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第140号(2002年10月28日発行)

連続学習会 第六回
日米共同戦争は、こうして起こされる

―周辺事態法と有事法制―   

松尾高志(まつお・たかし、大阪経済法科大学客員研究員)
 
 十月二十六日夜、東京の中野区立商工会館で沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック主催の第六回学習会が開かれた。講師は大阪経済法科大学アジア研究所客員研究員の松尾高志さん。演題は右記のとおり。ブッシュ政権によるイラク攻撃が間近に迫る緊迫した情勢のもと、参加した四〇名は、松尾さんの話をじっくり聞き、質疑応答も真剣で実り多いものになった。以下に、講演を収録する。
なぜ今、有事法制なのか?


 こんばんは、松尾です。まず前置きとして二つのことをお話します。一つはなぜ今、武力攻撃事態法、有事法制なのかということ。もう一つは、有事法制をどうとらえたらいいのかという問題です。それから、有事法制の中身・武力攻撃事態法案の内容についてお話し、最後に現在の情勢にからめて、沖縄について私が考えていることをお話したいと思います。

 最初は、二〇〇二年、なぜ今、有事法制なのかということです。この法案は、提案者が、なぜ今、有事法制なのかについて、まったく語らないのが特徴です。小泉さんにしても、えらく抽象的なことしか言わない。「備えあれば憂いなし」とか、ですね。武力攻撃事態法案では、基本理念で米軍と共同対処するとしています。しかし、政府の説明では、有事法制でなんで米軍と一緒にやることになるのかということは出てこないのです。 

 これは「備えあれば憂いなし」というような一般論から出てくることではない。一方、中谷(前)防衛庁長官が国会で言っているのは、「これまで有事法制を作ってこなかったのがいけないのであって、申し訳ない。遅くなったけれども今からやります」ということです。しかし、これも〈なぜ今、有事法制なのか〉の説明にはなっていない。そこに触れることは、政府にとってマイナスだからです。

 結論から言いますと、アメリカに対する公約だから、今、有事法制なんです。一九九七年に新しいガイドライン(日米防衛協力のための指針)ができました。古いガイドラインは一九七八年にできたのですが、これがバージョンアップされて、新ガイドラインになりました。古いガイドラインは、その「基本的な前提及び考え方」の部分で「いずれの政府にも、立法上、予算上又は行政上の措置をとることを義務づけるものではない」と書いてある。

 ですから作戦計画もそうですが、研究したというところで止まっていた。有事法制についても同様でして、防衛庁が研究を始めたのは一九七七年の八月です。旧ガイドラインが策定される一年前ですが、その時点で防衛庁は、これはあくまで研究なのであって、法案化を目的とするものではないと言っていたのです。それで研究を進めて、第一分類、これは防衛庁所管の法令に関するものですが、八一年にその報告が出る。第二分類は、防衛庁以外の他省庁所管の法令に関するもので、これが八四年に出る。最後の第三分類、これはいずれの省庁にも属していない事項に関するもので、八八年に防衛庁は研究を終えているのですが、これは報告がなされませんでした。ですから内容が分からなかったのですが、少なくともその時点で内閣官房には上がった。ですが、「立法化を義務づけるものではない」ということだったので、政治課題にならなかったのです。

 ところが九七年の新しいガイドラインになりますと、「基本的な前提及び考え方」の部分が変わります。「立法化を義務づけるものではない」というところは変わっていない。新しいのは「しかしながら(中略)、日米両国政府が、各々の判断に従い、このような努力の結果を各々の具体的な政策や措置に適切な形で反映することが期待される」となったことです。これは、アメリカから日本に対して要求が出たから「期待される」と書いてあるのかというと、そうではない。これは日米共同の文書ですから、日本の官僚も書いている。自分が、これこれのことを行なうことが「期待される」と自分で書くことは、「自分がやります」ということです。ですから新しいガイドラインで、日本政府が有事法制をやりますと約束したことになる。

 九七年の九月二十九日に「日米防衛協力のための指針の実効性の確保について」という閣議決定がなされます。実はガイドラインという文書それ自体は、条約ではなくて単なる政府間合意ですから、日米双方の政府に権利義務の関係が生じない。ですが、日本政府は閣議で、ガイドラインに実効性を持たせる、実行すると決めたんです。

 日本政府がどういう順番でそれをやったかと言いますと、ガイドラインは、二つのオペレーションプラン(作戦計画)を作ることになっています。一つは日本有事における共同作戦計画。もう一つは、周辺事態が起こった場合の相互協力計画。この二つがガイドラインの中心であるわけです。で、そのための法的な整備をどうするかということですが、日本政府は、周辺事態に対処する作戦計画を実行するための法律を、先に作ったわけです。

