軍用地を生活と生産の場に!
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第156号(2004年5月28日発行)

名護市長は基地反対派?

—公開審理報告—

 私たちの共有地を強制使用するための第4回公開審理は5月18日午後1時半から「かでな文化センター」で開催された。前回からその傾向は出ていたが、代理人である弁護士諸氏の発言は後景に退き、一坪地主を含む反戦地主からの直接の釈明要求が施設局の代表に直接ぶっつけられたのが今回の審理の特徴であった。

 今回の施設局追求の立役者は長嶺律雄氏と本永春樹氏であった。実質審理の冒頭、長嶺氏は《いわゆる一坪共有地主に対しては、その所属する会の設立目的や活動内容等から、客観的に見て当該所有者との合意による使用はその実現性がないものと判新し、賃貸借契約についての話し合いはしていない》と施設局が述べている点をとらえて、「岸本建男という人は名護市長で、新しい基地を誘致している一坪地主であって、彼なら賃貸契約に応ずると思うがなぜ交渉をしないか」と切り込んだ。大澤和久那覇防衛施設局施設部長は「地主のリストに名護市長と同姓同名の人がいるのは承知しているが、その人が名護市長であるかどうかは承知していない」というとぼけた答えが返ってきた。

 本永氏の「普天間飛行場にどこから、どんな飛行機が飛んできているか、また、飛んで行っているか?」という質問に対して、大澤施設部長は「米軍機の管制、運用、管理は米軍が行っており、具体的な運用内容は承知していない」と答えた。「防衛施設局はそういうずさんな対応をしておりながら、《土地の提供が適正かつ合理的》とはよくも言えたものだ」という追求には答えなし。さらに、本永氏の普天間飛行場の騒音状況と事件、事故の件数の質問に対して、大澤部長は「承知していないわけではないが、この審理にはなじまない」と述べ、回答を拒否した。このため地主側は口々に「政府は普天間飛行場が危険だからこそ移設を計画している。その危険を隠すとはなんたることか」と追求したが、返事はなし。当山尚幸収容委会長は地主側の言葉の足りないところを補足し、分かりやすくして施設局側の回答をうながしたが、大澤施設部長は「なじまない」を連発するだけで、審理を実効あるものにする気は毛頭ないようだった。

 米軍用地特措法が改悪されて、収用委員会が「却下裁決」をしても那覇防衛施設局長の「不服審査申し立て」で暫定使用という政府側の抜け道ができ、収用委員会の力は地に落ちた。その一方、収用委員会の姿勢は80年代の小堀啓介会長の時代に比べて、地主側の主張を真摯に聞こうとする良心的な方向に動いた。世の中は皮肉にできていると嘆息がでる。しかし、「軍用地を生活と生産のために取り戻す一坪反戦地主会」と、今では防衛施設局が盛んに引用してくれるスローガン実現に向かって、鼻歌を歌いながらのんびりと歩んでいこうと思った。最後はわれわれが勝つこと間違いなし。
(上原成信)