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第126号(2001年7月28日発行)

沖縄この頃

   島田正博(那覇市議・一坪地主)

 去る七月八日に行われた那覇市議選挙は保守市政になって、初めての選挙で注目されたが、保革の比率は、ほぼ選挙前と同じになった。東京都議選のように小泉旋風は吹かなかったし、逆に米兵による婦女暴行事件で女性候補へ票は流れた。

 そんな中で、連合沖縄が北谷町美浜で起きた、女性への暴行事件に対する抗議集会を突然中止してしまった。詳しい事は知らないが、理由は選挙中とのことである。初めから選挙中であることは百も承知のはずだったのだが、何故か。疑問は不信へと変わり、失望になった。しかし決して落胆にはならず、自分たちでやろうという方向へと動き出していることは喜ばしい事だ。民衆運動は負け続ける「革新運動」の中でようやく独自の力で立ち上がりつつあるように見える。

 日米地位協定を抜本的に見直せ、このあまりにも当たり前の要求に日本政府は及び腰だ。口が達者な田中外相は初めの威勢はどこへやら、イタリアのサミットで「運用改善」なるものでお茶を濁そうと決めてしまった。すでに九五年の少女暴行事件のときに地位協定は運用改善されたはずではないか。今度は何を改善しようというのか。米軍の事件・事故が相次ぐ沖縄では誰も日本政府を信用してはいないし、彼等が沖縄をどう見ているか、よく知っている。それでも背に腹は代えられないと「振興策」なるものに走る連中がいる。何度もだまされ、打ちのめされながらも公共事業にすがらざるを得ない業者たち。基地の重圧と人為的に作られた経済構造。ここを打ち崩す方法は残念ながらまだ確立されていない。基地が存在する限りこの構造は変わらず、「振興策」にすがる業者たちはいろいろな場面で政府の尖兵の役割を果たすだろう。

 超人気の小泉政権だが、彼等は沖縄で躓く事は必至だ。基地問題で何も成果をあげられないばかりか、身振り手振りもアメリカには通用しない事がはっきりしたし、滑らかな口も沖縄では重たくなるからだ。沖縄民衆運動はその事をはっきりと見据えながら進んでいる。