 九八年から九九年にかけて、みなさんも反対運動をなさったと思いますが、周辺事態法案を成立させる動きが出てきた。周辺事態への対処に関する三法案、周辺事態法案と自衛隊法「改正」案および日米物品役務相互提供協定(ACSA)「改正」案ですね。新ガイドラインには別表として「周辺事態における協力の対象となる機能及び分野並びに協力項目例」がついています。「周辺」でことが起こった場合、アメリカ軍が戦争を行なう。それに対して、日本政府、自衛隊が協力するのですが、その例が四十項目挙げられている。それを見ますと、自衛隊がやること、日本政府全体がやること、地方自治体がやること、民間がやること、それが全部混在しています。「後方地域支援」として、補給・輸送・整備・衛生・警備・通信・その他があり、それぞれに細目が掲げられています。これをやるために周辺事態法が作られたのです。

 周辺事態にかかわる法律としては、さらに二〇〇〇年十一月に船舶検査法が成立します。この船舶検査法は、もともと周辺事態法案に入っていたのですが、修正の問題が出てきて遅れたのです。それが成立したので、ちょうど二〇〇〇年の段階で周辺事態についての法整備が終わった。

 したがって、次の段階として、武力攻撃事態に対処する法律、つまり有事法制が必要だということで、現在法案が国会に上程されているわけです。有事法制が具体的に政府の作業になってスタートしたのは、二〇〇一年の一月です。森首相(当時)が施政方針演説で「有事法制の検討を開始してまいります」と言ったんです。ところが森内閣は死に体でありましたから、官僚レベルでは会議を設定していたのですが、手をつけないで、政局を見ていた。

 で、政変があって、小泉さんが首相になる。これは昨年四月のことですが、首相になった直後の五月に最初の所信表明演説で、小泉さんは森さんと同じことを言う。そこで内閣官房にプロジェクトチームを作って、法案化の作業が始まった。去年の夏頃の新聞に、今年予算が上がった段階で法案を提出するというニュースが出ました。

 ですから去年五月の段階からスケジュールどおりにことが進んで、今年の春、法案が出てきたわけです。去年の九月十一日にアメリカで「米中枢同時テロ」が起き、同年十二月にはいわゆる「不審船」事件が起きました。それらの事件が、日本政府にとって法案を成立させる追い風になったことは事実でしょう。しかし、テロや「不審船」問題が起きたから法案が出てきたのではない。もともとのスケジュールどおりに出てきたのです。新ガイドラインで対米公約をして、まず周辺事態法を成立させ、次に有事法制関連法案を出してきた。〈なぜ今なのか〉については、そういうことなのです。


 有事法制をどうとらえるか
 
 さて二つ目の問題は、有事法制というものをどうとらえたらいいのかということです。武力攻撃事態法案の正式なタイトルは「武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律案」です。「我が国」に対する武力攻撃があった場合に、これに対処することということになっています。
 ところが一九九〇年代に入ってからの自衛隊の実際のオペレーションを見ますと、その特徴は、国土防衛、本土防衛ではない任務、海外に出ていく任務についているわけです。そういうオペレーションが主流になった。湾岸戦争のあとの掃海艇のペルシャ湾への派遣、その後PKO法を作って、カンボジアをはじめゴラン高原、今は東ティモールにまで出ていく。海外へ海外へと出て行っているのです。で周辺事態法ですが、これは日本が攻撃されていない事態ですね。それでも米軍が「周辺」でオペレーションをやると、自衛隊がさっき説明しました項目例に従って、国民まで動員して戦争協力をする。これも表へ出て行く作戦でありまして、本土防衛の作戦ではないのです。

 資料の地図を見て下さい。これは、ペンタゴン(米国防総省)のホームページに掲載されているもので、世界に展開している米軍の地域割りとその責任部隊を示しています。日本はUSPACOM(ユーエスパコム)、United State Pacific Command、このエリアに入っています。韓国の米軍も在日米軍も、ここに入る。ハワイに司令部がある米太平洋軍の指揮下にあるわけです。周辺事態もPACOMが扱う事態です。ところがインド洋に線が引かれていて、ここにUSCENTCOM(ユーエスセントコム)、US Central Commandとあります。これは中東を担当する米中央軍で、米本土のフロリダ州に司令部があります。アフガン戦争を今、そこから指揮しています。湾岸戦争のときには、フロリダからサウジアラビアに司令部を移しましたが、今度のイラクの場合は、カタールに司令部を移すといわれています。しかし今現在はフロリダに司令部があって、そこで作戦を指揮しています。

 現在、海上自衛隊の艦隊がアラビア海まで入っているのですが、これは周辺事態法ではやれない地域です。ですからテロ対策特別措置法という新しい法律でやった。やっていることは兵站(へいたん)作戦ですが。このように九〇年代に入ってから、自衛隊は外へ外へと出て行く。

