軍用地を生活と生産の場に!
 
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』 毎月1回 28日発行 一部200円 定期購読料 年2,000円

第133号(2002年2月28日発行)

後藤聡の
沖縄・新刊案内

◆『沖縄・子育て・子連れ・情報 「うぃず!」』うぃず!編集部編 ボーダーインク社 二〇〇一年一〇月一日 一五〇〇円 ISBN4-89982019-4
 女性が、子育て・子連れで相談したいこと、悩んだら、困ったら役に立つ情報が満載。ちなみに、沖縄では、男が行き倒れると行くところがない。 

◆『シマーコラム』「ワンダー」三一号 ボーダーインク社(098-835-2777) 二〇〇一年一〇月一日 四一〇円
 年に一回か二回出る雑誌。みんな好き勝手に書いてる仲間内の雑誌の感。すっきり「休刊」にするか、「特集」にこだわるか、どっちかだろう。

◆『沖縄チャンプルー事典』 嘉手川学編 山と渓谷社 二〇〇一年一〇月五日 一六〇〇円 ISBN4635-45003-1
 またも、ありがちな沖縄情報本。執筆者も親子やら知り合い多数だが、みなさん本職優先で仕事してください。ちなみに、こんな本は、後から出すほど有利なわけだから現時点ではおもしろい。

◆『シリーズ 沖縄の戦争遺跡 「ガラビ・ヌヌマチ」』 沖縄平和ネットワーク(098-886-1215)二〇〇一年一〇月八日 七〇〇円
 「ガラビ・ヌヌマチ」は具志頭村にあるガマで、白梅隊(県立第二高女)がいた。出入りに時間がかかり、修学旅行向きのガマではない。シリーズというのだから、今後もでるというのだろうが、どういう予定なのかはわからない。平和ネットワークらしい。ちなみに、後藤も会員の末席を汚している。

◆『今日も あまはい くまはいー衛生監視員の苦情処理簿からー』平川宗隆著 ボーダーインク社 二〇〇一年一〇月一〇日 一五〇〇円 ISBN4-89982-018-6
 平川氏は、沖縄県職員で保健所勤務などを経て、現在県動物愛護センター所長。保健所勤務で特に沖縄的「(食品)衛生」などから見えてくる沖縄状況のエッセイ。「あまはい くまはい」は「右往左往」の意。前著『沖縄トイレ世替わり』。

◆『公正・平等な共生社会を 沖縄同時代史第9巻 1999〜2000 ー迫られる沖縄の選択ー』新崎盛暉著 凱風社 二〇〇一年一〇月二〇日 二二〇〇円 ISBN4-7736-2602-X C0331
 凱風社の案内=行動する沖縄戦後史研究者の発言集「沖縄同時代史シリーズ」の第9巻。日本はアメリカの世界戦略(NATOによるユーゴ空爆、WTO閣僚会議の決裂など)の補完的役割をますます強め、「戦争ができる普通の国家」を完成させた。サミットが行われたにもかかわらず、沖縄は依然として基地の県内移設や軍港建設問題、米兵の暴行事件に揺れ、物乞い政治に邁進する。そんな中で、真の平和創造・基地撤去をどう進めるべきか。著者は様々な角度から提言する。

◆『わったー市長を選ぼう会 記録報告集 −二〇〇一年二月〜一〇月』二〇〇一年一〇月二四日 一〇〇〇円 問合せ先=同会0980-54-8511
 残念ながら、名護市の市長候補を市民によって選ぶ試みは頓挫してしまった。名護市で市民運動になりきれなかったからだと思われるが、政党や組合主導の候補者選びを超えられなかったことも。市長選は来年2月、まだ候補者は決まらない。

◆『美(ちゅ)ら島 清(ちゅ)ら心(ぐくる)』平良とみ著 アミューズブックス 二〇〇一年一〇月二五日 一六〇〇円 ISBN4-906613-87-X
 NHKの「ちゅらさん」や映画「ナビーの恋」で大人気の平良とみさんの写真や聞き書きがいっぱい。黒幕は元県立博物館館長で作家のO氏。ま、便乗商法だが、沖縄戦や沖縄芝居のことまでいろいろ語っている。

◆『泊物語(とぅまいものがたり) -昭和の民草-』良子・佐久本・クランデル著 新報出版 二〇〇一年一〇月二五日(一刷) 二〇〇二年一月一一日(二刷)一五〇〇円 ISBN4-916224-05-1
 佐久本氏は一九三一年三月三日那覇の泊で生まれ、現在アメリカ在住。七〇歳を越えられた方々は戦前、戦中、戦後の沖縄をすべて経験されている。後藤は以前も書いたが、このような個人史を、様々な制約はあるものの、大切に扱うべきだと思っている。沖縄の民衆史はこれらによって形成されると思っているからだ。二ケ月半で二刷出るだけの、内容、表現力を有している。氏の表現に気になるところはあるが、それも、彼女の「現在」なのだろう。

◆『アメリカを動かした日系女性 -第二次世界大戦中の強制収容と日系人のたたかい-』メアリー・ツカモト、エリザベス・ピンカートン著 琉球新報社 二〇〇一年一〇月三一日 二八〇〇円 ISBN4-89742-044-X
 メアリー・ツカモト氏のご両親は沖縄出身。原著は一九八七年刊、一九九二年「エリソン・オニツカ賞」受賞。一九九八年死去、八二歳。もっと早く出版されていればと思う。

