巻頭言
「またか。」
六月二九日に起きた沖縄・北谷町での米兵によるレイプ事件。
それぞれ思いは違うであろうが、こういう言葉が出た人は多かったのではないだろうか。当日は日米首脳会談直前であったことから、全国のテレビ・新聞で連日取り上げられ、にわかに抗議の声が上がり始める。
関東ブロックでも緊急に呼びかけ、七月一〇日にアメリカ大使館へ抗議し翌朝まで座り込んだ(お知らせする時間がなく、参加できなかった会員・読者の方も多かったと思う)。首都圏の各団体からもかけつけ、実に延べ二百名、一番多く集まったときで百五十名が参加して、アメリカ大使
館の門前を埋めた。
九五年九月に起こった少女レイプ事件後、関東ブロックでは急遽、アメリカ大使館へ抗議行動をおこない、二四時間座り込んだことが思い返される。また、その事件の後の、東京での集会で訴えた反戦地主の「いたいけな少女を犠牲にしてしまった」という言葉を忘れることができない。
これまで、わたしたちがどう日米政府につきつけ動かすことができているのか。九五年のときはアメリカ大使館員が会ったが、今回はまったく会わなかった。日本政府もいまだに地位協定の改定すらおこなおうとしていない。しかし一方で、多くの人が関心を寄せ、行動を共にしている。こんな犯罪が繰り返されることで、怒りと沖縄の基地撤去・軍の撤退を求める声が強まっていっているようにも思う。
ただ、何回犯罪・事故が繰り返されないとわたしたちは日米政府を動かすことができないのか。
関東ブロックは、米軍用地強制使用を拒否する反戦地主を支援し、沖縄の基地撤去をめざす運動を始めてから一八年たち、沖縄「復帰」三〇年になろうとしている。沖縄基地の撤去を求める「本土」での運動はまだまだ日が浅いとも言えるが、基地撤去・軍撤退に追いつめるための行動と集まりを日々求め、厳しくとらえ返さなくてはならないという現実である。
(I)
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