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第130号(2001年11月28日発行)

【沖縄報告】

 北谷女性暴行事件 第四回公判

 一ヶ月に三回のハイペースで進められている公判の第四回目が一〇月三〇日、那覇地裁で行われた。この日は午前一〇時から一二時と午後二時半から三時半の二部にわけて検察側、弁護側双方から証人尋問がなされた。証人は一緒に店を出たガールフレンドの友人である被害者を心配して探した折りに犯行現場を目撃したという米軍人。

 彼は検察側の尋問に対して終始冷静な態度で当時の被害者の様子などについて証言した。特に犯行現場については被害者が泣き叫びながら逃れようとしたにもかかわらず被告人が力で押さえつけて行為をやめようとしなかったこと、そのために自分が声をかけてやめさせようとしたことを証言し、被告人が主張するような「合意」などではなくレイプであると思うと述べた。彼の明確な証言内容には信憑性が感じられ、裁判官の心証も良かったのではないだろうか。

 証人のすぐ近くに座っている被告は通訳と証人を交互に見比べながら頬杖をついていたが、どこか他人事を聞いている風に見えるのが不思議でならなかった。たいしたことはないとタカをくくっているのか、あるいは心底「合意」だと思っているのか……?

 後半の弁護側からの尋問は実にひどいものだった。証人自身の生活について土日曜の過ごし方からガールフレンドとの交際のいきさつを事細かに聞くなど本件とは関係ないと思われるもので、裁判長からも簡潔にと注文が付けられた。「米兵と現地女性の交際の実態」を示すことにより「そのような場所では合意もあり得る」と印象づけようとしたと思われる。しかしその狙いは、証人のありのままの証言によって見事に覆された。

 また、証人に示した調書や図面の番号を間違えたり質問内容が不明瞭で通訳を困らせることもしばし、という不手際も手伝って、「合意である」ことを立証できないばかりか、レイプであることを更に印象づける結果となった。

 傍聴席で隣り合わせた女性は、近くに住んでいるが裁判に来たのは初めてという。次回は一一月八日。        
(N)