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第116号(2000年9月28日発行)

巻頭言

 韓国の米軍基地での反基地闘争のビデオ(*)を見た。今年六月、梅香里(メヒャンニ)の住民被害対策委員長が射撃場に入りこみ、「演習中」の旗を切り裂いて引きずり降ろした。学生・宗教者も海上射爆場を占拠・篭城。「もし私が牧師でなければ、演習を実力阻止して自殺する」と泣きながら話す宗教者が印象的。

 六月半ばの南北首脳会談直後のことだ。関東ブロックとも顔見知りの金容漢(キム・ヨンハン=汎国民対策委委員長)氏がシュプレヒコールをする場面もある。同氏ら六人はこの後不当逮捕された。射撃場内に決死の突入をする支援者に対して、米軍は演習を続行。「あれは人間じゃない! 人間にできることじゃない!」の叫び。沖縄でのキセンバル闘争(**)を想起させる場面だ。

 すごいのは抗議する女性たち。機動隊の顔面をかきむしる、傘でたたく。「畑から出ろ! 何を食べて生きている?」「それでも親に顔向けできるのか!」と警察を追い払う。その反対に、抗議される若い機動隊員(軍人かもしれない)の自信なさそうな表情が忘れられない。

 コーエン米国防長官が「米軍のアジア一○万人駐留は不変」と韓国で公言、沖縄の海兵隊規模も変わらないと言う。韓国内部の守旧勢力も南北接近を警戒、北側敵視論を強調し始めているそうだ。米軍と呼応して、南北が統一して米軍駐留が無意味になるのに反対というわけか?
 まさに南北統一すれば在韓・在沖米軍は無用だ! その日は次第に近づいている。
(Y)  


*ビデオ「梅香里米空軍国際爆撃場閉鎖のための闘争速報」(二二分。日本語字幕付き。一七○○円)
**キセンバル闘争 一九七三年から七六年にかけて、米海兵隊の実弾演習に対する恩納村・喜瀬武原地域での阻止闘争。着弾地に潜入し演習を中止させた。