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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第147号(2003年6月28日発行)

韓国の反基地運動は?

関東ブロック主催連続学習会第8回


  関東ブロック主催の連続学習会第八回目はゲストに韓国の民主労働党・自主統一局長である李スンホンさんを迎えて、韓国での実情を報告してもらった。参加者は三六人。

 韓国では二人の女子中学生が米軍装甲車にひき殺されたことで反米・反基地闘争が大衆的に展開されている。ひき殺されて一周年の去る六月一三日、ソウルを中心に追悼集会が開かれた(ソウルでは参加者三五、〇〇〇人)。関東ブロックからも外間さんが同集会に参加(二〜三頁参照)、「若い人がいたるところで運動に参加している・若い国・だと思った。一三日から一五日まで涙、涙、涙の三日間でした」などと報告した。 

 この後、約一五分の「六・一三韓国」を中心にしたビデオを上映。ひき殺された二人の父親が米軍兵士は「なぜ無罪判決か?」と叫ぶ場面や、星条旗を引き摺り下ろし米国大使館の抗議の突入をする学生たち。

 このあと韓国民主労働党顧問の李寿甲(イ・スガプ)さんが連帯挨拶、「日米帝国主義は再び朝鮮半島に戦争を起こそうとしている。その重大な時期でのみなさんの戦争反対の闘いのことを、帰国したらすべての在野の団体に伝える」と発言した。

 ゲストの李スンホンさんはあらまし次のように語った。

  • 今、民主労働党の活動のほとんどは竜山(ヨンサン)基地撤収・女子中学生ひき殺し抗議など米軍問題へのとりくみだ。
  • 私たちの願いは南北統一。米軍が撤収されて初めて統一できる。
  • これまで韓国では「反共」が国是であり、北側からの南進を封じているのが米軍だとされていた。
  • 六・一五南北共同宣言前まで南北は敵だった。しかし共同宣言は北側を平和的統一の対象、同胞とした。反米・自主の精神が国民の心に根をおろしはじめ、反米運動が進展してきた。
  • 二〇〇一年には米軍基地の高圧線に触れて四肢切断された労働者の事故があった。支払われたのは僅か日本円にして六〇〇〇〇円だけで。翌年六月に死亡した。当時ちょうどW杯で報道もされなかったが、「これからは一人も犠牲者を出さない」と誓いあった。
  • その四日後、五四トンの米軍装甲車で女子中学生がひき殺された。六月二一日に抗議集会が開かれたがマスコミは報道もせず、参加者は三〇人だった。「生きて返せ! 米軍は出て行け!]と基地正門に体当たりしたが、米軍はこの三〇人に対し冷ややかだった。
  • だがこの三〇人の後ろに制服姿の女子高校生が三〇〇人集まっていた。インターネットでこのことを知って「妹たちを殺してはならない!」と声をあげたのだった。この高校生の涙はインターネットで全国に伝わり、怒りが広がった。
  • この女子高校生のとりくみで初めてこのことを国民は知った。もしこのことがなかったら闇に葬られていただろう。さらに青年・学生たちの献身的な闘いが続けられた。米大使館や基地に突入し、装甲車の前で「私たちを殺せ! 殺してみろ!」と叫んだ。
  • 一一月二一日に米軍兵士は無罪判決。ロウソクデモに集まろうという運動が起きた。一日目は三〇人。その後三〇〇人、三〇〇〇人、数万人と拡大してきた。
  • 梅香里(メヒャンニ)でも五二年間基地被害が続いていたが、一言も不満を言えないで来た。最初は学生が先頭に立ち、次に住民が先頭に立つようになった。学生たちは基地に突入、着弾地に命を懸けて立った。
  • 最大の「悪の枢軸」は米国。米軍は韓国・日本・アジアから撤収すべきだ。皆さんとともに闘っていきたい。
 この後、会場からの質問とゲストからの回答があり、意義ある今回の学習会は終わった。(Y)


抗議と要求


米国大統領  ジョージ・W・ブッシュ   様
駐日米国大使 ハワード・H・ベーカー・Jr. 様

 本年(2003年)5月25日、沖縄島北部の金武町でキャンプ・ハンセン所属の海兵隊上等兵がレイプ事件を起こした。事件は、女性の顔面を殴った上レイプするという極めて凶悪なものだ。

 沖縄でまたもや起きたこのレイプ事件に、私たちは心の底から沸き上がる怒りを抑えることができない。また、被害を受けた女性の心情を思うと、言い様のない悲しみを覚える。

 在沖米軍はこれまで、同種の事件が起きる度に陳謝し、綱紀粛正を約束した。しかし、綱紀粛正の約束は繰り返し破られ、それが口先だけのものであることがうんざりするほど実証されてきた。
 今回の犯罪の容疑者は6月18日、事件から25日後になって、やっと米側から沖縄県警に身柄を引き渡された。それは、1995年に日米合同委員会で合意された「好意的考慮」によるものとされているが、県警が逮捕状をとってから3日間もかかっており、米国政府と米軍の変わらぬ傲慢な態度を如実に反映している。

 繰り返される米軍人・軍属による犯罪は、沖縄に米軍基地が集中しているがゆえに発生するのであり、米軍による綱紀粛正や日米地位協定の「運用の改善」などでは、とうてい根絶し得ない。

 私たちは本日、韓国から迎えたゲストの報告によって、韓国で同じ問題が起き続けていることを改めて確認した。また昨年6月13日、韓国で二人の女子中学生が米軍装甲車にひき殺されたことに、憤激を新たにし、韓国からすべての米軍が撤退することを要求する韓国民衆の広範な運動との連帯を固く誓った。

 よって私たちは貴職に以下のことを強く要求する。

 一、米国大統領は、被害者と沖縄県民に誠実に謝罪せよ。
 一、海兵隊を含むすべての米軍を沖縄と韓国からただちに撤退させよ。

沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
第8回連続学習会 『韓国の反基地運動は?』(同ブロック主催)参加者一同 

2003年6月28日