防衛庁長官 石破 茂 殿
防衛施設庁長官 山中昭栄 殿
去る4月19日、那覇防衛施設局は名護市・辺野古の人々の中止を求める声を一切無視して、午前5時にボーリング調査と調査のための資材置き場設置を強行した。
私たちは抜き打ち的に行われたこの調査と設置強行に怒りを込めて抗議する。
辺野古の人々・名護市民・沖縄県民の基地建設反対の声を無視して工事を強行することは断じて許されない。ボーリング調査が強行されると藻場や珊瑚が破壊・死滅させられ、ジュゴンが生息できなくなるばかりでなく漁場も破壊される。事実、沖縄県が依頼した専門家のほとんどが「ボーリング調査は辺野古の海を破壊する」という意見である。ボーリング調査は環境アセスメントのための事前調査ではなく、事実上の工事着工である。
調査強行から27日が経過し、命を守る会のおじぃ、おばぁたちの心労は激しくなり、精神的にも肉体的にも限界に達し、体調を崩す人が増えてきている。これ以上人々を苦しめないためにも、ただちに作業強行を中止すべきである。
去る4月28日には環境アセスメント方法書の公告・縦覧が開始された。沖縄が日本から切り離された屈辱の4・28のこの日に、基地建設にむけての新たな手続きを始めたのは沖縄への差別でなくて何であろうか! この方法書には飛行機の機種名記載がなく、飛行ルート・運航時間に言及もなく、兵舎・燃料貯蔵施設・弾薬保管庫・航空機洗浄施設の記載もなく、作業ヤードの位置が不明——など説明責任をまったくはたしていない、いい加減なものである。
この間、米国側からも普天間基地の辺野古移設を見直す動きすら出てきている。県内移設が破綻しているのは、もはや明らかである。
私たちは貴殿が沖縄の人々の基地建設反対の声に耳を傾け、ただちにボーリング調査を中止し、辺野古への新基地建設を取りやめ、普天間基地の全面返還にむけて米国と強く交渉するよう要求する。
2004年5月15日
沖縄「復帰」32年、米軍用地強制使用を許さない防衛施設庁抗議行動参加者一同
主催団体:沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック