最高裁要請行動
憲法への地主の熱い思いを訴え
最高裁にやってきた違憲訴訟上告人のうち四人と代理人二人が去る五月九日、特措法の違憲性を訴え、大法廷での口頭弁論を開くよう要請した。対応した最高裁側は第一小法廷の松戸書記官ら。最高裁への上告人八人の上申書を読み上げ、上告人各人が以下のように発言した(発言は要旨)。
●有銘上告人 国の論理は、憲法の上に安保を置くものであることを見せつけられている。安保は県民を守るとは一言も書いていない。憲法の定める主権はないに等しい。憲法が足蹴にされている。特措法は二回改悪された。安保を擁護した国内法でさえ、間に合わないことを裏づけるものだ。多数決でねじ曲げられたものを直すのが最高裁であることを、国民として当然のこととして主張したい。
●島袋上告人 防衛施設局にも訴えてきた。(国は)土地を「原始取得」したという。しかし私たちは金網の中に入れないところ、米軍が取り上げ、その後は日本政府が米軍のために取り上げた。これを「原始取得」というのか。いつ、アメリカ(日本政府)のものになったのか。沖縄には「使ってくれ」と言った人は誰もいない。銃剣とブルドーザーで奪ったものだ。復帰しても土地は返ってこなかった。法律のブルドーザーにより土地を奪った。(戦時国際法では)没収できないはずだ。
●知花上告人 最高裁は一般世間が納得できる裁判をしてほしい。行政機関に裁判所がくみしかれている。政府にくみしかれないよう、司法の独立を守ってほしい。違法行為に対しては賠償を認めるべきだ。法律の遡及は問題だ。正当な回復の費用も支払ってほしい。裁判官に直接訴える場を要望し、訴えが認められることを期待している。
●池原上告人 七人の土地は四月三日で期限切れとなり、また「改正」特措法による「暫定使用」が続いている。行政手続が整備されないまま、土地を奪い続けている。ぜひ、憲法判断をしてほしい。憲法は軍用地問題に生かされていない。私たちは、権利を奪われてはならないということで「権利と財産を守る軍用地主会」と名称をつけている。国民の主権と権利を守るための裁判をしてほしい。
●内藤代理人 沖縄県民は、憲法に対する思い入れがひときわ強い。それは米軍との地上戦を唯一体験しているからだ。憲法は一九四七年に施行されているが、沖縄は平和条約三条で施政権がアメリカに奪われたため、復帰で初めて憲法が適用された。憲法、とくに平和原則は県民に熱望されていた。最高裁は憲法を守るところとして、県民にとって畏敬の存在であり、願いを託している。
(文責は編集部)
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