◆『道なかば』上原康助著 琉球新報社 二〇〇一年一一月一六日 一九〇五円 ISBN4-89742-043-1
 かつての全軍労委員長、国土庁、沖縄開発庁長官。民主党……。前回の衆議院選で東門美津子氏に敗北。「道なかば」っていうんだから、まだ、やるきなんだな。

◆『国士たるを期す チョウケイ少年 黒潮を渡る』吉田朝啓著 黒潮社(098-882-6801) 二〇〇一年一一月一七日 一五二四円 ISBN4-901684-01-9C0095
 著者は名古屋大医学部卒で、琉球政府派遣ボリビヤ駐在医師、県公害衛生研究所、コザ保健所、中央保健所所長、現在沖縄大学教授。要するにご自分の人生を語られているのだがおもしろい。あと二冊書いて完結するという。

◆『爆笑 沖縄凸凹夫婦』仲村清治著 夏目書房 二〇〇一年一一月二〇日 一六〇〇円 ISBN4-931391-89-3
 例によって、著者夫婦のみた沖縄紹介。書くエネルギーに脱帽。

◆『琉球弧からの飛翔 -沖縄戦・疎開・米留・沖縄学-』山口栄鉄著 榕樹書林 二〇〇一年一一月二〇日 一八〇〇円 ISBN4-947667-77-X
 山口氏は一九三八年那覇生まれ、エール大学東アジア言語文学教授を経て、現在沖縄県立看護大学教授。榕樹(がじゅまる)書林は、宜野湾の古本屋。これも自費出版の個人史。読ませる。

◆『沖縄にとろける』下川裕治著 双葉社 二〇〇一年一一月三〇日 一二〇〇円 ISBN4-575-29308-3  「アジアを旅して沖縄に出会う」本。

◆『光の島 1』尾瀬あきら著 小学館 二〇〇一年一二月一日 五〇五円 ISBN4-09-186381-7
 ビックコミックオリジナル連載中。

◆『沖縄の言論人 大田朝敷 -その愛郷主義とナショナリズム-』石田正治著 彩流社 二〇〇一年一二月一〇日 二八〇〇円 ISBN4-88202-726-7
 石田は九州大学法学部教授。大田(一八六五〜一九三八年)は一八九三年「琉球新報」の創設に参加、近代沖縄の代表的言論人。沖縄とは何か、を問うためには避けて通れない。

◆岩波ブックレット 五五四号『日米地位協定 基地被害からの告発』新垣勉・海老原大祐・村上有慶著 岩波書店 二〇〇一年一二月二〇日 四四〇円 ISBN4-00-009254-5
 沖縄では、新年も米軍関係者による事件・事故が続いている。基地をなくさなければ、何も解決しないのだが、とりあえず、目の前の「地位協定」立ちふさがる。新垣氏は反戦地主などの訴訟には欠かせない弁護士。海老原氏は九六年二月、沖縄で大学受験を終えたばかりの長男を、米兵による交通事故によって失う。村上氏は、九四年一二月、長男のおつれあいの、米兵による交通事故の補償を求めて闘う。

◆『沖縄・生活指導を切り拓く』沖縄生活指導研究会編 国土社 二〇〇一年一二月三〇日 二五〇〇円 ISBN4-337-79002-0
 「生活指導」なんて言葉を聞くとろくなもんじゃない、と思うのはこちらの偏見。現場の沖縄の教師は、琉球大学教育学部の教員たちと実践研究している。好著。

◆『南涛文学』第一七号 南涛文学会 二〇〇一年一二月三〇日 八〇〇円 問合せ先=098-877-9819
 第二回宜野座村てんぷす文芸大賞受賞作、第一三回琉球新報児童文学賞佳作などの作品所収。船越義彰氏の戯曲「ベニハナ一輪・夢の物語」も。

◆『けーし風』第三三号 新沖縄フォーラム刊行会議(098-832-3224)二〇〇一年一二月二〇日 五〇〇円
 特集1 八年を振り返り、その先へ
 特集2 名護市民運動五年・その記憶の断片
 ともかく八年出し続けられている。編集委員も若返り、新たな展開を期待されている。

◆『関東の沖縄・奄美の店徹底紹介 「関東のうるまガイド」-沖縄は美味しい』二〇〇一年一二月 九五二円 ISBN4-900374-06-7
 三年ほど前にも出版されたが、それの新版。関東方面の方は必携(笑)。

◆『日中戦争期の在阪沖縄人』仲間恵子著 大阪人権博物館紀要第五号所収(06-6561-5891) 二〇〇一年一二月
 貴重な研究成果。新報もタイムスもこういう論文を評価しなきゃ……。

◆『写真集 監視行動がとらえた 「基地オキナワ」 -「よき隣人」の実像-』沖縄県平和委員会(098-862-6596) 一二〇〇円
 沖縄の米軍基地を「監視」し、望遠レンズや基地のフェスティバルなどを利用して撮った貴重なガイドブック。もうちょっと値段を高くしてもいいから全ページカラーを望む。沖縄の米軍基地理解のため必携。

◆『沖縄のラーメン 面喰い一〇〇軒』ダイオキ発行 五〇〇円 問合せ=098-861-2412 
 沖縄といえば「沖縄そば」で、うまいラーメンはない、といわれているが……。