 自衛隊の本来任務は、自衛隊法の第三条に規定されています。これは、間接侵略・直接侵略に対処するということです。表へ表へ出て行くというのは、本来任務ではなくて、それは、自衛隊法では雑則という部分に入っている。ところが今は雑則で規定されていることが主流になっているのです。ですから、自衛隊のOB会である隊友会は、雑則をやめて、新しい章を起こして、自衛隊の本来任務にしろという要望書を防衛庁長官に出しているほどです。

 今度の有事法制は、こういう文脈でとらえれば、自衛隊が外へ外へ出て行くことに対して、国内の基盤を固めるということなのです。日米同盟推進派が言うのは、せっかく立派な二階屋を建てて二階を整備したのだから、早く一階を整備しないと家が持たないということです。二階が周辺事態法、一階が有事法制ですね。
 外務省の外郭団体で日本国際問題研究所というのがあります。そこが『国際問題』という雑誌を出しています。その二〇〇二年三月号で、今はそのポストからはずれていますが、竹内正太郎という総合外交政策局長が、有事法制について、こう言っています。  

 「安全保障面において、日本が十分に国際社会の中で役割を果たしていくためには、いろいろとやらなくてはいけないことがあるわけです。その一つの柱が有事法制です。」

 彼は、日本の防衛のために有事法制が必要だと言っているのではなくて、安全保障面で日本が国際協力をちゃんとできるようにする、そのために有事法制が必要だと言っているんです。

 それから有事法制関連三法案をまとめたあとに、福田内閣官房長官が談話を出しています。法案提出の理由をのべているのですが、最後の第五項目で「我が国に対する国際社会の信頼を一層向上させ、国際協調を進めていくための基礎となるものです」と言っています。対外的に、外国との関係で必要なんだと言っているのです。ですから法案のタイトルを見ますと、日本が攻められる場合の対応と思うかもしれませんが、そうではない。そういう中身になってはいますが、それは外へ出て行くこととの関係で今、作られたということが問題なのです。
 

 共同作戦計画と相互協力計画
 
 そのことを別の材料で申し上げます。先ほど新しいガイドラインのことを言いました。そこでいちばん大事なのは、日本有事の場合、「共同作戦計画」を立案することです。平成十四年版の『防衛白書』の一七九頁に「わが国に対する武力攻撃に際しての対処行動など」という図表が出ています。二段階になっていて、「一、わが国に対する武力攻撃が差し迫っている場合」と「二、わが国に対する武力攻撃がなされた場合」です。その場合に自衛隊がどうする、米軍がどうする、これが「共同作戦計画」の概念図です。これを概念図Aとしましょう。次に同じ『防衛白書』の一八〇頁に「わが国周辺地域における事態でわが国の平和と安全に重要な影響を与える場合の協力」という概念図があります。新ガイドラインは、日本有事だけではなくて、日本周辺でことが起きた場合に対処する。これも二段階になっていて、「一、周辺事態が予想される場合」と「二、周辺事態への対応」になっている。この作戦計画を「相互協力計画」と言っているわけです。この部分を概念図Bとしましょう。問題は、このAとBとの関係なのです。

 ここで新ガイドラインの本文を引用します。『防衛白書』には和文が載っています。しかしそれは仮の訳なんです。新ガイドラインの正文は英文であり、それは国会で政府が認めています。ですからすべての判断は英文に基づいてなされるのです。

 先ほどの日本有事の場合の「共同作戦計画」と、周辺事態の場合の「相互協力計画」との関係について書かれている部分の和文の仮訳は、非常にあいまいなのです。「一、計画についての検討並びに共通の基準及び実施要領等の確立のための共同作業」の部分ですが、そこに「日米両国政府は、共同作戦計画についての検討と相互協力計画についての検討との間の整合を図るよう留意する」とあります。「検討」は英語ではplanning(プランニング)で、立案するということです。そこでの問題は、この二つの名前の違う作戦計画について、双方の計画の整合性を図りなさいとなっていることです。しかし日本語で読んでみると、「整合を図るよう留意する」ですから、ちょっと関係をつけるといったニュアンスです。英語では「will be mindful」、willは強い意志の表明ですから、常に念頭に置くということです。それから「整合を図るよう」の部分は「must be consistent」です。mustは「ねばならない」ですから、整合性を持たせねばならないということなんです。非常に強く言っていて、二つの計画は別々のものではないですよと言っている。

 相互に矛盾してはならないと言うのですが、ではどういう軸芯で整合性を持たせるかというと、二つのケースについて考えろと書いてある。一つは「周辺事態が日本に対する武力攻撃に波及する可能性がある場合」です。先ほど二つの概念図をAとBとしましたが、Bの周辺事態が起きて、Aの武力攻撃事態につながる場合、その場合の整合性を図る。もう一つは「両者が同時に生起する場合」です。これはAとBが横並びに、同時に起きる場合、そのときも整合性を図る。共同作戦計画と相互協力計画との間に矛盾がないようにするということですね。

