、墜落現場の国際大学構内に、基地をとりまく住宅街に、へリ騒音は今も降りそそいでいるにちがいない。辺野古の代替基地建設に反対して座り込む人々にも、その音と痛みは届いているだろうと想像する。

 立川では、九月一二日に駐屯地祭が開催されるが、現在では「防災航空祭」と名を変えているが、はじまったヘリ編隊訓練の騒音の中で「まったく基地は災害の源」と思う。普天間の基地訴訟でヘリ騒音が問題になっていると知って送ってもらった資料だったが、墜落事故の多さにびっくりした。さらに、燃料もれによる土壌汚染、台風時の基地から流れた汚水被害など枚挙に暇がない。かつての米軍時代の立川では、ガソリンの垂れ流しで井戸の水が燃える被害があった。その土壊汚染の上に、今は「緑豊かな」昭和天皇記念公園が建設され、自衛隊は機能を一新した基地で、派兵時代の世を謳歌している。

 沖縄に駐留する米軍に事故が多い背景には治外法権的な特権と占領者としての奢り、そして現下のイラク情勢があると思う。日米地位協定は、米軍による被害の補償は七十五%がアメリカ、二十五%が日本と定めている。しかし横田でも厚木でも、公害訴訟の補償金負担を米軍は拒否している。イラク参戦で常任理事国入りをもくろむ日本政府にとって、その程度の代替え出費は小さなものなのだろう。

 「対テロ戦争」時代の米軍再編が、日本も韓国も、東南アジアも貫くスケールではじまっている。米軍の腐敗と横暴、それに連なる日本政府の腐敗、そして民衆の不利益と被害を典型的に示す今回のヘリ事故始束である。二五日の定例デモでは、「普天間基地のヘリコプター事故糾弾!」を訴えて歩いた。立川駅近くで、通行人の声撮と唱和があった。