軍用地を生活と生産の場に!
 
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
http://www.jca.apc.org/HHK
東京都千代田区三崎町2-2-13-502
電話:090- 3910-4140
FAX:03-3386-2362
郵便振替:00150-8-120796

『一坪反戦通信』 毎月1回 28日発行 一部200円 定期購読料 年2,000円

第117号(2000年10月28日発行)

あれから五年、再編・強化される基地

  一○・二一 県民総決起大会 報告

 
 沖縄が日米両政府に異議を申し立てた九五年の秋から五年の節目を迎えた。今年の一○・二一集会は、両政府の差し出したSACO合意が基地の整理・縮小を装いながら統合・強化を押し進めていることをあらためて心に刻む場となった。

 県民会議主催による「名護市へのあらたな基地建設に反対する総決起大会」は二千名(主催者発表)の参加者による集会とデモが行われた。憲法九条の碑が建つ会場の与儀公園では浦添市職、宜野湾市職や平和市民連絡会などの幟が並ぶなか、伊江島の謝花さん、本島行脚中の日本山妙法寺のお坊さんの姿も見える。地主の有銘さんはシャッターチャンスを思案している。

 海勢頭あいさんの司会で始まった一時間半の集会はなんと一六団体の発言が盛り込まれた。主催者を代表して山内徳信さんは「私たちが黙っていると政府も県も市も何をするかわからない。弱者が最後まで勝ち残るためには諦めないことが大切です」と呼びかけた。那覇市長選に立候補している堀川美智子さんは、「軍用地が返還されて発展している地域を見て欲しい。平和であってこそ真の街づくりができる。平和行政のために皆さんと一緒に行動したい」と連帯のあいさつ。会場から大きな拍手がわいた。各政党からも発言があり、沖縄に基地はいらないという女性の声に押されて国会へ出た東門美津子さんが、東京からは沖縄が全く見えていないことが基地の強化に通じていると強調した。

 途中で一息、海勢頭豊さんの「ザンの海」が披露された。各地のコンサートで沖縄の声を伝えていくために作ったものだそうだ。

 市民平和連絡会の新崎盛暉さんはSACO合意のまやかしと、軍民共用空港の三沢基地(青森)を抱える三沢市が振興策によって発展しているわけではないこと指摘し、私たちの要求は基地の整理・縮小・撤去であることをアピール。ヘリ基地反対協の安次富浩さんは先頃のIUCN(国際自然保護連合)の決議採択と海勢頭さんの歌が運動の追い風になっているとお礼を述べて、新たに出発した反対協はこの間、代替施設協議会の解散を県と市に要求し続けてきたことを報告し、市民投票から三周年を迎える一二月二一日には、皆さん是非名護に来てくださいと呼びかけた。集会後、ひめゆり通り↓国際通り↓県庁までのコースでデモを行った。

 八月末に各種協議会を一斉に立ち上げた日本政府は、サミット開催で沖縄を黙らせた勢いで年内にも建設の目途をつけようとしている。一方、基地使用期限一五年問題の矛盾をつき、ジュゴン保護を確約させることで建設断念につなげようとする動きが粘り強く続けられている。東京で開かれる代替施設協議会に対して私たちは何かアクションできないだろうか?  
                  (N)    

県民総決起大会 基地建設反対決議(抄)(2000.10.21)

 県民を無視し続け、新たな基地建設を強行しようとする政府を私たちは許すことができない。知事や名護市長が政府に追随し、基地建設を受け入れることを認めることはできない。名護に、沖縄に、日本に民主主義はあるのか。名護市長は市民の、知事は県民の意思を尊重するのが当然ではないか。

 1995年のこの日、私たち県民は何を誓ったのか。悲惨なあの事件、それは氷山の一角に過ぎなかった。もう二度と繰り返させないと誓ったのではなかったか。私たちはもう一度原点に戻り主張する。

 国際自然保護連合総会は、辺野古の海に生きるジュゴン保護の特別勧告をした。南北朝鮮は、自主的・平和的統一に向け「対話」を始めた。在日・在沖米軍の駐留の意味がなくなりはじめている。沖縄にあらたな基地はいらない。  
(出典:琉球新報)