 ということは、新ガイドラインは「我が国に対する武力攻撃」が単独で起こることは考えていないということなんです。常に周辺事態との関係、日本周辺でアメリカが作戦を行なう、その戦争との関係で武力攻撃事態が起こる、そういうリンクがあるということなんです。ですから、ある日突然日本が攻められることは、政府は考えていない。この新ガイドラインは、いちばんの基幹文書でありますから、そういうことが言えるわけです。アメリカがアジア・太平洋でやる戦争、それとの関係で武力攻撃事態が起こる。

 これは日米間の合意文書だから、そういうことが書いてあるんだろうと思われるかもしれませんが、防衛庁のいちばんの戦略文書は、公表されているものでは、「防衛計画の大綱」です。古い大綱は、旧ガイドラインに対応し、新しい大綱は新ガイドラインに対応しています。古い方の大綱では「小規模、限定的な侵略事態に対しては、独力でこれに対処する」とあったのですが、新しい大綱になると、その部分は削除されて、すべての作戦が日米共同対処ということになった。それが防衛庁の戦略の基本です。

 今回の法案も、アメリカと共同対処することが基本になっているのです。ある日突然日本だけがどこかから攻められて、武力攻撃事態になるかのごとく政府は言いますが、現実にこの法案が出てきたプロセスを考えますと、そういうことではないことがわかります。
 

 共同対処計画と相互協力計画は、すでにできている!
 
 ここで武力攻撃事態法案の中身に入りたいと思います。二つのオペレーションプラン(共同対処計画と相互協力計画)が作られると言いましたが、実は去年の九月に、この二つのプランはもう出来上がっているのです。中谷防衛庁長官(当時)が国会答弁でそう言っています。去年の九月に、自衛隊の統合幕僚会議の事務局長と在日米軍の副司令官が二つの計画についてサインしたという。これは米国の議会で太平洋軍の司令官が言ったことをとらえて、ある国会議員が中谷長官に質問したら、そうだと答えたわけです。だから二つの作戦計画がすでに存在するという事態の下で、有事法制関連三法案が出てきているということになるわけです。
 武力攻撃事態法案の最大の特徴は、これまで日本には平和憲法があり、戦争するとは書かれていないわけですから、自衛隊法とか安全保障会議設置法の中に、どうやって戦争をやるかがバラバラに入っていたのです。しかし全体としては、国家のシステムとして、どういう手続きで戦争を始め、遂行し、終わらせるかという、そのシステムが立ち上がっていなかったわけです。今度の法案で、そのシステムを立ち上げることになったのです。

 お手元の資料に「武力攻撃事態への政府の対応」という解説図があります。これは本年三月二十日付『朝日新聞』から採ったものです。武力攻撃事態への対応のシステムは、安全保障会議設置法の「改正」案とワンセットで考えないと、こういう図にはなりません。有事法制関連三法案、すなわち武力攻撃事態法案、安全保障会議「改正」案、自衛隊法「改正」案をミックスして作ったのが、この図です。

 安全保障会議は従来からありました。今回の「改正」案では、同会議のメンバーを増やしたのです。首相、国家公安委員長、防衛庁長官、外務大臣、これはもともとのメンバーですが、財務大臣と国土交通大臣が新たに加わりました。それから総務大臣が入りました。それは総務大臣が「民間防衛」の主管官庁だからです。さらに産業経済大臣が入る。こういうふうにメンバーを増やしたのです。ところが「改正」案は他方で、それだけではなくて、いちばん肝心の判断は、首相、内閣官房長官、外務大臣、防衛庁長官、国家公安委員長、国土交通大臣という六人の閣僚で決めることができるというように絞り込みもやっているわけです。

 ここでいちばん肝心の判断というのは、武力攻撃事態の認定です。先の第一五四国会で政府は、武力攻撃事態について、武力攻撃が発生した場合、武力攻撃の恐れがある場合、事態が緊迫し武力攻撃が予測されるに至った事態の三段階に分けて説明しました。しかし対処措置をとるのは、もともと二段階なのです。これは自衛隊法で決まっているのですが、戦争になるときは、「防衛出動命令」というのが出ます。それを出す前の段階で「防衛出動待機命令」が出される。それは戦争にはなっていないけれども、臨戦体制を立ち上げるということです。政府は先の国会で三段階で説明しましたが、法律上は二段階なのです。ですから、いつ「防衛出動待機命令」を出すかと、いつ「防衛出動命令」を出すか、その判断が肝心のことで、それを先の六人の閣僚がやる。

