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第110号(2000年3月28日発行)

三・一七 沖縄・名護に新たな米軍基地をつくらせない大集会

寒風の中、日比谷野音に四千人 沖縄から金城さん、東恩納さんが参加
沖縄社大党・共産党・社民党・新社会党の各党代表、多数の国会議員も

 三月一七日に、日比谷野外音楽堂で「三・一七大集会」がおこなわれました。

 開会前のアトラクションは、ヨッシ&沖縄料理店チャンプルーズ、月桃の花歌舞団、琉球ネシアンズによる歌やエイサー。主催者を代表して日本キリスト教協議会の大津健一さんが、「米軍基地の七五%が集中している沖縄に更に新たな基地が押し付けられようとしている。基地によって自然が破壊され平和が脅かされます。基地撤去の声を大きく上げていこう」と開会のあいさつ。

 つづいて来賓として出席した各党の代表からあいさつがありました。島袋宗康沖縄社会大衆党委員長は「県内移設に反対する新市長候補を支持してください。物心両面の協力を求めます。ジュゴンを守るため一緒にがんばりましょう」と訴えました。土井たか子社会民主党党首は「沖縄では美(ちゅ)ら海に基地いらないというのがお互いの合い言葉になっています。市民の意思を無視して基地建設を強行すれば民主政治は崩壊する。市長リコールを支持し、普天間基地の無条件返還をもとめます」と筋の通った闘いの先頭に立つ決意を表明。不破哲三日本共産党委員長は「知事選で自民党の応援を受けた稲嶺知事は、使用期限を十五年とすると公約しました。しかし政府はなんの交渉もしていません。名護に基地をつくらせない声を広げていきましょう」と政府・自民党を糾弾。あいさつの時間はなかったものの、新社会党の矢田部委員長や多くの国会議員も参加しました。

 沖縄からは「平和市民連絡会」の金城睦代表世話人、「二見以北十区の会」から東恩納琢磨代表代行のお二人が参加されました。金城さんは「県内移設はSACO合意に基づいてますが、沖縄の言葉でサッコーは、奇妙な・変なという意味です。私達は世界平和実現の願いから運動しています」と発言。また、四月一七日には大規模な集会を、さらに七月のサミット期間中には嘉手納基地包囲行動を予定していることを紹介し、本土の支援協力を訴えました。東恩納さんは「嫌な事を弱い地域におしつけるイジメの構造が、日本の縮図と思います。ジュゴンの海に基地を作ることは自然環境に対する罪となり国際社会からつまはじきされます。ジュゴン保護基金に協力してください」と地元から本土の人々に訴えました。

 このあと集会は、カンパの訴え、各団体の連帯あいさつ、メッセージの紹介、集会アピール(六頁に全文を掲載)の提案・採択とつづき、最後に司会から、参加者四千名、八○万円以上のカンパが集まったことが報告されました。その後参加者は、寒風をついて、熱気あふれるデモを銀座でくりひろげました(六頁に写真)。      
 (S)  

集会決議

 いま、沖縄は、春を迎えています。ニシ(北西風)の吹く冬が終わり、生命(いのち)輝く新緑の季節がやってきました。

 山原(ヤンバル)の森に、若葉が萌え、辺野古の海のエメラルド・グリーンが、日々その鮮やかさを増しています。

 今日、2000年3月17日、私たちは、ここ、東京の日比谷野外音楽堂に集まりました。この大集会には、実に多様な分野からさまざまな人びとが参加していますが、そのすべての人びとが、一つの明確な思いを共有しています。

 それは「沖縄の名護に新たな米軍基地をつくらせない」という強い決意です。

 昨年11月、稲嶺・沖縄県知事は、普天間基地の移設候補地として、名護市辺野古海域を指名しました。そしてその翌月、岸本・名護市長は、移設の受け入れを表明しました。

 しかし岸本市長の表明は、1997年の市民投要ではっきり示された「海上基地建設はNO」という名護市民の意思を、真っ向から踏みにじるものです。それはまた、日本政府が提示した、10年間で1000億円の経済振興策などと引き替えになされました。

 沖縄の人びとが心から望んでいるのは「基地のない平和な島」です。それにもかかわらず日本政府は、その願いに耳を傾けず、面積比で在日米軍専用施設の75%を、沖縄に押しつけてきました。そればかりか、今度は、最新鋭機を常駐させる、アジア太平洋・中東諸国への巨大な出撃拠点を新たに建設し、名護市民やヤンバルの人びとに、半永久的に押しつけようというのです。

 沖縄の人びとに、激しい憤りが広がっているのは当然であり、現地・名護では、市長リコールの動きや、女性たちが呼びかけた「平和のハンカチ」運動などの、粘りづよい抵抗がつづいています。くジュゴンが棲む美しい海を守れ!! ヤンバルの豊かな自然を壌すな!!〉という声も、日々勢いを増し、全国に広がろうとしています。

 今日この大集会につどった私たちは、日本政府の姿勢に激しく怒っています。私たちは、私たち自身の責任において、政府の米軍基地新設政策を変えさせようと思います。

 私たちは、日本政府に次のことを強く要求します。
 一、名護に新たな米軍基地を押しつけるな!
 一、普天間基地などすべての米軍基地を、無条件に沖縄から徹去せよ!

   2000年3月17日

3・17沖縄・名護に新たな米軍基地をつくらせない大集会  参加者一同