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第133号(2002年2月28日発行)

巻頭言

 アメリカと日本と

 アメリカの大統領が東京に来て、日本の首相とやぶさめを見たり居酒屋で串焼きを食べたりしたという。それぞれの国に膨大な官僚機構があり、議会があって、二人だけで勝手に何かが決められるわけでもないと思われるのに、なぜこういうことをするのだろう。

 広告宣伝の時代だから、いわゆる権力者たちも役者並のパフォーマンスを強制されるのだろうか? 権力者たちに心にもない台詞でお互い同士おべっかを使いあうという芝居の裏にはどんな力が働いているのだろう。世論というのをごまかすためにそんなパフォーマンスを必要とするのか?

 この国の世論というのは私には理解しがたい。半世紀も外国軍隊を居座らせて、何とも思わないようだし。原爆の核実験を強行したり、炭酸ガス排出規制の取り決めから勝手に脱退したりするアメリカに対して、一言の抗議もできない首相が高い支持率を誇ったり。解せないことばかりである。

 少数ではあるが、ブッシュの来日に反対する人たちがいて、来日の当日渋谷で抗議デモをした。デモを見ていた大勢の人たちが、この国とアメリカとの不平等、アメリカの問答無用の他国攻撃に気づいて、政治家に影響を及ぼすときが来るであろうか?

 宣伝の時代に目先に囚われないで、先を見通す知恵が庶民に問われている。 
 
  (U)