軍用地を生活と生産の場に!
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第149号(2003年9月16日発行)合併号

防衛施設庁要請行動

  
 普天間の公開審理も始まり、同時に名護で新米軍基地建設に向けた海底調査が行われるという状況を受けて、八月一三日、二五名が参加し防衛施設庁に要請行動を行いました。

 やりとりを詳細にお知らせしたいところですが、紙面の都合もありますので、主要な何点かを報告します。(テープ起こしがありますので欲しい方はご連絡ください。)

 まず、冒頭に上原代表が「SACOでは五年から七年で普天間基地を返還すると決まったが、その七年が経ったが未だに実現していない、そのことについてどう考えているか」と防衛施設庁の見解を問いただしました。

 このことに施設庁は、「事前の質問趣旨にない」「誰が(どの部署が)答えるべきかわからない」と一切答えることはありませんでした。日米首脳の合意事項を実行する国の直接の担当部署は防衛施設庁に他なりません。約束が実行されていないことについて、「返還が遅れて地元住民に申し訳ない」の一言も言えないのでしょうか。

 第二点は、強制使用の裁決申請にあたり、任意の交渉(土地の使用同意を求める)が一切無かったことについて議論となりました。

 施設庁の回答は「一坪反戦地主会は会則で『軍用地を生活と生産の場に』としている、従って任意交渉の意味がないので行わない」「これは法に抵触しない」というものでした。共有運動の開始から長年たった今日、地主が亡くなった際に当人の知る知らないにかかわらず法定相続人として裁決申請の対象にしているのは施設庁です。同様に一坪反戦地主会に所属しない地主も多く存在しているのが現実です。会に所属していれば交渉する必要はないという施設庁の方針も問題と思いますが、「当初の共有地の地主は大半が一坪反戦地主」と強弁し、会員以外の地主に対しても任意交渉なしで良しとするのは、明らかに収用法に違反しています。それだけでなく、憲法の保障する私有財産権を不当に侵害するものであると思います。

 第三点は、辺野古沖のボーリング調査が予定されていますが、潜水調査の結果を踏まえ本当にジュゴンの藻場や珊瑚礁を破壊することなく調査できるのか、また潜水調査の事前説明がなく名護市議会の抗議決議を受けたことについてどう考えるか質問がされました。

 施設庁は、潜水調査の結果について見解を一切明らかにせず「環境に影響のでないように専門家の意見も聞いて調査計画を立てる」の一点張り。しかしながら、その専門家については「名前や所属は公表しない」ということでした。また市議会の抗議決議については、「説明はした」と自らの説明不足を反省するどころか、居直りとも思える発言。会場からは抗議の声が続きました。

 最後に、関東ブロックとジュゴン保護基金の両者がそれぞれ用意した要請文を読み上げ、施設庁に手渡して終了しました。

 久しぶりの施設庁行動でしたが、あまりの消化不良に、今後の継続した取り組みの必要性を痛感させられた一日でした。
(I)