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『一坪反戦通信』
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 第155号(2004年4月28日発行)

ひんぷん

第三回 財団法人わびあいの里主催
「ゆずり合い 助け合い 学び会う会」に参加して

 二〇〇四年三月二〇日・二一日の二日間にわたり、伊江島において第三回「ゆずり合い助け合い 学び会う会」が行われました。今回のテーマは「次世代へ反戦の思いを引き継ぐ」ということでした。そこで、今回初めて行われた「僕たちが感じた伊江島(子どもの視点から)」というフィールドワークを中心とした、子どもたちの分科会に参加しました。

 実行委員長山内徳信氏の開会挨拶の後、子どもたちは早速自転車に乗ってフィールドワークに出かけました。一日目に訪れたのは、爆弾のあとが今でも残る「公益質屋跡」や百五十人もの人が防衛隊の持ち込んだ爆雷によって亡くなった「アハシャガマ」(伊江島にはこのようなガマがいくつもあるそうだ)、日本軍が陣地を作った「城山(グスクヤマ・伊江島タッチューのこと)などを回り、夕方の交流会へ向かいました。

 交流会では、フィールドワークに参加した伊江島の小学生たちによる演劇「戦世 ガジュマルに抱かれて」が演じられました。この劇は実際に伊江島で起こった話で、沖縄戦が終わった後二年間にわたりガジュマル木の樹上で隠れて生活をしていた佐次田さん(現在八五才)に子どもたちが出会い実現しました。PTAの皆さんや教師、地域の皆さんの協力を得て出来上がっていて、沖縄口(方言)や英語での台詞、戦争のすさまじさを実際の映像(一フィートフィルム)を織りまぜながら表現していて、会場の中には涙ぐむ人の姿もありました。(私もちょっぴり泣きました)

 二日目は、伊江島で戦死したアーニーパイル従軍記者の記念碑や、補助飛行場(みんなその広さに驚いた様子だった)、風光明媚な湧出(ワジー)を回りました。

 阿波根昌鴻さんの、木・花・石ころや貝殻の声を聞いたりする話や五本の指が助け合う話が印象に残った。みんな助け合ってご飯も食べられるというところに感動した。

 伊江島の小六のみなさんがすごくパワフル。劇も上手で心に残ってジーンと来た。

 自分の足でまわって見てきた【戦争】が、重く感じられた。伊江島の子たちが演じた演劇は心がこもっていて感動した。ぜひ那覇でもやってほしい。

 事前学習がままならなかったこともあって少し心配していたのですが、本島から参加した子どもたちも、それぞれに阿波根さんの思いや沖縄戦について得るところがあったようです。伊江島の子どもたちはというと、
 学芸会で初めて演劇の【戦世 ガジュマルにだかれて】をやったときに先生を泣かして、今日、先生は泣かないと思ったけどまたちょっぴり泣いて、成功して良かったと思った。

 ガマを案内したときは、みんなに分かってもらえるか心配だった。あまりうまく標準語ができないから……
 学芸会のときに島の人を泣かして、今日初めて島以外の人に劇を見せて、緊張して台詞がつっかえる人もいたけど、ちゃんとみんな戦争の所を分かってもらえて泣いている人もいたし、方言(方言でのユーモアの場面)も笑ってくれて良かった、自信がついた、とのことでした。最後までパワフルな伊江島の子どもたちに圧倒された二日間でした。                   (T)