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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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第119号(2000年12月28日発行)

巻頭言

 二十世紀は戦争の世紀だったと言われる。父が日中戦争に動員され、叔父が赤道直下の小島で玉砕した記憶を持っていても、自分には経験がない。戦争が何をもたらすかを知るには沖縄戦を跡づけることがとても大切に思われる。ところで、戦争の記憶も風化したといわれるが果たしてそうか?二通りの意味でそうではないと思う。一つは風化しているのは私たち自身の感性ではないかということ。与えられる平和学習を受け取るだけに終わらせていないか?想像力を働かせ掘り出す努力を惜しんではいまいか?記憶を現在に生かすのは私たち次第だと思う。宝物は無尽蔵にある。もう一つは平和を求めるとは反対の立場で記憶を作り変え現代に蘇らせる動きから思うことである。沖縄では昨年、平和記念資料館展示物の改竄が図られ、今夏、石川県内でひめゆり学徒隊と刻銘した大東亜聖戦大碑が建立された。文部省は二〇〇二年度からの教科書で沖縄戦の記述削減をねらっているらしい。沖縄開発庁が進めている沖縄戦資料収集整理事業の行方も注目されるところだ。

 それにしても沖縄戦から学ぶことは多い。最近読んだ『逃げる兵』(渡辺憲央著・マルジュ社)は兵士一人一人の姿を克明に記録していて、軍の論理は住民ばかりでなく兵士をも守らないことがよく伝わるものだった。   
(N)