普天間飛行場所有地の強制使用手続きに対する
意見書提出行動記
二〇〇一年一月一一日、普天間飛行場内に所有する土地についての特措法に基づく強制使用手続きに対する意見書提出を行うため、一坪反戦地主会の会員およそ三〇名は那覇防衛施設局前に集合した(意見書は県内外から郵送で集まった五八件分、当日参加者が持参した約五〇件分)。午後一二時三〇分より集会を開き城間事務局長、代表世話人の平良修氏、西尾市郎氏などによる特措法の不当性、意見書提出の意義主張がなされ、集まった参加者は午後一時に施設局の人り口を入り一階の一室に通された。部屋の中には意見書提出者のためにイスが並べられ、奥正面に施設局の職員である多良間(タラマ)室長ほか七名の職員が待ち構えていた。
まず、城間事務局長が意見書を提出する前に国側の使用手続きの経過についての回答を聞いた上で提出したいことを述ベ、多良間室長がそれに答えるかたちとなった。その中で、特措法に基づく強制使用手続きを行う国側が一坪反戦地主だけを排除し事前交渉を行わない省略した手続きを進めているが、その根拠を示すよう要求した。多良間室長は、「一坪反戦地主会は基地を生活と生産の場にするという目的を持った団体であり、契約を拒否するのが明らかである。だから、事前交渉は省略してもよいという防衛施設庁の方針であり、前回からその方針で行っている。その方針の文書もある。」と返答をした。一坪反戦地主だからと手続きを省略することは差別であり思想信条の自由に反する事に他ならないので、城間事務局長が「一坪を排除する理由と方針が知りたい。その文書を見せて欲しい。その理由を聞かないと意見書提出ができない。」と詰め寄った。これに対し、「それは見せられない。」と一点張り。その発言を受けて「見せられないのはどうしてか、行政として大事な方針が文書になっていないことはおかしいし、文書になっているのなら開示すべきだ。出来ない理由を述べて欲しい。」と問い質すが、多良間室長は返事ができず、見当違いの答えをしてみたり、黙秘を続けたりする。答えられないのなら、上司に事実確認をして来いとこちらから要求し、退席させて確認させたが、多良間室長の前任者も事実関係をうろ覚えであったり、上司も返答せずに意見書のみ提出させようとゴリ押ししたりして四時間近くやりとりは続いた。最後には、「事前交渉は省略してもよいという方針は文書として存在しない。」と言い出す始末である。意見書提出参加者の中からは、「行政の方針の文書がないのはおかしい、直ちにその文書を見せろ。それとも、文書もない、いいかげんな仕事をしているのか!」との意見が相次いだ。防衛施設局終業の午後五時をむかえようとしていたため、中途半端で終わらせたくないと、参加者らは協議のうえ、『強制使用手続きにおける一坪反戦地主会のみの排除の理由および経過説明の文書の開示がないかぎり意見書の提出を控える』事となり、この日は意見書の提出を見合わせた。
事前交渉もせずに手続きを省略することは一坪反戦地主を差別していることにほかならず、憲法にうたわれている思想信条の自由に反する違法行為である。一坪反戦地主会としてはこれを断じて許すことは出来ない。防衛施設局に対して上記要求の回答をせまり、その回答を受けたうえで意見書の提出を行うことにした。他の地主と同じく、きちんとした事前交渉を行ったうえでの手統きのやり直しを求めていくことにしている。
(一坪反戦地主会事務局 比嘉朗)