 そこで問題になるのは、どういう材料(情報)でそれをやれるかということです。これは国内の情報だけではできない。戦争ですから、相手側がどういう動きをしているか、その情報が判断の基礎になる。ですから首相を除いた五人は、軍事情報、治安情報が入ってくる閣僚なんです。国土交通大臣には海上保安庁から情報が入る。国家公安委員長には警察組織から。防衛庁長官にはもちろん防衛庁から。外務大臣には在外公館から。内閣官房長官には情報収集担当の内閣情報調査室(内調)からですが、ここにはCIA(米中央情報局)の情報も入る。そこで首相を含む六人が判断する。

 ガイドラインでは、自衛隊と米軍は情報を共有することになっています。シェア(share)する、お互いに情報交換をして、同じ情報を持つことが決まっている。したがって防衛庁長官に入ってくるのは、自衛隊からの情報だけではなくて、日米共同情報が入ってくる。

 戦争ですから、防衛庁がいちばん情報を持っている。判断の材料は、防衛庁に傾かざるを得ない。なおかつ、その防衛庁の情報は日米共同情報です。しかし自衛隊が持っている情報と米軍が持っている情報とでは、ケタが違う。その差は一目瞭然です。自衛隊の情報は、日本列島中心の情報しかありませんが、米軍は、在日米軍だけではなく、それを指揮する太平洋軍ですから、それが管轄する広大な地域の情報が全部入る。六人の閣僚が行なう判断は、大きく米軍の情報に引きずられる恐れがある。

 武力攻撃事態の認定の問題、「防衛出動待機命令」と「防衛出動命令」を出すことについてのいちばん肝心のところで、そういう大きな問題があるということです。
 

 武力攻撃事態への対処システム
 
 さて武力攻撃事態に対処するシステムの問題ですが、まず首相が安全保障会議に諮問し、同会議が事態の認定をして「対処基本方針」を答申する。それを首相が閣議にかけて閣議決定をする。そうすると「対策本部」が立ち上がる。この「対策本部の設置」が今回新しいところです。防災対策と同じ枠組みを考えたようです。「対策本部」で戦争にかかわることすべてを実施するということになるわけです。

 対策本部長は首相ですが、部員はすべて閣僚がなる。その部員の下に職員が任命されますが、その任命は本部長が行なう。職員を関係省庁から出させるわけですが、それは局長クラスと言われています。この武力攻撃事態法の規定によりますと、この「対策本部」の職員になる官僚には、出身官庁の長が持っている権限の一部または全部を委任するということになっています。ですから非常に強い権限を持つことが保証され、閣僚の権限の一部または全部を実施するということになるのです。

 先ほどの『朝日』の記事の解説図には、安全保障会議を「専門スタッフによる補佐組織」が補佐するとあります。今度の安全保障会議設置法の「改正」では、「対処専門委員会」というのを設置します。このメンバーが、やはり関係省庁の局長クラスです。国会答弁では、自衛隊については統合幕僚会議議長がなるとされています。ですから「対処基本方針」を決めるとき補佐する人々が、方針が決まったあとは、パッとそれを実行する役割を担うということになるわけです。そういう仕組みを今回立ち上げようとしている。
 

 「関係省庁局長等会議」の役割
 
 それだけではありません。九七年九月二十九日に「日米防衛協力のための指針の実効性の確保について」という方針が閣議決定されたことは、先にお話したとおりですが、それに基づいて「日米ガイドラインの実効性確保のための関係省庁局長等会議」というものが官房長官決裁で設置されました。議長は、事務方の内閣官房副長官で、以下、外務省、防衛庁、警察庁、総務省、法務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省などの局長クラスがずらっと並んでいます。そしてその局長クラスの下に課長クラスの会議も設置されました。
 

 包括的メカニズムと調整メカニズム
 
 その局長クラスの会議の役割ですが、それは日米の2プラス2の協議(日米安保協議委員会)でオーソライズされた合意文書「包括的なメカニズムの構成」に出てきます。それは九八年一月二十日の第六回SDCで決まりました。周辺事態法が成立する前に、このメカニズムを立ち上げたわけです。

 「包括的なメカニズム」が何をするのかということですが、そこにBPC、バイラテラル・プランニング・コミッティ(bilateral planning committee)、「共同計画検討委員会」というのがあります。作戦計画を立てる委員会です。日本側は自衛隊、米側は在日米軍と太平洋軍です。ミリタリーレベルの協議体です。最初に申し上げたように、周辺事態における米軍の作戦計画は太平洋軍の範囲に属します。米軍のアフガン攻撃については、CENTCOM(中央軍)の任務で、太平洋軍にとってはらち外ですから、テロ対策特別措置法を作らざるを得なかったと申しました。「包括的なメカニズムの構成」のBPC(共同計画検討委員会)の部分には、その仕事として「共同作戦計画についての検討及び相互協力計画についての検討の実施」とありますが、「共同作戦計画」は武力攻撃事態への対処、「相互協力計画」は周辺事態への対処ですね。こういう作戦計画を軍部が作るわけです。この両計画について日米の軍部がサインしたこともお話しました。

