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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第156号(2004年5月28日発行)

池原政文伊芸区長に聞く

 在沖米軍がキャンプハンセンに計画している都市型訓練施設の危険性、そして日本政府の区民をないがしろにした対応に対する伊芸区民の怒り等、静かに語ってくれました。

 「私ども伊芸地区は、人口約800人ぐらいの小さな集落です。この小さな集落の80%以上の土地が、敗戦後、米軍に強制的に取り上げられている状況です。その中で実弾演習が昼夜を問わず連日のように行われています。

 そこで事件事故が多発してきました。金武町において、その事故のほとんどは、演習による銃弾の落下の破片によります。山を焼かれ、3日〜4日間も燃えつづけた事さえあります。そのため水源涵養林に大きな被害が出て、生活用水の不足に困った事も多々あります。

 過去わたしたちは町民大会、区民大会で抗議文を採択し国に対して直訴の形で訴えを3回ほど行ってきました。近年では1989年の米軍による被弾事件に対する抗議があります。

 レンジ6からは近いところで2km、照準射撃訓練を行っているのですが、どういうわけか米軍は銃口を伊芸地区集落に向け、事故が多発し、少なくとも9箇所から銃弾の破片が見つかり大変な衝撃を受けています。しかしわれわれの取り組みで今は実弾演習は廃止と言うところまで追いこみました。

 今もっとも問題なのはレンジ4です。ここは集落に最も近いところで約300mです。ここに米軍は恩納村で住民の闘いで阻止された都市型訓練施設を造ろうとしているのです。一昨年、フィリピンのグアムに造ろうとしたのですが、あまりにも集落に近いと言うので造らなかったのです。その施設をこんなに集落に近いここに造ろうというのは県民無視もはなはだしいというものです。

 今、区民大会の最中で反対決議を採択してもらい闘いを強めようとしているところです。総決起大会の中でデモ行進もやったのですが、この地域ではデモ行進までやるのは初めてです。仕事を持っている人も多く、デモに参加しにくい状況でしたがそれでも300人以上の人が参加しました。今日からまた別の形で取り組んでいこうと思っています。

 われわれ住民は米軍のこれでもかこれでもかという暴挙に悩まされつづけている状況です。

 以前104号線における攻撃訓練に対して長い期間かけて反対運動をやってきて移転させたのですが、その経験を生かしていきたいと思います。今はそのため砲撃演習は少なくなっています。しかし迫撃砲攻撃とか別の銃機攻撃訓練は頻繁におきおなわれているのでこちらは静かになってはいません。むしろ余計に小銃訓練は多くなっています。

 この都市型訓練というのはご存知の通り建物を造り実弾で打ち合うので方向が定まらず、以前にもレンジ6から被弾事故があり、このような施設ができると住民はどう生活していったら良いのかおびえながら生活しなければなりません。事故があってからでは遅いのです。何とか建設を阻止する取り組みを考えていきたいと思っております。

 反対の輪を県民、全国の国民に広げていかないと阻止することは厳しいと思います。これはもちろん国の政治姿勢が弱くアメリカ追従型であるからです。国はこの小さな地域にはアメでもやっとけば良いだろうという考えで、ましてこの小さな地域が犠牲になれば安保条約は確保できるであろうと安易に考えているのか、われわれはこの国の一員でありながら、いったい何処に訴えれば良いのか悩んでいます。

 ここでの実弾演習は本当に大変です。地響き、壁のひび割れ、そして教育破壊、子供たちも勉学に集中できません。着工が近づいているので住民たちはピリピリしています。金武町では議会開催中ですがこれが終わると動きが出てくると思います。それに向けて取り組みをしようと思っています。日本政府は日米地位協定をたてにこちら説得する、理解を求めるといっています。沖縄担当大臣、外務省は理解を求める気などないんでしょう。

 この工事を入札したのは本土(長崎)の業者です。沖縄の業者はわかっています。いくら不況でも仕事がなくてもこの事業はやってはいけない事を。こんなに住民が苦しんでいるのにこの施設を作ろうとするのに同じ国民として情けなくなります。
国民が一丸となって米軍のそういう行為を絶対許さないという思いがあれば国を動かさずにはおかないのですが。本当に大企業の利益のためにやっているような感じを受け、これではおかしな国だなあと感じます。

 現在イラク問題がクローズアップされていますがそれと連動しているはずの沖縄基地の問題が結びつかないのが残念でなりません。ぜひ運動を盛り上げていきたいと思っています。」 
(編集 一坪通信編集部)