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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第149号(2003年9月16日発行)合併号


【特集】 沖縄県収用委員会 第二回公開審理

事前集会

  照屋秀伝さん
 一日も早くあの嘉手納基地を取り戻さないといかん。これは極東で一番、アジアで一番、規模や密度の高い軍事基地だと言われています。戦後は五八年というけれど、この軍事基地のために、私たちは六十年あまり私たちの生命、生活、未来が脅かされてきました。六十年間この基地と共に辛吟してきたならば、ブッシュ大統領は平和を壊すんだなということがわかる。そして小泉総理はアメリカの忠犬ハチ公になって、アメリカが戦争をしかけるとしっぽを振ってついていく、こういう日本政府になりつつあるということがわかってくる。このことを知らないと、口だけでこれ以上戦争があってはいけないと批判するだけでは平和は一ミリもここにやってこないわけです。

 私たちは沖縄県民の怒りを込めて、六十年間の日本の軍隊、アメリカの軍隊によって沖縄県民が死の淵に追いやられ、そして世界の平和を脅かす拠点になっている沖縄、そしてそこにある私たちの土地、その土地がアメリカに奪われている、日本政府に奪われていると、こういう怒りをもって今日の第二回の公開審理を迎えたいと思います。本当だったらこの嘉手納基地に唾でも吐きたいくらいですよ。そういう気持ちで今日の公開審理を闘い抜きましょう。今日は東京からも伊江島からも来ています。みんなで一緒にがんばりましょう。


  平良修さん
 一坪反戦地主会共同代表の平良修です。私は日本はもはや法治国家ではないと思っています。憲法がなきがごとき状態になっていて、それに対する国民の反撃がないという状況。これを法治国家と言えますか!? 国会が憲法調査会などを設けていろいろと一年後の報告をめざして調査していますけれども、私はこれはひとつの形式に過ぎないものと思っています。実態は憲法はもうないと考えていいところまで、私たちは堕落してしまっている。理想を失ってしまっている。そういう国民になっているということを、強い思いで言わざるを得ません。あれほど平和を希求し、戦争の準備を拒否するという態度を示した私たちの国家は、私たちの政府は、私たちの生活は、私たちの平和運動は今どの辺のレベルにあるのでしょう。たくさんの戦争法が作られていく中で、必死になって、死に物狂いになってそれを止めようとする国会の動きもなかったじゃないですか。自分の身を捨ててでも、それに抵抗するという国民の反撃は、平和運動の反撃はなかったじゃないですか。作られたスケジュールに乗っかって集まって声をあげて、それらしいことはするけれども、本当に魂のこもっていない弱々しい抵抗にしか過ぎないのが、私たちの現実だと、悲しいながら私はそう思わざるを得ません。

 一九七二年に沖縄の施政権が日本に返還されたあとに、沖縄には自衛隊という名前の日本軍が少しずつ入ってきました。相当な反対に遭いましたから、どっと入ってくるということはマズイというので、五月雨のようにぽつりぽつりと自衛隊は沖縄に入ってきました。そのころ、今は沖縄の抵抗が大きいからこんな形でしか駐屯はできないけれども、必ず沖縄県民は自衛隊配備に慣れるようになる、自衛隊は必ず市民権を得るようになると言った人がいました。日本本土でも昔はそうだった。でも今は自衛隊は立派な市民権を得て、国民に歓迎されている。沖縄もきっとそうなると政府の幹部が言いましたよ。現実はそうなっていませんか。

 私たちは今年三月に第一回の公開審理を開きました。このとき会場はがら空きでしたよ。反戦地主は、一坪反戦地主はどこに行ったんですか。慣れてしまったのでしょうか。諦めてしまったのでしょうか。そういうことを通していって本当に抵抗できなくなって、私たちが戦争に追い込まれていく、引きずり込まれていくという悲しい状況を私たちは待つしかないのでしょうか。絶対それではいけない。今日の公開審理にしても、これはもう体制側のひとつの形式ですよ。私たちは公開審理を超えて、県の収用委員会という体制の組織を超えて、本当に死に物狂いになって出ていかなければいけない事態が迫っていることを感じます。ただの形式的な審理に終わらせてはならないのです。その覚悟を持って、せめて集まったのですから第二回の公開審理は突っ込んで行きましょう。


  阿波根昌秀弁護士
 この公開審理は「改正」された法律の枠の中でやるような非常に窮屈な審理となっているわけです。

 二〇〇一年に土地収用法も「改正」されました。これはどういう「改正」かといいますと内閣総理大臣のする使用認定と、収用委員会が行う裁決決議とは分けなさいという「改正」なんです。公共性があるかどうか米軍が使う必要があるかどうかについては、収用委員会の段階で政府に対して物を言いなさいと。収用委員会で言うことはそれを言ってはいけませんよというヘンチクリンな法律になっています。

 一九九七年には特措法が「改正」され、「暫定」という名前でいくらでも土地を使える、何年でも使えるようになりました。政府は「暫定」という言葉を使いますが、何年使えるかわかりません。何年でも使えるという政府のいう暫定使用権ができた中で、この公開審理についても総理大臣の認定の追及というのがなくなっています。総理大臣の認定の追求がなくなってくるような状況の中で、審理をせざるを得ない、そういう状況になっています。

 そのような状況であっても私たちは前回の公開審理闘争の中で、あの特措法が「改正」される中でも、却下決定を勝ち取ることができたわけです。地籍不明地についてですね。できる限りのことをがんばれば、私たちはこの公開審理の闘いをどのようにでも活用できるというふうに考えております。

 そういう立場に立って、今日は主に求釈明という形では普天間飛行場、那覇港湾施設についての求釈明を中心にして進行を進めたいと考えております。収用委員会のほうとしては嘉手納飛行場を除く、伊江島補助飛行場、キャンプ・ハンセンとキャンプ・シールズ、トリイステーション等については提案理由についての説明をするということになっております。今回の求釈明は主に普天間飛行場、この普天間飛行場問題を、矛盾点をこの審理の中で明らかにしていくことが必要だと考えています。
   (まとめはI)

第3回沖縄県収用委員会 公開審理 予定
     2004年3月18日(木)
        宜野湾市 コンベンションセンター