 こうやって軍部が何をするのかが分かれば、今度は各省庁、自治体などが何をしなければならないかが、そこから出てきます。それを調整するのが、先ほどの「関係省庁局長等会議」ということになるわけです。こうして関係省庁が「包括的なメカニズム」に組み込まれた。ここで「調整」というのは、軍部の作戦計画に対応して、軍と民(国民)、軍と政府との間の調整で、それぞれが何をしなければならないかを決めることです。戦争を円滑に遂行するために、こういう機構を作るのです。「関係省庁局長等会議」はふだんから、こういう仕事をする。そして同じメンバーが、武力攻撃事態においては、「事態対処専門委員会」の構成員、「対策本部」の職員として動くことになる。

 「包括的なメカニズム」は平時に設置され、武力攻撃事態においては、事態を認定し「対処基本方針」を出します。一方、戦時においては「調整メカニズム」というものが立ち上がって機能する。緊急事態下における日米の調整の場として「調整メカニズム」が設けられる。すでにお話したように、対処は二段階です。周辺事態でも武力攻撃事態でも、ことが起きた場合と、その前です。この「その前」の段階から「調整メカニズム」が立ち上がる。これは二〇〇〇年九月二十日の第七回SDCで協議され、翌日、日米安全保障協議委員会で承認されました。

 ところで武力攻撃事態への対処として日米共同作戦をやる場合、自衛隊と米軍の指揮は別々で独立していると政府は言います。軍事的には一人の司令官の下でやるのが合理的なんですが、日本政府の場合は、憲法との関係もありまして、別々としているのです。NATO(北大西洋条約機構)にしても在韓米軍にしても、みな一元指揮、米軍の司令官の下で動くことになっているのですが、日米共同作戦については、そうしないことになっている。

 しかし指揮権が別々で一緒に作戦をやる場合には、調整しなくてはならない。それでこのように「日米共同調整所」を作っているわけです。これは純粋に軍事レベルの調整です。そしてもう一つの調整があります。軍の作戦に伴って、各省庁が何をするかという問題です。それが局長級が構成する「日米政策委員会」です。地位協定に関する問題については、日米合同委員会でやりますが、その権限に属さないすべての案件をこの「政策委員会」で処理するのです。   

 したがってこの局長クラスは、平時から自分たちが何をしなければならないかがよく分かっていて、武力攻撃事態について判断し、いざ戦争になれば権限を実際に執行する。全部同じメンバーがやるのです。つまり軍が戦争するのですが、戦争だから勝たなくてはならない、最善の準備がなされねばならない。それをうまく伝えるのが「事態対処専門委員会」で、いわば伝導ベルトの役割を果たす。

 こういうシステムを、今回の武力攻撃事態法案で規定しているのです。戦争をするシステムを立ち上げることが、法案の眼目で、そこがいちばん大きな問題です。
 

 有事法制の構造
 
 内閣が作成して配布した「武力攻撃事態への対処に関する法制の全体像について」という文書があります。武力攻撃事態(対処)法案、安全保障会議設置法「改正」案、自衛隊法「改正」案について、それぞれ概略を示し、「今後の事態対処法制の整備」の項目を列挙しています。

 武力攻撃事態法案については、その中の第一章(総則)と第二章(武力攻撃事態への対処のための手続き等)が、いわば基本法の役割を果たしています。それでこの「手続き」のところで、安全保障会議設置法「改正」案と自衛隊法「改正」案とが関係してきます。

 第三章と第四章は、これから整備すべき法制にかかわる部分で、いわばプログラム法的部分です。第三章(武力攻撃事態への対処に関する法制の整備)は、武力攻撃事態法案が成立したら、二年以内に作る法律の目次です。第四章(上記以外の緊急事態対処のための措置)については、条文が一条しかなくて、いつまでに作るとは書いていない。なぜかと言いますと、これは「小泉条項」と言われていまして、小泉首相は、武力攻撃事態法で、テロでも「不審」船でも対処しろと言ったわけです。しかし防衛官僚などが考えていることは、第三章の範囲内のことですから、そこに入らないものは第四章としてくっつけたのです。この「全体像について」という文書は、「今後の事態対処法制の整備」という部分で第三章の内容を列記しています。

 これも内閣が作成した文書ですが、「今後整備すべき事態対処法制のイメージ」という図があります。これは現在国会に出ている三法案が可決・成立したあと、出してくるものです。そこにある「国民保護のための法制(国民保護法制)」については、自治体の側に不安があるということで、今臨時国会で概要・要綱を示すと政府は言っています。

