軍用地を生活と生産の場に! |
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック |
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第120号(2001年1月28日発行) |
【報告】 名護市役所庁舎包囲行動 名護市民の気持ちは変わらない! 市庁舎を三六〇名が包囲 七月のサミットでは大きな人間の鎖が嘉手納基地を包囲して「沖縄に基地はいらない」と世界各地にメッセージを発信した。あれから五ヶ月、今度は小さな鎖が名護市庁舎を囲んだ。より直接に、より具体的に「あらたな基地はいらない」を示すために。一二月二二日、ヘリ基地反対協の呼びかけによる「市民投票三周年行動」が青空の下でくり広げられた。 集会に先立ち、全国から寄せられた色とりどりのハンカチが、市庁舎の周りにはり巡らされた。新潟・巻原発反対住民との交流からヒントを得て女性たちが集め始めた平和のハンカチが今、数百枚となってメッセージを届けている。 今日は平日なので働いている人も参加できるよう、昼休み一時間の行動だ。名護市を中心に、中部、南部からも駆けつけた人たちで三六〇名、市庁舎を囲むに必要な二〇〇名をはるかに上回った。芝生で反対協代表、命を守る会、二見以北十区の会など各構成団体から挨拶を受けて包囲行動に移る。手をつなぎ、伸びたり縮んだりしながら輪になったところで、市庁舎に向かってシュプレヒコールをあげた。「ヘリ基地建設を許さない! ジュゴンの住む海を守ろう! 市長は民意を尊重せよ!」 三年前、名護市民は「大事なことは皆で決めよう」と市民投票条例を制定させ、市民投票を実現するという自前の民主主義を築いた。そこから得られた反対多数の結果と確信は、いかに政府が振興策で押さえ込んでいるように見えても変わり様がない。サミット開催でリコールはうまくいかなかったけれど、市長選という手もある。三年の月日は普天間飛行場の移設どころではない新たな恒久基地建設の狙いを浮かび上がらせた。市長が十五年期限を担保に受け入れようと、議会が促進決議をあげようと、市民がいらないものはいらない。名護市民の気持ちは変わらないことをあらためて市長に、市議会に向かってはっきりとアピールした。 その後、反対協代表と二見以北十区の会は、アピール文を読み上げて、市長代理に手渡した。十区の会としては実に八〇回目の要請行動だ。ちょうど一年前、岸本建男市長は移設受け入れの前提条件として七項目を掲げたが、それが検討される目途もないまま政府との代替施設協議会に臨んだのが八月二五日。十区の会はその日から毎日、市長に会うために足を運び、ある時は折り鶴を、ある時はメッセージを送り続けてきた。市長が落としてしまった(?)魂を拾うために御願もしたのだった。その効あってか、反対協との対話を約束するに至って今回を締めくくりとした。 今年、日本政府は代替施設協など五件もの協議会を立ち上げることによって、県当局・名護市長をはじめ移設候補地周辺自治体、さらに北部一二市町村を組織化した。また、沖縄政策協議会や二一世紀プランに沿って三〇件に及ぶ事業案を並べ立てた。ジュゴン調査をやり、軍民共用空港プランも示し、移設具体化の体裁を整えたかに見える。しかし肝心の住民の生活がどうなるかについては手つかずのままだ。事業案の中身は一件を除いて全て調査費という代物であり、海洋研究施設案は名護市議会から返上された。「迷惑施設だから金を出す」と言う政府の本音を明らかにするためにプランの一つ一つを検討する必要がある。急ごしらえの振興策が北部の発展につながるのかどうか、全国から知恵を出し合うことも大切だ。日米軍事同盟を強化する国策に対して否の判断を下した名護市民にこれ以上の難儀を押しつけては私たちの「人間」がすたるというものだろう。 (N)
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