2000年7月19日
在沖米軍に対する沖縄県の抗議、
およびに沖縄県議会決議への支持表明を求める請願書
埼玉県知事 土屋義彦 様
「日本国憲法」第16条および「請願法」第2条の規定に基づき、次の通り請願します。ついては、「請願法」第5条の規定の趣旨にのっとり、迅速に審議検討した上で、書簡にてなるべく早くご回答ください。
請願の趣旨
7月4日に沖縄県議会で沖縄県知事が表明した米軍への抗議と、7月5日に沖縄県議会が行った「在沖米海兵隊員の住居侵入及び女子中学生に対する準強制わいせつ事件等に関する抗議決議」、さらに、7月14日に沖縄県議会で可決された「在沖米空軍兵士によるひき逃げ事件等に関する意見書・抗議決議」を埼玉県として支持する声明、もしくは意見書を挙げ意思表明をしてください。
請願の内容
7月3日に沖縄県沖縄市で在沖米海兵隊普天間基地所属の上等兵が女子中学生にわいせつ行為を行う、という痛ましい事件が発生しました。7月4日に沖縄県知事が沖縄県議会で在沖米軍に厳重に抗議した旨を表明し、7月5日に沖縄県議会は、「在沖米海兵隊員の住居侵入および女子中学生に対する準強制わいせつ事件等に関する抗議決議」を全会派一致で可決しました。
ところが、7月6日に在沖米軍の最高責任者である四軍調整官が沖縄県庁を訪れ、「これまでの努力を二倍にして再発を防止したい。確信を持って誓うことができる」と語った直後の7月9日に、在沖米空軍兵士によるひき逃げ事件が発生しました。
沖縄県議会では、7月14日に、やはり全会派一致で「在沖米空軍兵士によるひき逃げ事件等に関する意見書・抗議決議」を可決しました。同一議会で二つの抗議決議案を可決するという、異例の事態が生じております。
5年前の米兵による「少女強姦事件」の際にも、沖縄県は厳重に抗議し、沖縄県議会は全会派一致での決議を挙げています。しかし、今回の一連の事件の発生は、「沖縄県の抗議や沖縄県議会の決議だけでは状況は変わらない」ことを示しています。
沖縄県民に対する米軍人の度重なる事件は、本土の私たちの生活と密接に関連しています。面積で日本全土の0.6パーセント程に過ぎない沖縄県に、全国の米軍専用施設面積の75パーセントが集中しているという現実がありますが、これが事件の本質的な構造です。
沖縄県の抗議や沖縄県議会の決議に対し、埼玉県を含む本土内にある自治体が積極的にそれらを支持する意思表示をすることは、悲劇的な事件を未然に防止する一つの有効な方策です。埼玉県におかれましても、沖縄県の抗議、沖縄県議会決議に関しての支持を表明する声明もしくは意見書などを作成し、具体的に働きかけるとともに、埼玉県民にこの事件とそれに対する埼玉県の態度を周知してください。