 それ以外に自衛隊と米軍の行動を「円滑かつ効果的なものとするための措置」があり、そこで「捕虜の取扱い」などについて「国際人道法の的確な実施を確保」するものが上がっています。国際人道法は第二次大戦後、一九四九年にジュネーブ四条約ができます。陸上および海上での負傷者の扱い方、捕虜の扱い方、民間人(シビリアン)についての規定が含まれます。

 この四九年当時、日本は占領下ですから四条約には関係なかったのですが、日本が独立を回復するとき、一年以内に批准することを宣言し、五三年に批准しました。日本は条約に加盟したわけです。そのとき、たとえば捕虜の取扱いについて国内法をつくるという話があったのですが、その当時は、日本が戦争なんかやるのかという風潮ですから、そんな法律をつくるのは考えられなかった。ところが今度は、戦争をする法律をつくることになったのですから、武力事態対処法制の一環として、それが出てくるのです。

 ところでジュネーブ四条約だけでは不充分だということがその後出てきました。というのは、朝鮮戦争でもベトナム戦争でもそうですが、戦争で死ぬ軍人と民間人の比率が逆転するのです。ベトナム戦争での死者は八割から九割が民間人、軍人の死者は一割から二割となった。このように、シビリアンをどう守るかという問題が出てきたので、七七年に二つの議定書が追加されました。日本はこれに未加盟でありましたが、政府は今回、追加議定書に加盟すると言っています。次の国会あたりに批准の問題が出てくることになろうかと思います。今お話したことが、今度作ろうとしている法律の全体像であります。


 新ガイドラインに「NO!」を突きつけた沖縄の人びとの闘い
 
 沖縄についてですが、新しいガイドラインは九七年に策定されたのですが、そうなるには二つの引き金がありました。一つは冷戦が終わって、国際的な軍事環境が大きく変わったということです。旧ガイドラインは、米ソの対立の下での戦争事態を想定していましたので、時代に合わなくなったということです。

 そこで細川首相(当時)が、冷戦終結後の日本の防衛政策はいかにあるべきかという問題について諮問機関を作って答申を求めた。答申が出たのは村山政権になってからですが、それを見て、アメリカ政府はびっくりしました。というのは、答申は多国間の安保をトップにもってきて、二番目に日米安保を置き、三番目に自衛隊の強化と、こういう順番になっていた。米国政府はこれに対し、日米安保をなんと心得ておるのかと日本政府に迫ったわけです。多国間安保の次に日米安保を位置づけるとは何事かと。そこで巻き返しを図る。九四年に、ジョセフ・ナイが中心になって「日米安保の再定義」の日米間協議が始まる。その結果、新ガイドラインが策定されることになったのです。

 もう一つは、九三年から九四年にかけての出来事です。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する「核疑惑」問題が持ち上がりました。米朝間の軍事的緊張が高まったのです。そのとき米国政府から「ことが起きたらどうするんだ」と日本政府は言われた。そのときの事務方のトップは石原信雄という官房副長官で、事務方の責任者として対策を練っていましたが、いざとなったら時限立法でいくしかないとの判断になったといいます。結局、戦争にはならず、いわゆる「米朝枠組み合意」で決着したのですが、日本はいざというとき対応できないということが教訓として残った。これが第二の引き金になって、旧ガイドラインを見直すことになったのです。 

 沖縄のことを申し上げるのに、なぜこういう話をするのかと言いますと、再定義について最初の口火を切ったのは、九四年に出された東アジアの軍事戦略に関するナイ報告(レポート)です。アジアには十万の米軍を残すということです。このペーパーをベースにして「安保の再定義」がなされて新ガイドラインができるのですが、このナイ報告を読んだ大田昌秀沖縄県知事(当時)は、これは沖縄にとって大変なことになると気づいたのです。

 九五年の秋(九月四日)に三米兵による少女暴行事件があり、県民の怒りが爆発し、大田さんは、駐留軍用地特別措置法による土地使用についての手続きの拒否を表明することになりました。それでSACO(沖縄に関する特別行動委員会)の合意がなされる。ここで大事なことは、沖縄の問題を抜きにしては、「安保の再定義」は一歩も進まないという関係が日米間にできたということです。ですから、最初に引き金を引いた大田さんもそうですが、沖縄の闘いは、新ガイドライン路線に「NO!」を突きつけるものだったのです。沖縄の人たちは、そうとらえていないのかもしれないのですが、私の見るところでは、沖縄の闘いは「ナイ報告NO!」、「新ガイドライン路線NO!」の闘いであるのです。そういう位置づけが必要ではないかと思います。


