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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第148号(2003年7月28日発行)


報告 使用認定・裁決 取消し

一坪の裁判闘争

本永 春樹

 裁判闘争の現況を報告いたします。その前に私たちがどのような裁判を行なっているか、そして、これらはどのような裁判なのかおさらいしてみましょう。

 現在、私たちは、
@    平成七年(行ウ)第一〇号 
        使用認定取消し訴訟
            (嘉手納基地)
A    平成一四年(行ウ)第四号 
        使用裁決取消し訴訟
            (嘉手納基地)
B    平成一五年(行ウ)第四号 
        使用認定取消し訴訟
            (嘉手納基地)
の三つの裁判を闘っています。

 @Aの裁判は、今年九月で使用期限が切れる嘉手納基地の強制使用に関する行政処分の取消しを求める裁判です。使用認定とは、内閣総理大臣が「米軍用地の強制使用をしてもいいですよ」と認めることです。つまり、@の裁判は内閣総理大臣が行なった使用認定の取消しを求める裁判です。内閣総理大臣の使用認定が済むと、国(那覇防衛施設局)は、土地の使用裁決を行なうよう沖縄県収用委員会に申請します。収用委員会は使用裁決申請を受理したら、公開審理を開催し、私たちの土地を強制使用するか否かを審理します。そこで強制使用を認める(使用裁決する)と、私たちの土地は強制使用されます。つまり、Aの裁判は使用裁決を取消すよう国や収用委員会に求める裁判です。

 現在の強制使用の期限が今年九月で切れるため、国は新たな強制使用手続きを開始しています。既に内閣総理大臣の使用認定が行なわれていますが、Bの裁判はこの新たな使用認定の取消しを求める裁判です。なお、Bの裁判は現時点において具体的な公判の日程が決まっていません。

 これまで@Aの裁判は、証人尋問などさまざまな審理が行なわれてきました。昨年七月一六日の公判は、原告側証人(私たちの側の証人)として、会員の瑞慶覧長方さん(元県議)が証言しました。当時一三歳の瑞慶覧少年は、戦火を避けて家族と避難をする中で、日本軍による「壕追い出し」や「食糧強奪」を体験し、そして日本軍による「住民虐殺」の惨状を目撃しました。瑞慶覧さんは、「忘てぃん、忘ららん、いくさ世ぬちらさ、繰い返ちないみ、子孫のたみに」との琉歌を詠まれ、次の世代のためにも軍事基地を撤去していこうと強く訴えました。

 昨年一〇月二二日の公判では同じく原告側証人として、会員の石原正一さんが証言しました(石原さんは「登記簿殺人事件」・国側が石原さんと同姓同名の全くの別人である死亡者とを取り違えて強制使用手続を進めた・で国の不当な強制使用手続を糾弾した方です)。石原さんは、ご自身の戦争体験を踏まえて、「基地とか軍隊があるという事実は、かえって戦争を誘発する危険を醸し出している」と、基地・軍隊が根源的に有する危険性を喝破されました。

 七月八日の公判では、会員の長嶺律雄さんが、総括的な意見陳述(沖縄戦における民衆の被害、戦後の不当な米軍支配の歴史と土地強奪、国による差別的な基地政策、新たな基地建設の不当性等々)を行い、軍事基地の撤去を求めて今後とも闘いぬく決意を表明しました。

 今後の裁判の動向については、@Aの裁判が今年九月の強制使用の期限切れを向かえるため、「訴えの利益なし」のため訴えの取下げまたは却下となる公算が大です。今後はBの裁判に闘いを集中していくことになるでしょう(裁判の具体的な日程が決まり次第改めてお知らせいたします)。

 さて、今年は収用委員会審理(公開審理)闘争の年です。八月二一日(木)一三時から沖縄市民会館で第二回公開審理が開催されます。裁判闘争と同時に公開審理闘争も積極的に闘いぬき、軍事基地の撤去を勝ち取りましょう。 
(一坪反戦地主会・事務局長)