軍用地を生活と生産の場に!
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
http://www.jca.apc.org/HHK
東京都千代田区三崎町2-2-13-502
電話:090- 3910-4140
FAX:03-3386-2362
郵便振替:00150-8-120796

『一坪反戦通信』
毎月1回 28日発行 一部200円 定期購読料 年2,000円

 第158号(2004年7月28日発行)

米軍基地再編問題を考える

大洞俊之
 

  サンフランシスコにおける在日米軍の再編をめぐる外務・防衛当局による日米審議官級協議の中で米側は(1)在沖縄海兵隊の一部を「キャンプ富士」(静岡県)「キャンプ座間」(神奈川県)へ分散移転。(2)第13空軍司令部(グアム)を横田基地(東京)の第5空軍司令部へ統合する。(3)海軍厚木基地(神奈川県)を米軍の岩国基地(山口県)へ移転する案などを提示した。また、日本側も東京都府中市の航空自衛隊の航空総隊司令部と航空支援集団司令部を、横田基地に移設する案を示していたことが分かった。

 府中基地には過去、米軍の第5空軍司令部が置かれていた。米軍の関東再編計画の中で、多くの基地機能が統合されて自衛隊基地のみが残ったわけだが、もし上記の再編が再度実行されれば、横田基地の機能強化は確実で日本の米軍基地の重みはますます大きくなる。すでに、世界規模での在外米軍の再編計画が行われることは表明されていたが、そのアジアにおける計画の一部が明らかになったということだろう。

 世界各国に軍隊を配備する米軍だが、その最大の部隊はドイツ駐留の7万人だ。ヨーロッパ加盟各国がほとんどNATOに統合されようとしている中で、これだけの兵力は必要ないだろう。これは対冷戦向けシフトの名残だが、それを対テロ戦争向けシフトに切り替えて行くのがこの計画のねらいだろう。

 現在、辺野古では防衛施設庁のボーリング調査に対して「命を守る会」をはじめヘリ基地反対協議会や平和市民連絡会による座り込み阻止行動が行われている。工事が中断したまま、すでに3ヶ月が経過する。この辺野古新へリポート建設計画に与える影響も小さくない。全体としては、他の国の在外米軍基地より日本列島内の米軍基地を重視する流れのように思われる。基地によっては機能縮小するものもある一方、設備は刷新・強化し、自衛隊との連携もより強化していこうとしている。ならば老朽化し、市街地の真ん中で使いづらい普天間基地より新たな基地を建設する方向がより強まるのではないだろうか。

 東京三多摩の反戦運動にとっても大きな課題が突きつけられたと言える。私たちテント村にかけられた反戦ビラ弾圧は、高揚する全国のイラク派兵反対運動に冷水を浴びせ、抑制しようと言う一罰百戒の効果をねらったものだった。しかし、この不当な弾圧は全国の反戦運動を闘う人々の注目・支援を集めることにもなり、私たちの反弾圧運動はその暖かい支援と激励で大きな高揚を勝ち取ってきた。むしろ権力側のねらいは崩れ去りつつあると言える。三多摩にある府中基地・横田基地の二つが絡んだこの再編計画にも、こうしたイラク反戦・派兵反対運動と結びつきながら取り組みを開始していく必要がある。沖縄をはじめとする全国の、反基地運動を闘う仲間とともに様々な情報を交換しながら、基地強化反対の運動を盛り上げて行きたいと思う。

(立川自衛隊監視テント村・反戦ビラ弾圧被告)