 テロには抑止力が利かないから……
   
 もう一つお話します。昨年九月十一日の「米中枢同時テロ」の発生以来、米国の軍事戦略が大きく変わってきました。もともとブッシュ政権になってから、ブッシュ大統領とかラムズフェルド国防長官が先頭になって、軍事戦略の包括的・抜本的な見直しを始めていたのですが、あのテロが起こって、その動きが加速しました。まるで様子が変わり、まったく新しい軍事戦略を採用するようになった。私の見るところでは、トルーマン以来の戦略転換、戦略の変更です。クリントン政権との違いどころのことではない。ブッシュ大統領は「冷戦思考からの完全脱却」と言っているわけです。冷戦時代の米国政府の考え方は、抑止力理論に基づいていました。米ソ間で大陸間弾道弾を撃ち合って、お互いに相手を叩くことができる、やればやり返される、だからお互いにやらないということで、一種の均衡が成り立つ、こういうことです。だから大陸間弾道弾を撃ち落とすミサイルの開発は止めましょうという合意が成立した。これがABM条約です。お互いに守る手段を持たないということでバランスをとった。

 ところがテロというものに対しては、こういう抑止力が効かない。やられたらやるぞと言ったって、向こうはやるのです。だから抑止しようがない。

 もう一つは、大量破壊兵器の問題です。ロシアや中国が大陸間弾道弾を持っているだけではなくて、米国政府が「ならず者国家」と呼ぶ国々が、弾道ミサイルを撃つようになる。それに対しては、弾道ミサイルを撃ち落とすミサイル防衛をやると言うのです。ですからABM条約(弾道ミサイル迎撃システム制限条約)という米ロ(ソ)間合意を破棄し、核戦略が大きく変わる。

 そして対テロ戦争をやる。ブッシュ大統領は、政権を維持するために、対テロ戦争を次から次にやる、それによってアメリカの一極支配を続ける、そう考えているようです。今はイラク攻撃を考えていますが、その次は、イランか北朝鮮か、ということです。その部分は見えにくくなっていますが、北朝鮮に対しても平和外交だけでいくのか。ですから日朝間の国交正常化交渉再開の合意についても、米国政府の本音の反応がはっきりわからない。

 これは、ブッシュ大統領を取り巻く「新しい保守」(ネオ・コンサーバティブ)の考え方です。アメリカによるグローバリゼーションを維持するために、「テロ国家」を常に叩きつぶす、そういう戦略にスィッチを切り替えています。そういう新しい状況が生まれています。

 有事法制に関してですが、中谷防衛庁長官(当時)がラムズフェルド国防長官と会談したとき、中谷長官は、イラクとアルカイダとの関係が立証され、なおかつ国連のお墨付きがつくなら、テロ対策特別措置法の延長で対処できるという趣旨のことを伝えた。しかしその条件が欠ければ、新規立法措置をとる必要が出てきます。その場合にも国内の基盤固めとしての有事法制が必要だと言う。さらに現在および将来の局面で、北朝鮮とどうするかという場合にも有事法制は不可欠だから、これは急がねばならない、これが現在の段階だと思います。

 
 キナ臭さを増す東南アジア
 
 ブッシュ政権になってからの戦略変更については、もう一つ、地域戦略の問題があります。中東から日本海への半円弧、ここに脆弱さがあるので重視せねばならないということです。円弧の真ん中には中国があるのですが、今やこの円弧のところでテロが勃発し始めている。ということで、東南アジアの情勢が非常にキナ臭くなってきた。東南アジアは先に申し上げたように、米太平洋軍の管轄下にある。ですから、これは当然、周辺事態法で扱う作戦区域です。朝鮮半島シナリオはすでに申し上げたように、もうできましたが、それだけで十分ということではない。朝鮮半島をにらんだ作戦計画を作ることは、日本にとって一番きつい問題です。ですからほかのケースについては、そのシナリオの応用問題としてやれるというのが日米軍部の考えです。

 去年サインされた日米共同作戦計画は朝鮮半島シナリオですが、なおその作業は続いています。日本政府は共同作戦計画は一つではないと言っていますが、おそらく東南アジアを視野に入れたシナリオ、米太平洋軍の下にある作戦計画もありうべしと思います。その場合も、自衛隊の役割は正面での戦闘作戦を展開するのではなく、米軍のバックアップ、兵站支援、後方支援をやるということです。当面の対テロ戦争東南アジア版では、当事国に対処させ、米軍はそれに対して訓練協力、作戦指揮協力でバックアップする。米軍は前面に出ない形で支援する。日本は軍資金を提供するという分担で進むと思います。そういう意味で深刻な情勢になってきている。 

 有事法制を成立させるか阻止できるかは、大変重要な意味を持っています。法案の成立をみんなで阻止しなければ、と強く思います。

      (テープおこし=Iほか)